天皇杯決勝 浦和レッズー大分トリニータ 2021年 12月19日(日)|14:00 新国立競技場 3年ぶりに決勝に挑む浦…

天皇杯決勝 浦和レッズ大分トリニータ
2021年 12月19日(日)|14:00 新国立競技場

 3年ぶりに決勝に挑む浦和と、初の決勝進出となった大分の天皇杯の決勝には、あまりにも劇的な結末が用意されていた。

 6万人の観衆を迎えて行われた決勝は、前半6分、大分のゴール付近で浦和の関根貴大が粘り、ひきつけたDF陣の一瞬の隙を突いてフリーになった江坂任にボールを出す。この絶好機に江坂はボールを冷静にゴール中央に流し込み、浦和が先制に成功した。

 前半はそのまま終了したが、後半に入ってからは、大分のシステム修正が功を奏したのか、大分のチャンスが増えていく。

 そのなかでも後半25分、鮮やかなスルーパスから江坂が完全にGKと1対1になり、完全にかわしたかと思われたシュートを、大分のGK高木駿が全身を伸ばして指先に触ってはじくという超ビッグプレー。

 後半27分には、キャスパー・ユンカーに代わって浦和・宇賀神友弥がイン。さらに、38分には小泉に代わって槙野智章が投入された。

 この場面で、槙野は西川からキャプテンマークを託され、代わる小泉に巻いてもらう。そして、関根に代えて大久保智明がイン。ベンチに下がった関根は泣いていて、リカルド監督はその肩を抱き慰めていた。

■後半45分に大分が同点ゴールを決めるがそれを超えるドラマが

 代わった槙野はいきなり直接FKを蹴り、3バックの中央に入る。5バックの形で、しっかり守って1−0で勝利する、というプランを実現させようとした浦和だが、45分にドラマが待っていた。

 準決勝につづいて、大分が試合終了間際にまたも劇的なゴールを決めてみせたのだ。

 左サイドから、下田が利き足ではない右足で上げたクロスに、ゴール前のペレイラが強烈なヘッドを叩き込む。浦和の5バックで守りきって終わる、というプランを一瞬で崩す一発となり、ゲームは1−1となった。

 しかし、この天皇杯の舞台には、さらなるドラマが待っていた。

 93分、高く上がったボールを、柴戸がダイレクトボレーで放った強烈なシュートを、ゴール前にいた槙野が最後にヘッドで方向を変え、あまりにも鮮やかなゴール。スタジアム全体を興奮に叩き込んだ槙野はサポーターのもとに駆け寄ったが、ユニフォームを脱いだ槙野の裸の上半身には、キャプテンマークだけが残っていた。

 そして、アディショナルタイムの5分は過ぎ、最後の笛が鳴り響く。

 浦和レッズが2−1で勝利。

 宇賀神はピッチで座りこみ、槙野はロドリゲス監督と抱き合った。

■GK西川の「マキが最後全部持ってけ」の言葉を実現

 試合後のインタビューで槙野は、こんなことってあるんですね、と尋ねられて、開口一番「お祭り男はエンターテイナーですからね、全部持っていきました」と喜びを語った。

「失点したあとに、西川選手がマキが最後持ってけ、とゴール取りに行けと西川選手に強く背中押されてゴール取ることができました」

 と、GK西川とのやりとりがあったことを明かした。その後のインタビューでは、西川も「槙野選手が後ろに来て、しゅうちゃんどうする、終わらせる? って聞かれて、あと5分あるから取りに行っていいよ、と」いうやり取りがあったことを明かしている。

 あまりにも劇的だった天皇杯の決勝。セレモニーでは優勝カップは槙野と宇賀神が2人で掲げた。

 そして、最後に現役を退く阿部がひとりでカップを掲げ、浦和の2021年シーズンは有終の美を飾った。

「来シーズン、ぼくはいませんが、今いる選手たち、若い選手たちに素晴らしい後押しお願いします。ありがとうございました!」

 と、サポーターに別れを告げた槙野。新しい浦和の戦いがまた始まる。

得点

6分  江坂任(浦和レッズ)  

90分 ペレイラ(大分トリニータ)

93分 槙野智章(浦和レッズ) 

■ 両チームのスタメン

FW キャスパー・ユンカー
MF 小泉佳穂
MF 江坂任
MF 関根貴大
MF 柴戸海
MF 伊藤敦樹
DF 明本考浩
DF アレクサンダー・ショルツ
DF 岩波拓也
DF 酒井宏樹
GK 西川周作


FW 小林成豪
FW 伊佐耕平
MF 渡邉新太
MF 下田北斗
MF 町田也真人
MF 小林裕紀
DF 三竿雄斗
DF エンリケ・トレヴィザン
DF ペレイラ
DF 小出悠太
GK 高木駿

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