乾貴士を起点に生まれた伝説の決勝ゴール

【スコア】
鹿児島実 1-2 野洲

【得点者】
前半23分 1-0 金杉伸二(野洲)
後半34分 1-1 迫田亮介(鹿児島実)
延長後半7分 2-1 瀧川陽(野洲)

美しく勝つ−−。“無敵艦隊”と呼ばれたスペイン代表や、現代サッカーの生みの親とも呼べるヨハン・クライフを擁したオランダ代表に対して使われた言葉だ。日本の高校サッカーにおいて、この「美しく勝つ」を体現したフットボールで観るものを魅了したのが第84回に出場した野洲高校(滋賀)である。

3年生に楠神順平や青木孝太、2年生に乾貴士といったタレントを擁した野洲は2回目の出場となったこの大会で旋風を巻き起こす。山本佳治監督が目指した高い技術を生かしたクリエイティブなサッカーで初の決勝までたどり着き、鹿児島の名門・鹿児島実との決勝戦を迎えることになる。

試合は前半にセットプレーから荒堀謙次のゴールが決まり野洲が先制すると、乾を中心に追加点を奪おうと攻勢に出る。しかし、後半に迫田亮介の得点で追いつき延長戦に入る。そして迎える延長戦で高校サッカー史に残る伝説のゴールが決まることになる。

延長後半7分、ドリブルでボールを持ち運んだ乾のヒールキックを起点に、平原研からつないだボールを中川真吾が折り返し、ファーサイドで瀧川陽が押し込んだ。「高校サッカー史上最も美しいゴール」と謳われた決勝点で初の全国制覇を成し遂げた野洲。その様はまさに「美しく勝つ」を体現した記憶に残るものであった。