WBAスーパー&IBF世界バンタム級王座防衛から一夜明け会見、来年こそ年間3試合希望 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が15日、王座防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京…

WBAスーパー&IBF世界バンタム級王座防衛から一夜明け会見、来年こそ年間3試合希望

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が15日、王座防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・両国国技館でWBA10位&IBF5位アラン・ディパエン(タイ)に8回2分34秒TKO勝ち。圧倒的な内容ながら8回までかかった試合を振り返った。

 井上は多彩さを見せて挑戦者を圧倒。着実にダメージを蓄積させたが、相手はなかなか倒れなかった。8回、最後は左でダウンを奪い、レフェリーストップ。一夜明け、井上は「毎度ですが、ホッとした感じがある。2年ぶりの国内の試合で皆さんに何かを感じてもらえていたら嬉しい」と振り返った。昨夜は恒例の焼肉を頬張り、4時間ほど寝られたという。

 下馬評では圧倒的優位だった。どんな相手でも常に自分を律し、上を目指してきたモンスターだが、格下相手に臨む際の精神面で難しさを感じた瞬間があるという。死闘の末に判定勝ちをしたノニト・ドネア戦(フィリピン)を引き合いに説明した。

「どの試合も同じ気持ち、同じ練習量、同じ仕上がりのつもり。でも、やっぱりドネア戦と今回を比べたら差がある。モチベーションではなく、リングに上がった時の感じ。普段だったら研ぎ澄まされていて相手しか見えていないけど、昨日はそこが欠けていた。防衛を重ねる難しさで、どの試合も臨む試合ができるわけではない。難しさを感じました。

 今回は自分との戦いだった。だから、試合前の発言でハードルを上げたし、それはトレーニングの質も上げるため。そしたらリングで見えるものが違った。WBSSは実力者との戦い。今回の精神状態でリングに上がったのは貴重な経験だった。こういう感覚でリングに上がることもあるんだと。日本でやる試合で、お客さんは声を出せない。その雰囲気がどうなるかも知れた」

 集中していないわけではないが、「フィニッシュの仕方まで考えた」と会場の空気なども感じ取り、目の前の相手だけに専念した状態ではなかったという。

 目標の主要4団体統一へ、来春に他団体王者との統一戦が計画されている。標的はWBC王者ドネアかWBO王者ジョンリエル・カシメロ(ともにフィリピン)。カシメロは計量キャンセルで王座剥奪の危機にある。両団体の王者との交渉がこじれた場合は1階級上に転向することも視野に入れ「来年の春と夏はバンタム級で行く覚悟がある。(スーパーバンタム級は)暮れですかね」と来年末に階級アップの可能性も。5年ぶりの年間3試合を希望した。(THE ANSWER編集部)