モデル並みの容姿から「ロシアの妖精」と呼ばれたマリア・シャラポワ(ロシア)が、金融リテラシーをより身近なものにしようとし…

モデル並みの容姿から「ロシアの妖精」と呼ばれたマリア・シャラポワ(ロシア)が、金融リテラシーをより身近なものにしようとしている。偉大な元テニス選手であり起業家であるシャラポワはこのほど、利用者が株式や暗号通貨をオンラインで売買できるPublic.comという会社の株式を取得したことを発表。保有額は公表していない。米メディアのCNBCが報じている。【関連記事】シャラポワがエコなファッションを披露。ラドゥカヌへのアドバイスとは?

「10代で“ウィンブルドン”で優勝したことで、私はとても若い頃に初めて高額な報酬を手にしたわ。正直に言うと、金融投資の世界はとても近寄りがたいものだった。Public.comは使いやすくて、投資の近寄りがたさを軽減して消費者が学ぶシンプルな手段を提供してくれるから、ありがたいわ」

シャラポワはお金を稼ぐことについてはいくらかのことを知っている。Forbes誌によると、彼女は11年間連続で、最も高収入な女性スポーツ選手の座にあったのだ。

Public社の株式保有に加えて、シャラポワはイベントの主催や助言の提供を行うほか、同社のプラットフォームにおいて全米大学体育協会(NCAA)の選手たちへのアドバイザーとしての役割を担う。

Public社は2019年9月に、現在の共同最高執行責任者であるヤニク・モーリング氏によって創設された。利用者がポートフォリオを構築して株式や暗号通貨に投資することができる同社のプラットフォームの利用者は現在100万人を超えており、そのうち90%は初めて投資をする人々だ。同社によると、2020年に同社の利用者層は13倍に拡大したという。

同社はアクセルパートナーズやグレークロフト、レイクスターなどの有名ベンチャーキャピタルからの投資を含めて3億1,000万ドル(約351億8,717万円)の資金を調達している。その他の著名な投資家には、俳優のウィル・スミスや米NFLのフットボール選手J・J・ワット、メディアの大御所シャリ・レッドストーン、実業家のディック・パーソンズ、そしてスケートボードの伝説的選手トニー・ホークらが名を連ねている。

「私がPublicに投資する理由のうち一番重要なものの一つは、Publicのアプリの利用者の40%が女性だという素晴らしい統計的事実。これはこの世界ではほとんど聞いたこともない数字よ」とシャラポワ。女性を惹きつけていることに加え、Publicの利用者の45%は黒人などの有色人種だ。

シャラポワのプロテニス選手として異色の成育歴は、彼女をビジネスの世界への最前線に立たせることとなった。シャラポワは7歳の時に、わずか700ドル(約8万円)を手にロシアからアメリカに渡った。彼女はすぐに選手として芽を出し、5度にわたって世界ランキング1位の座に就いた。その間にシャラポワは、ナイキやペプシ、ポルシェといった大企業とスポンサー契約を結んだ。

2012年にシャラポワは自身の会社「シュガポワ」を立ち上げた。この会社はキャンディやお菓子のブランドとして成功しており、今では毎年2,000万ドル(約23億円)以上を稼ぎ出していると言われる。シャラポワはまた、TonalやTherabody、SuperGoopといった美容・健康分野の企業にも投資を行っている。自身の成功にもかかわらず、シャラポワは常にもっと学ぼうと努めている。

「私は会議でも役員室での時間でも、それに自分の契約を見る時でも、できるだけ多くの学びを得ようとしているの。同じ理由で、自分の代わりにそういうことをしてくれる外部の人を抱え過ぎないようにもしているわ」

長引く怪我を経験し、またドーピング検査の結果により15ヶ月の出場停止処分を受けたシャラポワは、2020年にプロテニスを引退。シャラポワは20年近くプレーしてグランドスラムで5回優勝し、名を成したのはテニスコートにおいてだが、これから先の未来についても楽観的だ。

「最初の章は素晴らしかったし、若い頃にすごく多くのことを経験することができた。でもこの次の章には、それと同じくらい私をワクワクさせる何かがあるの」

※為替レートは2021年12月13日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真はニューヨークでのシャラポワ(2020年2月)

(Photo by Donell Woodson/Getty Images)