厳選!2歳馬情報局(2021年版)第29回:ミッキーキング 関東のトップトレーナーであり、今年も力を秘めた2歳馬を多数抱…

厳選!2歳馬情報局(2021年版)
第29回:ミッキーキング

 関東のトップトレーナーであり、今年も力を秘めた2歳馬を多数抱える国枝栄厩舎。サークルオブライフ(牝2歳)やコマンドライン(牡2歳)ら、2歳GI戦にも有力候補を送り出すなど、ハイレベルかつ層の厚い陣容となっている。

 そうした状況にもかかわらず、これからデビューを迎える2歳馬にも注目の血統馬がいる。ミッキーキング(牡2歳/父ロードカナロア)である。



ミッキークイーンの初仔となるミッキーキング

 同馬の母は2015年に牝馬二冠を達成したミッキークイーン。彼女は2戦目で初勝利を挙げると、GIIIクイーンC(東京・芝1600m)で2着、続くオープン特別の忘れな草賞(阪神・芝2000m)を勝って、GIオークス(東京・芝2400m)に臨んだ。

 同レースでは中団でレースを進め、最後の直線で力強く伸びて快勝。GI桜花賞から向かってきた有力馬たちを蹴散らして、「樫の女王」に輝いた。

 その後、秋には「牝馬三冠」の最終戦となるGI秋華賞(京都・芝2000m)も勝利。2つのタイトルを手にして、この世代の女王の座を確固たるものにした。

 以降、古馬となってからもGI戦線で奮闘。3つ目の勲章を手にすることはできなかったが、2、3着には度々入って力のあるところを見せ続けた。

 そして引退後、繁殖牝馬となった彼女が最初に生んだのが、ミッキーキング。父も短距離GI6勝のロードカナロアという良血だ。

 そんな逸材について、厩舎関係者はどんな感触を得ているのだろうか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ミッキーキングはデビューの予定こそまだ立っていませんが、ゲート試験はすでに合格しています。トレセンでの強い調教もこれからという段階であるものの、『馬体のつくりはよく、気性も問題なさそう』とスタッフ。馬体重も460〜470kgほどで、程よいサイズと言えます」

 デビューが遅れているとはいえ、ケガなどによるものではないという。その詳細について、先述のトラックマンが語る。

「まだ体質がパンとしておらず、調教を強めると疲れが出てしまうようです。それでも、この血統ですから、厩舎の期待度が高いのは確か。調教を重ねるなかで、『血統のよさが出てくれば』とスタッフは話しています」

 陣営としては、良血ゆえ、中途半端に使うよりもじっくりと仕上げていきたいといった意向もあるのだろう。

 3歳牝馬女王となった母を持つミッキーキング。母同様に3歳のひのき舞台で躍動できるのか。デビューを迎える日が待ち遠しい。