現地11月25日から行われている国別対抗戦「デビスカップ by Raku…
現地11月25日から行われている国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリード、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)。12月4日の準決勝でロシアがドイツを破り、2007年大会以来となる決勝進出を決めた。大会公式ウェブサイトやATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトなどが報じている。【実際の動画】メドベージェフがクリスティアーノ・ロナウドのモノマネ?
ロシアは、1試合目で世界ランキング5位のアンドレイ・ルブレフが世界54位のドミニク・コプファーと対戦。ドイツの1試合目は、グループステージ2試合だとコプファーがプレーしたが、準々決勝では世界86位のペーター・ゴヨブチックが起用され、選手を固定していないとして彼らに敗れたイギリス側に批判されていた。今回は大会序盤と同じくコプファーが登場したが、ルブレフが6-4、6-0で快勝。「最初から最後まで集中していた」と語るルブレフは、4回あったチャンスをすべてブレークに結びつけた一方、相手には一度もブレークポイントを与えずに、わずか49分で試合を終わらせた。ストレート勝ちを収めたのは今大会初となる。
2試合目では世界2位のダニール・メドベージェフが世界51位のヤン レナード・ストルフを6-4、6-4で下し、今大会の4試合すべてでストレート勝利。スウェーデンとの準々決勝ではサーブが不安定で世界94位のミカエル・イーメルに3度ブレークされてしまったメドベージェフだが、この日は7本のサービスエースを決める一方でダブルフォールトはゼロ、ファーストサーブの確率も70%と安定していた。メドベージェフは第1セットの時から鼻血が出ていて、第2セット途中にはその治療のため一時プレーを中断する場面もあったが、特に影響はなかったようだ。
シングルスで2勝したロシアの決勝進出決定により、最後のダブルスは消化試合に。そのため、ロシアは毎回シングルス、ダブルス両方に出場してきたルブレフを休ませ、代わりにカレン・ハチャノフがアスラン・カラツェフとコンビを組んだ。ドイツはこれまで全勝のコンビ、ケビン・クラウィーツ/ティム・プッツ組が4-6、6-3、6-4の逆転勝利で大会最後の試合を締めくくっている。
クロアチアの待つ決勝進出に貢献したメドベージェフは「決勝に行けることになって本当に嬉しい。ここまで素敵な時間を過ごすことができているよ。クロアチアとの決勝は簡単にはいかないだろう。彼らは世界最高のダブルスチームを擁しているからね。僕たちはできればシングルス2試合で勝負を決めたいけど、そこで決まらなかったとしても僕たちのダブルスチームはきっとやってくれるだろう」と述べている。
なお、マドリードで行われたこの準決勝では、スタンドのドイツファンやスペインファンからブーイングを浴びせられる場面もあったメドベージェフの、試合後の言動が話題を集めている。彼はブーイングするスタンドに向けて両方の手の平を下に向けて落ち着けと呼びかけるような仕草をした後、左足でコートを大きく3回踏んでみせた。さらにオンコートインタビューでは「大会のここまでのハイライトはスペインをやっつけたことだね」と観客を刺激するようなコメントを発した。「(ブーイングを受けるのは)2019年に始まったけど、人々はどうやって僕を負かすことができるかがまだわかっていないね。僕を応援すればいいのに。でもいいさ、ブーイングし続ければいい。僕は単に勝ち続けるだけだからね」
メドベージェフ曰く、「落ち着け」のジェスチャーは別にファンを刺激するつもりでやったわけでなく、現在チーム内で流行っているもので、サッカー界のスーパースター、クリスティアーノ・ロナウドが試合中によく見せる仕草を真似したものだという。「みんなで練習したりカードゲームで息抜きしている時にやる、仲間内のジョークがあるんだ。クリスティアーノ・ロナウドなんかのサッカー選手がやる仕草で、僕たちは“落ち着け、落ち着け、落ち着け”って言っているんだよ。スタンドがブーイングし始めた時、これで祝おうと思った。ここで日曜(決勝)も戦えるなんて嬉しいね」
ロシアは試合後、代表監督シャミール・タルピチェフの100試合突破を祝ってケーキが贈られた。1997年からチームを率いる彼は、2002年、2006年にロシアにデビスカップのタイトルをもたらしている。そんな名将のもとで、ロシアは15年ぶりに歓喜を味わうことができるだろうか。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」でロナウドの真似(?)をするメドベージェフ
(Photo by Burak Akbulut/Anadolu Agency via Getty Images)