ルイ・ヴィトンのメンズウェアコレクションのディレクターや、OFF-WHITE(オフホワイト)のCEOを務めたデザイナーの…

ルイ・ヴィトンのメンズウェアコレクションのディレクターや、OFF-WHITE(オフホワイト)のCEOを務めたデザイナーのヴァージル・アブローさんが、癌のため41歳で亡くなった。テニス界からも、その死を惜しむ声が数多く上がっている。米テニスメディアBaselineほか複数メディアが報じた。【実際の写真】2018年「全米オープン」でのセレナのチュチュウェア

著名なデザイナーで、世界中から高い評価を受けていたアブローさん。彼の業績はテニス界のトッププレーヤーたちにも大きな影響をもたらしている。

アブローさんの率いるOFF-WHITEと、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が契約するナイキが共同で制作したウェアを、セレナが試合で着用した際には大きな話題となった。2018年の「全米オープン」では、その前に行われた「全仏オープン」で着用したキャットスーツが大きな波紋を広げ、彼女がどんなスタイルでコートに戻ってくるのか世界中が注目する中、なんとチュチュがついたウェアで登場。これこそが、アブローさんのデザインしたウェアだった。さらに翌年の「全仏オープン」でも、彼のデザインしたウェアを着用したセレナ。ウォーミングアップ時などに着用していたケープ型の羽織には、“母親”、“チャンピオン”、“女王”、“女神”を意味するフランス語がプリントされていた。

セレナはInstagramにアブローさんとの思い出の動画や写真を投稿。「友人の@virgilabloh(アブローさんのアカウント)が亡くなった悲しみを、言葉ではとても表現できません。偉大なる天才を目の当たりにし、彼の笑顔の温もりを感じる機会があったことを、私は感謝し続けることでしょう。彼の隣に立つことができて光栄でした。彼は、入ったすべての部屋を明るく照らすような人でした。彼の芸術が、文化や人々にどれほど深く影響を与えたかを知って、彼の最愛の家族や友人が気持ちを和らげられますように。あなたと離れて寂しくなります」と綴っている。

最近では、エリナ・スビトリーナ(ウクライナ)とガエル・モンフィス(フランス)夫妻の結婚式で、スビトリーナが着用していたカジュアルシックなドレスのデザインも担っていた。モンフィスは「ほんの数か月前、あなたがエリナのウェディングドレスをデザインするという、誇らしい経験を私たちに与えてくれました。この繋がりに一生感謝します」とコメント。スビトリーナも「言葉が出ない…。どうぞ安らかに」とツイートしている。

その他にも多くのトップ選手たちがこの訃報を受けてコメント。フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)はTwitterで「幸運にも一度お会いできました。あなたのエネルギー、優しさ、寛大さは、まさに周りを照らす光でした。些細なことでも人生のすべてを楽しんで、愛する人と過ごす時間を大切にすることを忘れないようにしましょう」と哀悼の意を表している。ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)もまた、「オーマイガー。@virgilablohが逝ってしまったなんて信じられない。いやよ」とツイート。大坂なおみ(日本/日清食品)やココ・ガウフ(アメリカ)、さらにマリア・シャラポワ(ロシア)も、Instagramのストーリーでアブローさんを追悼した。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「全米オープン」2回戦で対戦中のセレナ

(Photo by Julian Finney/Getty Images)