今週は中京競馬場で第22回・チャンピオンズカップ(GI、ダ1800m)が行われる…
今週は中京競馬場で第22回・チャンピオンズカップ(GI、ダ1800m)が行われる。ダート初挑戦の白毛馬・ソダシ、武蔵野Sで2着のエアスピネル、前走シリウスSを快勝したサンライズホープ、その他JBCクラシックからチュウワウィザード、ケイティブレイブ、テーオーケインズ、ダノンファラオ、カジノフォンテンらダートGIに相応しい豪華メンバーが集結した。
ここではチャンピオンズカップの好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」として今年のフェブラリーS覇者・カフェファラオを取り上げたい。
◆【チャンピオンズカップ2021/危険な人気馬-前編】人気先行のGI馬は“消し” ダート頂上決定戦で「買うべきではない」1頭とは
■フェブラリーS勝利で評価は上がるが……
芝初挑戦の前走函館記念は参考外とし、まずはカフェファラオの前々走かしわ記念について分析する。
フェブラリーS勝利後、2カ月半の休養を挟み、プラス4キロの馬体重で挑んだカフェファラオ。五分のゲートから道中は7番手付近で競馬を進め、4コーナー手前でインから先団に取り付くも直線では脚が上がってしまい5着に敗れてしまった。久々のナイター競馬だったことや地方の砂の適性など様々な敗因が挙がるものの、競馬の内容に対しては疑問が残るレースとなってしまった。
インティやソリストサンダー、ミューチャリー(後のJBCクラシック勝ち馬)を下したフェブラリーS含め、これまでの戦歴からも「古馬ダート路線でトップクラスのスピード能力を保持し、番手を問わず鋭い末脚を繰り出せるGI馬」と評価できるだろう。また、昨年のシリウスS(中京ダ1900m)含め、4勝を挙げている得意の左回りに戻ることに加え、先週の騎乗機会が【9-5-2-4】と好調のルメールを迎える今回は「同一年ダートGI勝利」に期待が高まるのも当然だろう。
しかし、結果的に芝適性を見出せなかった函館記念からの直行ローテに加え、1600m以上の距離になるとパフォーマンスを落としてしまうカフェファラオに一抹の不安が残る。
■近年稀にみる地方馬の躍進
次に、今年行われたダート重賞成績(GI・JpnI、1600m~)と昨年のダート重賞成績(GI・JpnI1600m~)を比較し分析してみる。
このように、川崎記念・かしわ記念で強力中央勢を下したカジノフォンテンをはじめ、帝王賞では地方に移籍した9歳馬のノンコノユメが好走し、先月のJBCクラシックで史上初の地方馬による勝利を達成したミューチャリーなど、今年は昨年と比べても地方馬の活躍が目立った年だった。この背景には「クリソベリルら強豪の引退」や「南関競馬の活性化」などが影響しているのかもしれない。
カフェファラオ自身もフェブラリーSを勝利しているが、次走のかしわ記念でカジノフォンテンの5着に敗れ、2、3着馬も次走で人気を裏切り凡走している内容を踏まえても、決して「ハイレベルのGI」だったとはいえないだろう。
似たような事象が起こった年が一度あり、1999年アブクマポーロ(船橋所属)が川崎記念でキョウトシチーら中央勢を下し、メイセイオペラがフェブラリーSと帝王賞で並み居る強豪中央勢を下し、オリオンザサンクスがジャパンダートダービーを制するなど地方馬が当時のダート界を席巻していた。レースレベルなどは現在と異なるが、どこか「22年前」と似ている現象が起きてると言えよう。
つまり、勢力を拡大しつつある地方馬の成長力を止めるには、素質はもちろん必要となるが、なによりも「レース経験」が重要視される。地方馬は平日のレースがメインとなるだけに「番組数」が豊富で、レース経験は中央勢を上回るものの、一方のカフェファラオは、これまで古馬ダート重賞を4度しか経験できていない。それに加え、カジノフォンテンにかしわ記念で1秒1差をつけられて敗戦している事実があるために今年のフェブラリーSは評価してはいけないのだ。
■昨年以上の末脚は見込めるのか
次にチャンピオンズCの好走パターンについて分析する。
・1600m 【3-4-1-33】 勝率7.3%、連対率17.1%、複勝率19.5% ・1800m 【3-3-4-40】 勝率6.0%、連対率12.0%、複勝率20.0% ・2000m 【3-0-1-27】 勝率9.7%、連対率9.7%、複勝率12.9% ・2100m 【1-3-1-11】 勝率6.3%、連対率25.0%、複勝率31.3%
このように最も馬券に絡んでいるのは前走1800mの10回。レース名がジャパンカップダートだった2013年以前はみやこS(京都ダ1800m)が主流ローテだったものの、ここ数年はマイルCS南部杯や武蔵野Sなど前走1600m組の好走が目立っている。一方で芝からチャンピオンズCのローテを歩んだ馬は昨年のヨシオ(最下位16着)一頭のみで、掲示板内に好走したこともない点もカフェファラオにとって不安材料となるだろう。
また、近年は先行激化のため差し馬の台頭が目立っており、なかでも上がり最速の末脚馬は単勝回収値「365%」が示す通り、度々波乱を巻き起こしている。昨年のチュウワウィザードは4番人気ながら上がり最速の末脚で差し切り勝利、2018年にはウェスタールンドが8番人気の低評価ながら上がり最速で2着に好走、16年の上がり最速馬サウンドトゥルーは6番人気で勝利するなど、人気の盲点となっていた差し馬が活躍していた。
一方、カフェファラオはデビュー以来「上がり最速」の末脚を繰り出したのは新馬戦の一度のみ。昨年のチャンピオンズCでも末脚が通用しなかったように、これまでの戦歴を見返してもチャンピオンズカップの好走条件には該当しない。
また、血統面でも不安点があり、American Pharoah産駒の2歳時成績は【13-4-4-22】という好成績で、3歳時成績も【13-4-2-50】と抜群の成績を残しているのに対し、4歳時になると【1-0-1-11】と極端に数字が落ちてしまう。うち1勝はフェブラリーSで勝利した同馬だったが、若馬時に強烈なインパクトを残して勝利する馬が多いAmerican Pharoah産駒は人気が先行する傾向にあるため、想定人気以上に軽視する必要もあるのではないか。
以上の不安点から馬券の妙味を考えると、カフェファラオは「消し」の評価。
「後編」ではカフェファラオに代わる本命、そして穴馬4頭を含めた結論を紹介する。
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文・西舘洸希(SPREAD編集部)