リカルド・ロドリゲス監督を迎えてスタートした今シーズン。浦和レッズの大きな特長として、新加入選手や若手選手が躍動したこ…

 リカルド・ロドリゲス監督を迎えてスタートした今シーズン。浦和レッズの大きな特長として、新加入選手や若手選手が躍動したことが挙げられる。さらに、MF阿部勇樹の現役引退、DF槙野智章とDF宇賀神友弥の契約満了など、ベテラン選手の退団が発表され、世代交代も一気に進んでいる。

 2019年に掲げた「3年計画」も、いよいよ2年目の終盤に。「リーグ優勝」という3年目の目標を達成するために、浦和レッズは変革期を迎えている。

 現在の浦和の強みは、複数のポジションをこなせる選手が多数いることだ。MF明本考浩、MF小泉佳穂、MF江坂任、MF伊藤敦樹、DF西大伍、DF酒井宏樹などは様々なポジションでプレーが可能で、試合中のシステム変更にも対応できる。来年もリカルド監督が好む4-2-3-1のシステムが基本形になるだろうが、彼らのようなユーティリティプレーヤーをどこに配置するかで、同じ布陣ではあってもスタメンの顔ぶれも変わってくるだろう。

■<4-2-3-1>第2パターン

 同じ4-2-3-1のシステムではあるが、別のパターンも想定してみたい。

 第1パターンと同じく、GKは西川周作。最終ラインは、左SBにMF明本考浩を置き、DFアレクサンダー・ショルツ、DF岩波拓也、DF酒井宏樹と続く。実際、今シーズンの中断明けからリーグ戦4試合でこの顔ぶれの4バックが採用されていた。

 ダブルボランチには、若手選手の成長という期待も込めて、左にMF伊藤敦樹を配置してみる。大卒ルーキーの伊藤は、先日の横浜FM戦でJ1初ゴールを決めたばかり。開幕当初はスタメンに定着し、現役引退を表明した阿部ともコンビを組んでいたが、MF平野佑一の加入後からベンチスタートが続いていた。しかし、直近の3試合ではスタメンに復帰。遠目からでも積極的にシュートを狙い、ゴールやアシストにも絡んでいる。そんな伊藤の相棒には、攻守の両面で存在感が際立つ平野を置きたい。

 左SHには、MF汰木康也。去年はシーズン終盤にJ1初ゴールを挙げたが、今シーズンは公式戦で5得点をマーク。シーズンをとおしてチャンスに絡むシーンも多く、躍進した選手の一人である。トップ下と右SHは、第1パターンとは逆にして、トップ下にMF江坂任、右SHにMF小泉佳穂を想定した。江坂が過去に何度も「佳穂との距離感が良い」と話していたように、はじめてこの2人が同時起用された試合から絶妙なコンビネーションを見せ、リカルド監督も「2人のテンポが非常に良い攻撃のアクセントになっている」と絶賛していた。ワントップはやはりFWキャスパー・ユンカーが鉄板かと思われる。

■鍵を握るのは「明本の配置」

 4-2-3-1を基本形としながらも、今シーズンは4-4-2や4-1-4-1でスタートした試合も多数あり、途中から5バックにして臨んだこともある。フォーメーションも選手起用も、選択肢は多岐にわたるが、そのなかでも鍵を握るのは、明本をどこに配置するかだろう。

 明本はチームでも随一のユーティリティプレーヤーで、右サイドでも左サイドでもプレーが可能。今シーズンはセンターバック以外のすべてのポジションで起用されているという強者だ。主戦場は中盤ではあるものの、リーグ中断明けからは左SBで先発出場が続き、ストライカーであるユンカーやFW興梠慎三の代わりにワントップを任される試合もあった。運動量も豊富で、試合終盤になっても走り負けないスタミナを兼ね備えている。

 第32節のG大阪戦で負傷し、まだ実戦復帰できていない状態だが、天皇杯の獲得に向けて明本の調整が続いている。さらに、リーグ優勝を狙う来シーズンにおいて、浦和の強みになりつつある多彩なフォーメーションやスタメンの起用を継続していくためには、やはり明本の存在は欠かせないものになるだろう。

 明本を主軸にした布陣にすれば彼の強みを活かすこともできるし、明本の配置を変えることでチーム全体の弱点を補うこともできる。そういう意味では、明本がどのポジションで起用されるかによって、チームの現状を知るためのひとつの指針にもなるかもしれない。

 今後、リカルド監督はどんな布陣で、選手をどのように配置していくのか。就任2年目となる来季には、我々が想像もしないような起用法も飛び出すかもしれない。「3年計画」のラストを飾るシーズンに期待が高まる。

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