現地25日から行われている国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten…

現地25日から行われている国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリード、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)。28日には、各地でグループステージ最終戦が行われ、準々決勝に進む8ヶ国が出揃った。大会公式ウェブサイトやATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトなどが報じている。【実際の動画】フェリシアーノ・ロペスがリターンエース!【実際の動画】運にも恵まれた?セルダルシッチのコードボール【実際の写真】デビスカップ準々決勝以降のトーナメント表

ベスト8入りした8ヶ国は以下の通り。

●ロシア(グループA/1位)…ダニール・メドベージェフ、アンドレイ・ルブレフ、アスラン・カラツェフ、カレン・ハチャノフ、エフゲニー・ドンスコイ

●カザフスタン(グループB/1位)…アレクサンダー・ブブリク、ミカエル・ククシュキン、ドミトリー・ポプコ、アレクサンドル・ネドベソフ、アンドレイ・ゴルベウ

●イギリス(グループC/1位)…キャメロン・ノリー、ダニエル・エバンズ、リアム・ブローディ、ジョー・ソールズベリー、ニール・スクプスキー

●クロアチア(グループD/1位)…マリン・チリッチ、ニノ・セルダルシッチ、ボルナ・ゴヨ、ニコラ・メクティッチ、マテ・パビッチ

●イタリア(グループE/1位)…ヤニク・シナー、ロレンツォ・ソネゴ、ファビオ・フォニーニ、ロレンツォ・ムゼッティ、シモーネ・ボレッリ

●ドイツ(グループF/1位)…ヤン レナード・ストルフ、ドミニク・コプファー、ペーター・ゴヨブチック、ケビン・クラウィーツ、ティム・プッツ

●スウェーデン(グループB/2位)…ミカエル・イーメル、エリアス・イーメル、Jonathan Mridha、Andre Goransson、ロバート・リンステッド

●セルビア(グループF/2位)…ノバク・ジョコビッチ、ドゥサン・ラヨビッチ、フィリップ・クライノビッチ、ミオミル・キツマノビッチ、ニコラ・チャチッチ

今大会はトリノ、インスブルック、マドリードという複数の都市での同時開催。 出場18ヶ国が3ヶ国ずつの6グループに分かれ、それぞれの都市で2つのグループがまず総当たり戦を実施。その後は準々決勝が行われ、最後はマドリードで準決勝と決勝が開催される。大会4日目は、ベスト8を懸けて各グループで最後の対戦が行われた。

マドリード開催のグループAでは、ともにエクアドルに3-0で勝利していたスペイン、ロシアが対決。1試合目では世界ランキング106位のフェリシアーノ・ロペスが世界5位のアンドレイ・ルブレフに2-6、6-3、6-4の逆転勝ちで、ホームのスペインがリードを奪う。しかし、2試合目で世界20位のパブロ・カレーニョ ブスタが世界2位のダニール・メドベージェフに2-6、6-7(3)で敗戦。3試合目では、ダブルスで元世界9位のロペスと元世界4位のマルセル・グラノイェルスがペアを組み、「東京オリンピック」混合ダブルスの金・銀メダリスト、ルブレフとアスラン・カラツェフのコンビと対戦したが、6-4、2-6、4-6の逆転負けを喫した。これによりロシアが突破を決めた一方、前回王者のスペインはグループ2位で抜けるチャンスも逃して敗退となった。

チームは敗退となったものの、ベテランのロペスは「正直、期待以上だった」と語る。「40歳になって地元で国を代表することができるだけで凄いことだからね。自分がシングルスに出場するとは思っていなかったけど、(欠場者続出により)その役を務めなければならなかった。キャリア終盤の僕が今日、地元で世界5位のアンドレイと対戦できるなんて、期待以上だったよ!」

同じくマドリードで行われたグループBでも、前回大会のファイナリストが消えることに。大会1日目にスウェーデンに0-3で敗れた前回準優勝国のカナダは、そのスウェーデンに2-1で競り勝っていたカザフスタンにも0-3の完敗。世界36位のアレクサンダー・ブブリク率いるカザフスタンは、ここ10大会で6度目のベスト8進出となる。

無観客開催のインスブルックでは、グループCのイギリスが2連勝で準々決勝へ。フランスに2-1で競り勝っていたイギリスは、チェコにも2-1で勝利。1試合目を世界25位のダニエル・エバンズが落としたが、世界12位のキャメロン・ノリーが3セットの末に2試合目を制して1-1に。最後は「東京オリンピック」でもダブルスに参戦していた二人、ジョー・ソールズベリー/ニール・スクプスキー組がストレート勝ちを収めた。

トリノで大会初日にオーストラリアから3-0で勝利をあげていたグループDのクロアチアは、グループステージ突破を懸けたハンガリーとの試合で24歳の世界243位ニノ・セルダルシッチが活躍。世界73位ボルナ・チョリッチの離脱によって追加招集されたセルダルシッチは、これが大会デビュー戦ながらストレート勝利。エースのマリン・チリッチがもう1試合を落としたチームに貴重な1ポイントをもたらし、突破に貢献した。セルダルシッチは「これまではずっと自分のためにプレーしていたけど、チームのため、国のために戦って勝利をもたらせたことは、キャリアで最高の瞬間だった」と喜んでいる。

同じくトリノで地元イタリアが連勝によりベスト8進出一番乗りを果たしたグループEでは、残る2チームのアメリカとコロンビアが対戦。アメリカはコロンビアに3-0で勝てば2位で突破の可能性が残されていたが、1試合目で世界38位のフランシス・ティアフォーが逆転勝利を収めるも、2試合目で世界24位のジョン・イズナーがそれに続けず。最後のダブルスはジャック・ソックの負傷で棄権となってしまい、1-2で敗戦。結果、グループ最下位で大会を去ることになった。

インスブルックで開催されたグループFでは、ドイツがオーストリアに2-1で勝利。世界54位のドミニク・コプファーが1試合目を落としたものの、2試合目を世界51位のヤン レナード・ストルフが取り、最後はダブルスで世界トップ20の二人、ケビン・クラウィーツ/ティム・プッツ組がセルビア戦に続いて白星をあげた。なお、この日試合のなかったセルビアは、グループ2位としてスウェーデンに続いて成績が良かったため、辛くもベスト8最後の椅子を手にしている。

前回王者のスペインや強豪国のアメリカ、フランスも消える中、準々決勝はセルビア対カザフスタン、イタリア対クロアチア、イギリス対ドイツ、ロシア対スウェーデンという組み合わせになっている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」でのメドベージェフ

(Photo by Oscar J. Barroso/Europa Press via Getty Images)