関東圏を中心とした16校の大学が、7人制ラグビーで頂点を争う第18回東日本大学セブンズ大会。4月9日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた。 1回戦勝利チームによるチャンピオンシップトーナメントを制したのは、前年度準優勝の明大だ。決勝戦で…

 関東圏を中心とした16校の大学が、7人制ラグビーで頂点を争う第18回東日本大学セブンズ大会。4月9日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた。

 1回戦勝利チームによるチャンピオンシップトーナメントを制したのは、前年度準優勝の明大だ。決勝戦では終盤の猛追撃を退け、昨季の覇者である東海大を26-21で破った。3年の松尾将太郎は「勝っていくごとに選手のマインドが変わって、チームがひとつになった」と振り返った。

 普段おこなう15人制と同じグラウンドを使う7人制は、1人ひとりに与えられるスペースが広大。試合時間も15人制が80分なのに対して7人制は14~20分だ。両者は似て非なる競技とされるため、7人制の大会があるこの時期には各大学とも本番前約1~2週間は7人制に特化した練習メニューに取り組む。

 ところが今度トップに立った明大は、大会前日に約40分の確認作業をしたのみだった。丹羽政彦監督を支える田中澄憲新ヘッドコーチ(HC)いわく、「アタックとディフェンスの約束事(の確認)をやっただけ」。裏を返せば、春先からの鍛錬が結果をもぎ取った。

「春からやってきたことを、7人制の約束事につなげたというだけ。あとは選手の勝ちたいというマインドで、勝ち切った。あれは、理屈じゃない」

「前へ」を部是とし、15人制の大学選手権では過去12回の優勝を経験した古豪。21シーズンぶりに頂点へ立つべく、今季は田中HCら新スタッフを招聘していた。スローガンは「NEW“MEIJI”」。田中HCは、動き出している新チームをこう語る。

「春にやってきたのは身体づくり、フィットネス、ファンダメンタルのプレー(基本スキルなど)。チームの練習はしていないに等しい。(以後の強化ポイントについては)セットプレーが勝つうえでは落とせないし、ファイナルゲームではディフェンスも欠かせない。それと、トランジション(攻守の切り替え)にこだわってやっていきたいです」

 春からは大型ルーキーの大量入部でも注目されるが、この日も埼玉・深谷の山沢京平、神奈川・桐蔭学園の山本龍亮、兵庫・報徳学園の石川貴大がメンバー入り。特に山本は決勝戦でトライを挙げるなど献身的に動き回った。田中HCは「高校生上がりとあってまだ身体はできていないですけど、おもしろい。やりすぎると怪我をさせてしまいますが、(鍛錬と休養の)バランスを取りながら…」と1年生の強化プランを明かした。
(文:向 風見也)