今週は阪神競馬場で第46回・エリザベス女王杯(GI、芝2200m)が行われる。前…
今週は阪神競馬場で第46回・エリザベス女王杯(GI、芝2200m)が行われる。前走の秋華賞でソダシやユーバーレーベンらを破り、ラスト一冠を手にした3歳牝馬アカイトリノムスメ、オールカマーなど重賞3勝を挙げているウインマリリン、オールカマー2着馬のウインキートス、大阪杯でコントレイルを破ったレイパパレなど出走予定だ。
ここではエリザベス女王杯の好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてアカイトリノムスメを取り上げたい。
◆【エリザベス女王杯2021/前走ローテ】最多連対は前走「府中牝馬S組」も、複勝率42.9%を誇る別路線組に注目
■ラスト一冠を手にしたアカイトリノムスメ
まずはアカイトリノムスメの前走・秋華賞について分析する。
オークスからの直行ローテで挑み、成長著しい3歳牝馬の「5カ月休養」だったにもかかわらず、馬体重はマイナス2キロと抜群の仕上げだったアカイトリノムスメは五分のスタートから中団6番手付近で競馬を進め、エイシンヒテン、ソダシら先行勢を見る形で折り合っていた。直線コースに入るとマークしていたソダシを残り2F付近で交わしさる。急坂でも末脚は鈍ることなく伸び続けて、迫るファインルージュ、アンドヴァラナウトらを封じ、ラスト一冠を手にした。
これまでの戦歴からも「世代屈指の競馬センスを持ち、条件問わず脚を自在に操れる」と評価できるだろう。また、ラスト一冠を手にしたことで黄金世代と謳われる牝馬3歳世代の大将格となったアカイトリノムスメ。
しかし、今回は母アパパネでさえ乗り越えられなかったエリザベス女王杯。古馬との初対戦や短期間での2度の長距離輸送など様々な壁を感じてしまうアカイトリノムスメに一抹の不安が残る。
■3歳馬に必要な好走条件とは
次にエリザベス女王杯の3歳馬の成績と好走条件について紹介する。
過去10年、3歳馬のエリザベス女王杯出走成績は【2-4-2-32】となっており、8頭が馬券内に好走している。最も注目しなければならないのが、上位入線した8頭はいずれも「非根幹距離」のレースで勝利経験があったという点だ。
アカイトリノムスメはこれまで1600m・2000m・2400mと根幹距離のレース経験しかなく、「マイラーでも対応できる流れ」でしか好走できていない。母のアパパネはローズS(芝1800m)のレース経験があったため、非根幹距離のエリザベス女王杯でも3着に好走できたといえよう。
つまりこれまでとは展開も条件も異なる上に、レース経験も少ないアカイトリノムスメにとって「非根幹距離未経験」というワードが大きく立ちはだかる。
■エリザベス女王杯は「キレ馬」を狙え
次にエリザベス女王杯の好走パターンについて分析する。
・1800m【4-5-4-61】勝率5.4%、連対率12.2%、複勝率17.6% ・2000m【4-3-2-42】勝率7.8%、連対率13.7%、複勝率17.6% ・2200m【2-2-1-13】勝率11.1% 連対率22.2%、複勝率27.8% ・2400m【0-0-2-19】勝率0.0%、連対率0.0%、 複勝率9.5%
このように前走から距離延長のローテを歩んできた馬が馬券内の大半を占めており、特に前走2200m組は勝率11.1%、連対率22.2%、複勝率27.8%の好成績を収めている。
またアカイトリノムスメの前走は阪神競馬場での開催だったが、阪神開催からエリザベス女王杯に挑んできた馬の成績は【0-0-1-7】と絶不調で、2017年の3着ミッキークイーン(宝塚記念からのローテ)しか馬券圏内に好走できていない。
京都競馬場の大規模改修工事により、昨年から阪神開催となったエリザベス女王杯。ロングラン開催で馬場の悪化が懸念されていたものの、昨年11月から現在までの阪神競馬場で開催された中距離重賞(1800m~2200m)において、「上がり1位の末脚」を記録した馬が、勝率40.0%・複勝率100.0%を記録しているようにスピード決着になりやすく、そこまでタフな馬場になっていないためにスピードに特化した馬の好走が目立っているという背景がある。デビュー以来堅実な末脚で牝馬三冠に出走してきたアカイトリノムスメだが、これまで上がり最速の末脚を繰り出したのは東京マイルでの2回のみ。今回速い上がりを求められる「エリザベス女王杯」×「阪神競馬場」では好走できる条件が少なくなってしまうのだ。
馬券の妙味を考えると、アカイトリノムスメは「消し」の評価。
「後編」ではアカイトリノムスメに代わる本命、そして穴馬4頭を含めた結論を紹介する。
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文・西舘洸希(SPREAD編集部)