マーリンズのイチロー外野手が8日(日本時間9日)、敵地でのメッツ戦に代打出場。一二塁間を破る鮮やかなライト前ヒットで、今季初安打を記録した。メジャー17年目のシーズンで待望の初ヒットが出た背番号51は常々「50歳まで現役」を目標に公言してい…

マーリンズのイチロー外野手が8日(日本時間9日)、敵地でのメッツ戦に代打出場。一二塁間を破る鮮やかなライト前ヒットで、今季初安打を記録した。メジャー17年目のシーズンで待望の初ヒットが出た背番号51は常々「50歳まで現役」を目標に公言しているが、地元マイアミのテレビ局では43歳の鉄人の目標達成の可能性について議論が白熱。MLBで際立つイチローの“特殊性”が称えられている。

■今季初ヒットで通算3031安打に、「チャンスがある限り、彼は挑戦を続ける」

 マーリンズのイチロー外野手が8日(日本時間9日)、敵地でのメッツ戦に代打出場。一二塁間を破る鮮やかなライト前ヒットで、今季初安打を記録した。メジャー17年目のシーズンで待望の初ヒットが出た背番号51は常々「50歳まで現役」を目標に公言しているが、地元マイアミのテレビ局では43歳の鉄人の目標達成の可能性について議論が白熱。MLBで際立つイチローの“特殊性”が称えられている。

 イチローは5点リードの9回、無死一塁の場面でメッツ6番手モンテロと対峙すると、3ボール1ストライクからの5球目の速球を捉えた。鋭い打球は一二塁間を破ってライト前へ。 待望の今季初ヒットを受け、地元マイアミでテレビ中継している「FOXスポーツ・フロリダ」の実況リッチ・ウォルツ氏は、イチローが常々明らかにしている野望を改めて紹介した。

「彼は偉大なるロッド・カルーまで22安打に迫っています。オフシーズンとスプリングトレーニングに、彼は50歳までプレーしたいと言っていました。彼がそう答えると、人々は『そうなのか?』という具合で含み笑いも出るのですが、彼は笑ってませんでした」

 通算安打数でメジャー歴代24位のカルー(3053安打)まで22本となる3031本とした43歳のレジェンドが、本気であと7シーズン、最高の舞台で戦おうとしているとウォルツ氏は強調。元外野手の解説者トッド・ホランズワース氏は「チャンスがある限り、彼は挑戦を続けるでしょう。これは疑いの余地はありません。イチローを見て、その目標実現の可能性をどう考えますか?」と切り返すと、かつてマリナーズの実況も担当し、当時から背番号51の勇姿を見つめてきた経緯があるウォルツ氏は“イチロー愛”を溢れさせ、長々と語り始めた。

■「信じられない体型であることに疑問の余地はない」

「彼は43歳ですが、信じられないほどの体型を保っています。野球界で最も柔軟性の高い選手です。彼のストレッチのルーティーンは伝説の域です。彼が活用しているウェイトマシーンについては、マイアミの選手も1度や2度、大胆にも挑戦するのですが『やっぱりいいや』という結末になります。しかし、イチローはそれを規則正しく続けています。私には少なくとも2、3年はプレーすると思います。それ以降は加齢がどのような影響をもたらすのか、わかりません。

 体型を維持するということに関していえば、信じられない体型であることに疑問の余地はありません。なぜならいまだに盗塁もできます。いまだに素晴らしい守備力を持つ外野手です。単なるゴールド・グラブ選手ではありません。10度のゴールド・グラブ賞です。マーリンズは2015年に学んだと思いますが、彼は毎日(レギュラーで)プレーすることはできないと思います。ですが、正確な起用法ができるなら、昨年のように正しく起用できれば、彼は現在のようにチームに貢献できると思います。昨年(のイチローの働き)は際立っていましたから」

 現在、スタントン、イエリッチ、オズナというメジャー屈指の外野トリオを支える4番手外野手という役割を果たしているイチロー。2015年は故障者続出でチーム最多の153試合に出場しながら打率はキャリア最低の.229に終わった。しかし、昨季はドン・マッティングリー監督がイチローの酷使を避ける起用法を選択した結果、打率.291と“V字回復”に成功。メジャー30人目の3000安打も達成している。

 マーリンズを見守り続ける名実況は、攻守に渡りハイレベルなパフォーマンスを維持し、50歳までの現役を目指す43歳について、起用法次第でまだまだメジャーで輝き続けることが十分に可能と分析していた。