今回特集するのは栗田裕有(スポ2=新潟・海洋)と土屋和也(スポ2=静岡・飛龍)のお二人だ。今年度は東日本体重別選手権そ…

 今回特集するのは栗田裕有(スポ2=新潟・海洋)と土屋和也(スポ2=静岡・飛龍)のお二人だ。今年度は東日本体重別選手権そして全日本体重別選手権を制覇し、勢いに乗る栗田に、昨年は1年生ながら全日本選手権(天皇杯)への出場を果たした土屋。相撲のほかにも年間優秀学業成績個人賞を受賞し、まさに文武両道を極める二人の素顔に迫った。

※この取材は10月23日に行われたものです。

「きょう、二十歳になりました!」


タイヤを使ったトレーニング中の土屋

――それでは対談を始めるにあたり、他己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか

栗田 土屋和也です。きょう、二十歳になりました! 趣味は麻雀です。家系ラーメンにはまっています。

土屋 名前は栗田裕有です。ユウって呼んでください(笑)

栗田(笑)

土屋 魚さばくのが得意です。趣味は筋トレです。最近はONE PIECEをよく見ています。たまに寝坊します。

――きょうがお誕生日だったんですね!お祝いの連絡とか来ましたか

土屋 2件くらい来てます。兄貴と友達から来ました。静岡の親からは一切来てないです(笑)

――誕生日ということで、地元に帰られる予定は

土屋 全然帰らないです。長期休みの年2回とかです。

栗田 僕は長期の休みだけですね。冬の地元は、雪はすごいなんてもんじゃないです。でも、ウインタースポーツとかは好きなので、楽しいですよ! ただ、除雪とかは本当に大変です。

――先ほど麻雀が趣味と紹介されていましたね

土屋 (栗田と目を合わせて)うちらと大村(晃央、社1=静岡・飛龍)いれて3人でよくやってます。あとは、他の部活の寮生と一緒にやったりします。

――1年生とも遊ばれているということですが、後輩が入ってきて変わったことはなにかありますか。

栗田 教えることは確かにありますけど、稽古中に少し教えるくらいですね。大学生なので特に私生活で教えることとかはないです。

土屋 受験に関しては前から(同じ高校の一つ下の代にあたる)大村には電話で話していたりしていました。試験対策とか話してました。

――勧誘とかもされていたんですか

土屋 そうですね、僕が卒業して早稲田に入学してからは「来いよ!」って話はしていました。本人も「入りたい」って言っていたので、よく電話で話していました。早稲田の自由な雰囲気が結構よくて、大村もそういうところが好きな方なので、相撲を続けるならあまり縛られない環境の方が良いんじゃないかってことで早稲田を勧めていました。あとは、大村は普通に強いので、来てほしかったのもあります。

「実はさっきも朔太郎から電話が来てて…」(土屋)

――自由な雰囲気については、同じことを思われますか

栗田 確かに勉強もそれなりにしないといけないのはありますけど、ここはめちゃくちゃ何かをさせられるっていうよりは、自主的に練習をすることの方が多いので自由な雰囲気は感じます。そんな環境のお陰で自分は結果を出せているので、早稲田はいいところって思います。『緩い』っていうのとは違って、『やるところはやって、あとは自由』って感じですね。

――それと選手の皆さんを見ていて思うのは、本当に仲がいい部ですよね

栗田 人数が少ないっていうのもありますし、あまり上下(関係)を意識することが少ないですね。

土屋 上下関係ゼロだよね。この人数で、仲悪かったら逆に困るよな。7人しかおらんのに(笑)

栗田 ゼロはさすがにないけど、やるところはしっかりして、あとは緩くって感じで自由な雰囲気がありますね。

――上下関係でいうと、高校時代の方が厳しかったですか

土屋 自分は(高校)緩い・(大学)緩いできてるので、栗田の方がたぶん差がヤバいです。

栗田 …(微笑)

土屋 お前が感じてないだけで、栗田の高校は(上下関係は)ヤバかったと思うよ。

栗田 代ごとに差はありますけど、僕ら(の代)は全然ですよ。ただ、早稲田の方が風通しの良さを感じる場面は多いかもです。

――高校時代はお二方とも相撲の名門高校ということで、同期の活躍も凄まじいですよね。意識されることはありますか

土屋 よく(相撲中継を)見るので、周りが出てたらやっぱり見ようと思うし、勝ってたら自分も勝たないとって思いますよね。連絡も取っていて、実はさっきも朔太郎(熱海富士、伊勢ケ浜部屋 [本名:武井朔太郎])から電話来てて「ツッチー、お誕生日おめでとう!」って言われました。(笑)やっぱり後輩が頑張っているのを見ると自分も負けてられないって思います。

栗田 みんな頑張っているので、自分も負けられないとは思いますね。

――彼らと同じく、プロ入りについてお二方は考えられなかったのですか

土屋 プロに興味がないって言ったらあれですけどね。相撲一本でやるのも良いですけど、大学出てからでもできますし、選択肢を広げておきたいって思ってました。選択肢が一番広がるのも早稲田かなって思って、早稲田を選びました。

栗田 僕は早くから早稲田に行くって決めていたので、監督の方に(角界から)話があっても、監督が説明して止めてくれていたんだと思います。

稽古の中で小さなことでも意識してみる(栗田)


脇を絞りながらすり足をする栗田

――そうして大学に入られたわけですが、昨年はお二方とも大活躍の年でしたね。新人戦では揃ってベスト8入りでした。

栗田 僕は(ベスト8を)最低ラインって考えていて、そこからどれくらい進めるのかを考えていたので、あくまで最低ライン(の成績)としか考えていないです。

土屋 特にうれしいという訳でもなかったです。実力的にも自分はそこまでって思っているので、「よかったかなぁ」って思うくらいです。

――それでも、土屋選手は天皇杯では一年ながら出場されていましたよね

土屋 運が良かっただけです(笑)。天皇杯に出られたのはいい経験になったので、そこは良かったです。

――昨年は団体戦でもお二方の活躍が目立ちましたね

栗田 団体戦の時は周りの声が力になることもあります。自分だけの力で勝てるものでもないので、みんなのお陰で勝てていると思っています。

土屋 点を取らないといけない場面で取れている、きっちり勝てているというのは良かったと思います。

――今年の活躍に目を向けると、栗田選手は東日本体重別選手権、そして全日本体重別選手権優勝まずはおめでとうございます。調子の良さを感じる場面はありますか

栗田 ありがとうございます! 調子がいいのは多少あるとは思いますが、稽古の中で小さなことでも意識してみるとか、ウエイトトレーニングに取り組んだりですとか、馬力をつけるためのトレーニングを積んだりですとか、考えながら稽古に取り組んでいるのが結果的に良かったんだと思います。

――心理的もしくは技術的に「去年より成長した!」と思う部分は

栗田 心理的な部分では二年生になって、雰囲気に慣れました。技術的な面ではウエイトトレーニングをしたこともあって押す力がつきました。僕は周りの選手より体が小さいので、トレーニングして筋力をつけながら、スピードでも相手を上回れるように意識しています。

――室伏監督(平7人卒=東京・明大中野)からアドバイスを受けているところはあるのですか

栗田 体が小さい分、立ち合い負けすると相手に差されたりしてしまって、相手有利の形になりやすいんですよね。なので、相手有利にさせないためにも立ち合いをしっかり『弾いて』相手を崩すくらいの気持ちを持つように言われています。

――土屋選手はけがで欠場となっていましたね

土屋 7月の国体予選でけがをしてしまって、そこから大会には出られていないです。けが自体は治ってはいます。

――いまはインカレに向けて調整されているのですね

土屋 去年より力は落ちていると思うのでまずは戻すことが第一段階なのかなと思います。筋力とか相撲の取り方が変わっているのを稽古で実感するので、まずは戻すことですかね。

「(魚さばきは)基本、全部いけますね」(栗田)

――続いて私生活についても伺えればと思います。対面授業などが徐々に増えていく中で、昨年と比べて過ごし方に変わったことはありますか

栗田 たしかに対面授業がきっかけでご飯に行ったりとかは去年よりはあります。同じアスリートとして同じ考えや「こんな考え方してるんだ」って感じる場面はあってためになります。趣味で行くと、ONE PIECEを一からアニメでずっと見ていて最近はそれが楽しいです(笑)

土屋 ずっと見てるんですよ(笑)

栗田 半年くらいかかって、やっとようやく半分くらいきました(笑)

――以前、高校時代は遊びとは無縁の生活を送られていたと語られていましたよね

栗田 スマホ自体が許されてなかったですから(笑)

土屋 絶対無理だよそんな生活(笑)そういえばこの間、魚買ってきてさばいてくれたよな

――魚をさばくのは高校からの特技ですか

栗田 高校の授業で魚をさばくのとかをやっていたので、その辺はまぁ。

土屋 何でもいけるの?うなぎとかも?

栗田 基本、全部いけますね。

土屋 すごいな(笑)

栗田 慣れれば難しくもないですよ、別に。趣味程度になってます。あ、でも「ふぐ」に関しては免許がないとさばけないんですけど、自分でさばく分には問題なんですよね。提供するときは免許ないからできないですけどね。

「(免許)取っておけばよかったー!」(栗田)

――土屋選手は最近始められたこととかありますか

土屋 僕は最近バイトを始めました。デリバリーしていて、実はこのあともバイト入っているんです(笑)

栗田 僕はバイトをやろうって言っておきながらやってないんですよね(笑)手つかずの状態です。いつまでも親に頼っているのも何か違いますし、自由に使えるお金って欲しいじゃないですか! そうなんですけど、今学期は月曜日から金曜日までずっと対面授業が入ってて、空きコマも特にないので、やってる暇もないかなぁって思ってるところです。来年、教職の授業が落ち着いたときに考えようかなぁって。


申し合い稽古で仕切る2人

――やってみたいバイトはありますか

土屋 カフェの店員は!(笑)

栗田 いや(笑)あと、デリバリーは(車の)免許持ってないからできないんですよね。東京は車使うこと少ないと思ってたので、免許はいらないと思っていたんですけど、コロナ禍になって時間が思っていたよりできたので「取っておけばよかったー!」ってなりました(笑)

――土屋選手は免許を取られているということですが、ドライブとかはされるんですか

土屋 バイトでしか使わないですねぇ。もしどこか行くとしたらみんなでBBQ行きたいです。鳥居(邦隆、社2=愛知・愛工大名電)さんはドライブ好きで、連れて行ってくれたりします。どこか行くという訳ではなく、とりあえずブンブン走らせてます(笑)

栗田 ブンブンね(笑)

土屋 おすすめのバイトありますか?

――最近では小学生向けに体育を教えるアルバイトもあるみたいですけど、運動神経を活かされてやってみてはどうですか

土屋 面白いですね。ただ、逆上がりやれって言われても僕は全くできないですけど(笑)栗田は割と何でもできる方なんですよ。

栗田 球技は割と得意です。

土屋 球技でいったら、自分は授業でやってるバレーボールは最近楽しんでやってます。

栗田 あ、自分は球技得意って言いましたけど、バレーボールだけは無理です(笑)中学の時に授業でやったんですけど、ぼくめちゃくちゃ下手でスパイクはできないわ、アンダーにオーバーはできないわで、ぼろくそに言われて以来嫌いなんですよね(笑)バレーの授業の直前になると「うわ、バレーの授業か」ってなって本気で休もうとしてたくらいなんで

――体育実技で得意な実技は

土屋 僕はやっぱりバレーボールですかね。あとは柔道ちょっとやってたので得意ではあります。

栗田 僕も柔道とかですかね。小学生のときにちょっとかじったことがあって。サッカーも実は習っていたことありました。

二人が年間優秀学業成績個人賞を受賞

――授業関連で行くと、相撲部の皆さん学業成績で賞を受賞されていましたよね

土屋 そうなんですよ(笑)

栗田  WAP(早稲田アスリートプログラム)っていうがあるんですけど、ここ二人(土屋・栗田)は個人的にも受賞できたんです。

土屋 本当にたまたまですよ! 高校からの流れのまま、出席をちゃんとしていたのが良かったんですかね。ちゃんと出席してただけですよ。あとは、先輩方がちゃんと勉強面でもアドバイスくれて、レポートの書き方とか教えてもらいましたね。ただ、今年はヤバいです。

栗田  土屋はこういうこと言うんですけど、こいつは絶対大丈夫なんですよ(笑)

――ここまで楽しいお話ありがとうございます。それでは最後に、全国学生選手権(インカレ)に向けての意気込みをお願いいたします。まずは個人戦についてはどうですか

栗田 個人戦ではベスト8はいけるように頑張りたいと思います。相手を圧倒する、『激しい相撲』を心掛けたいと思います。

土屋 自分はまずはけがなく、ってことですね。成績的には特別上を目指したいという訳でもないですかね。今年で終わりではないので、来年に繋げられるような、経験を積めるような大会にしたいです。

――団体戦ではどのような意気込みで臨まれますか

栗田 予選では最低2勝をして、ベスト8を目指していきたいですね。先鋒として白星を挙げて、「あとは4人で2勝とってくれ!」って気持ちでいきたいと思います。

土屋 分かりました、先鋒!(笑) 白星を挙げられるように、でもけがをしないように頑張っていきたいですね。もしメンバーに選ばれたら、しっかりと勝てるようにいい相撲を取っていきたいと思います。

――インカレでのご活躍楽しみにしております。ありがとうございました!

(取材・編集 大貫潤太)


快進撃に期待です!

◆栗田裕有(くりた・ゆう)(※写真左)

2001(平13)年7月3日生まれ。168センチ。110キロ。新潟・海洋高出身。スポーツ科学部2年。全日本体重別選手権決勝で決めた起死回生の網打ち。練習でやったこともなければ、これまで繰り出したこともない技だったそうです。そんな大一番での強さがインカレでも発揮されることに期待です!

◆土屋和也(つちや・かずや)(※写真右)

2001(平13)年10月23日生まれ。183センチ。140キロ。静岡・飛龍高出身。スポーツ科学部2年。時折先輩いじりをみせることもある土屋選手。他の選手が写真撮影をしている最中、様々な要求をして選手の笑顔を引き出すのに貢献してくださいました。先輩後輩を問わず、愛されキャラなのが印象的でした!