テニスツアーもいよいよ終盤。11月1日からは男子の1年最後のマスターズ1…

テニスツアーもいよいよ終盤。11月1日からは男子の1年最後のマスターズ1000大会、「ATP1000 パリ」と、女子の国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ by BNPパリバ ファイナルズ」が開催。その後は男子の若手トップ8選手が通常とは違う形式で戦う「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」、男女世界ランキングトップ8選手がそれぞれ争うシーズン最終戦、そして男子の国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」で、長いテニスシーズンは終幕を迎える。ドローや動画が見れる、ATPスケジュール

<11月の大会カレンダー>

男子

11月1日~11月7日 「ATP1000 パリ」

11月7日~11月13日 「ATP250 ストックホルム」

11月9日~11月13日 「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」

11月14日~11月21日 「Nitto ATP ファイナルズ」

11月25日~12月5日 「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」

女子

11月1日~11月6日 「ビリー・ジーン・キング・カップ by BNPパリバ ファイナルズ」

11月6日~11月12日 「WTA250 リンツ」

11月10日~11月17日 「WTAファイナルズ・グアダラハラ」

「ATP1000 パリ」(フランス・パリ/11月1日~11月7日/室内ハードコート)

シーズン最後のマスターズ1000大会は、唯一の室内大会でもある。本戦出場者はシングルス56名、ダブルス24組。シングルスで得られるランキングポイントは、優勝1000ポイント、準優勝600、準決勝進出360、準々決勝180、4回戦90、3回戦45、2回戦10ポイント。ランキング争いがますます熾烈になっていく中、トップ選手たちにとって大きな大会で1試合でも多く勝ち進むことは極めて重要だ。

昨年の覇者はダニール・メドベージェフ(ロシア)で、2013年から2015年にわたってノバク・ジョコビッチ(セルビア)が3連覇を遂げてから後は、毎年違う選手が優勝している。

10月28日時点でのエントリーは、上位シードではジョコビッチ、メドベージェフ、ステファノス・チチパス(ギリシャ)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、アンドレイ・ルブレフ(ロシア)、マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)、キャスパー・ルード(ノルウェー)、フベルト・フルカチュ(ポーランド)となっている。

「ビリー・ジーン・キング・カップ by BNPパリバ ファイナルズ」(チェコ・プラハ/11月1日~11月6日/室内ハードコート)

女子の団体戦決勝は、12チームが一堂に会して開催される。3チームずつがグループA~Dの4組に分かれて総当たり戦を行い、A組1位はC組1位と、B組1位はD組1位と準決勝を戦う。出場国はA組:フランス、ロシア、カナダ、B組:オーストラリア、ベラルーシ、ベルギー、C組:アメリカ、スペイン、スロバキア、D組:チェコ、ドイツ、スイス。

10月28日時点で発表されている出場選手の中で、シングルスランキングが最も高いのは世界4位のバーボラ・クレイチコバ(チェコ)、次が世界9位のベリンダ・ベンチッチ(スイス)だ。それでなくても実力伯仲の女子テニス、どこが優勝するのか予想はとても難しいが、チェコやスイス、そしてロシアがオリンピック同様に強さを発揮するだろうか。

「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」(イタリア・ミラノ/11月9日~11月13日/室内ハードコート)

21歳以下のトップ選手が集まって、2017年から開催されている大会。まず選手たちが若手の注目株である点が最大の魅力で、さらに試合形式も通常の大会とは異なり、5セットマッチだが各セットは4ゲーム先取。ゲームカウント3-3でタイブレークに突入する。またセット間にはヘッドセットを使ってコーチと会話することが許されている。

出場選手は21歳以下で世界ランキング上位7名と、ワイルドカード1名。ダブルスはない。10月28日時点で出場権を得ているのは前回覇者であるヤニク・シナー(イタリア)、前回も出場したフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、以下は初出場となるカルロス・アルカラス(スペイン)、セバスチャン・コルダ(アメリカ)、ジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)、ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)の6名。ただしシナーとオジェ アリアシムは、年齢制限のない「Nitto ATPファイナルズ」への出場権獲得レースでそれぞれ10位と12位につけており、まだそちらへの出場の可能性が残されている。

この大会の賞金総額は130万ドル(約1億4800万円)、前回2019年の140万ドル(約1億5900万円)より約7%の減額だ。出場料が8万ドル(約909万円)、総当たり戦での1勝につき2万4000ドル(約273万円)、それに加えて準決勝で勝てば10万9600ドル(約1246万円)、さらに決勝で勝てば14万800ドル(約1600万円)。グループステージでも1敗もせずに全勝優勝を果たせば、40万2400ドル(約4573万円)が手に入る。

この大会ではランキングポイントは得られず、通常の大会とは試合形式が異なるため優勝してもツアー大会での優勝回数には数えられない。だが過去の優勝者は、初回のチョン・ヒョン(韓国)こそ怪我に苦しんで今は世界493位と低迷しているが、その後の優勝者であるチチパスとシナーは、どちらもその後ツアーで素晴らしい活躍を見せている。

「WTAファイナルズ・グアダラハラ」(メキシコ・グアダラハラ/11月10日~11月17日/室内ハードコート)

女子のシングルストップ8人、ダブルストップ8組による最終戦。4人ずつ2組に分かれてグループステージを戦い、上位各2名が準決勝に進む。2019年から資生堂がタイトルスポンサーとなり、同年に優勝したアシュリー・バーティ(オーストラリア)は、男女通じて過去最高となる賞金442万ドル(約5億230万円)を獲得して大きな話題を呼んだ。だが今年はパンデミックのせいで中国の深センで開催することができず、スポンサーも今年だけ変わるため、金額は変更となる見込みだ。

前回覇者のバーティは今年も最終戦出場権を得ているが、既に今季終了を表明しており、今大会には出場しない。出場が決定しているのはアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)、バーボラ・クレイチコバ(チェコ)、カロリーナ・プリスコバ(チェコ)、マリア・サカーリ(ギリシャ)、21世紀生まれとして初の出場者となるイガ・シフィオンテク(ポーランド)、ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、パウラ・バドーサ ジベルト(スペイン)の7名。10月28日時点では、残る1つの出場権を巡ってオンス・ジャバー(チュニジア)とアネット・コンタベイト(エストニア)の激しいせめぎ合いが繰り広げられている。またダブルスでは、1年を通じて素晴らしい成績を残してきた青山修子(日本/近藤乳業)/柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)ペアが、嬉しい初出場を決めている。

得られるランキングポイントは、優勝1500ポイント、準優勝1080、準決勝進出750、グループステージでは1試合出場で125ポイント、1試合勝利で160ポイントが加算される。

前述した通り前回覇者はバーティで、2018年の覇者はエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)。今回出場が決まっている選手の中で過去に出場経験があるのはプリスコバとムグルッサの2人だけで、この2人が優勝したことはない。つまり、今大会では初優勝者が出ることが確定している。

「Nitto ATP ファイナルズ」(イタリア・トリノ/11月14日~11月21日/室内ハードコート)

男子世界ランキングのシングルストップ8人、ダブルストップ8組が出場するシーズン最終戦。10月28日時点でシングルスの出場権を得ているのはジョコビッチ、メドベージェフ、チチパス、ズベレフ、ルブレフ、ベレッティーニの6人。残る2つのイスを争うのはルード、フルカチュ、シナー、キャメロン・ノリー(イギリス)、オジェ アリアシム、アスラン・カラツェフ(ロシア)らだ。

最終戦で得られるランキングポイントは、全勝優勝で1500ポイント。その他の詳細はまだ明らかにされていない。

2012年から2015年までジョコビッチが大会4連覇を果たしたが、その後は2016年アンディ・マレー(イギリス)、2017年グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)、2018年ズベレフ、2019年チチパス、2020年メドベージェフと、毎年王者が変わっている。そして今年は、ジョコビッチにはロジャー・フェデラー(スイス)と並ぶ最多記録6度目の優勝が懸かり、メドベージェフにはそこまでの成績によってはジョコビッチを追い落として初の年末1位となるチャンスが残っている可能性がある。

「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(イタリア・トリノ、オーストリア・インスブルック、スペイン・マドリード/11月25日~12月5日/室内ハードコート)

男子の国別対抗戦の決勝ラウンドは、今年は3ヶ所で開催される。マドリードではグループA(スペイン、ロシア、エクアドル)とグループB(カナダ、カザフスタン、スウェーデン)が、インスブルックではグループC(フランス、イギリス、チェコ)とグループF(セルビア、ドイツ、オーストリア)が、トリノではグループD(クロアチア、オーストラリア、ハンガリー)とグループE(アメリカ、イタリア、コロンビア)が、それぞれグループステージと準々決勝を戦う。そして勝ち残った4チームがマドリードに集結し、準決勝と決勝を戦うことになっている。

10月28日時点で発表されている出場メンバーは実に豪華だ。メドベージェフとルブレフを擁するロシア、オジェ アリアシムとシャポバロフのいるカナダ、イタリアチームにはベレッティーニとシナー、セルビアチームを率いるのはジョコビッチだ。現在のトップ10選手はいなくとも、スペインやアメリカ、イギリスチームも総合力は高い。とても見ごたえのある対抗戦となりそうである。

前回2019年は、デビスカップの決勝が現在の形になって初めての大会で、かなり大きな批判の声が渦巻く中、主催国であるスペインが優勝し、感動を呼ぶ一方で批判がすっかり収まったとは言い難かった。今回は批判の声と言えばズベレフが依然ボイコットしているぐらいだが、前回よりも多くの人々に受け入れられる大会となるだろうか。

女子の最終戦は(他のほとんどの大会同様)誰が優勝するのか想像もつかないし、男子の争いはますます激しさを増している。シーズンの最後の最後まで、目が離せない試合が続きそうだ。

※為替レートは2021年10月28日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」が行われるトリノの市街地の様子

(Photo by Mauro Ujetto/NurPhoto via Getty Images)