高校選手権・鳥取県大会決勝で境に3-0快勝 第100回全国高校サッカー選手権の鳥取県大会は、30日に決勝戦が行われ、米子…

高校選手権・鳥取県大会決勝で境に3-0快勝

 第100回全国高校サッカー選手権の鳥取県大会は、30日に決勝戦が行われ、米子北が3-0で境を破り12連覇を達成した。米子北は夏の全国高校総体(インターハイ)でも全国大会に出場し準優勝。決勝戦で優勝候補筆頭だった青森山田高校(青森)と対戦。延長戦まで互角に戦ったが、PK戦突入直前に決勝点を奪われ敗れた。来季のJ2ファジアーノ岡山加入が内定しているMF佐野航大(3年)は、「夏は最後の最後で決められて、本当に悔しかった。選手権の全国大会は、一戦一戦、戦って優勝したい。個人的には2度(1年次の19年度高校選手権、今年度の高校総体)、青森山田に負けてしまったので(全国に出てきてもらって)リベンジしたい」と今年度最強の呼び声高いライバルとの再戦を熱望した。

 今季は、佐野を中心としたチームで総合力が高い。しかし、さすがに県大会の決勝戦は、楽勝とはいかなかった。境は、5バックでがっちりとゴール前を固める布陣。立ち上がり、米子北はハイサイドからのクロスをことごとく弾き返された。先制点が生まれたのは、前半22分。右サイドのスローインを後ろに戻し、右後方からDF鈴木慎之介(3年)がゴール前に蹴り込むと、左MF木村愛斗(3年)がヘディングシュートを決めた。

 しかし、境は変わらず守備を徹底。5バックの中央を担ったDF井田勇飛、山嵜拓実、坂本敬人(いずれも3年)がヘディングで相手のクロスボールを弾き返し続けた。しかし、大きく蹴り返すのみで、チャンスは前半終了間際の1本のみ。右ウイングバックのDF岡崎隼大(3年)のクロスにFW桝田歩(3年)が飛び込んでボレーシュートを狙ったが、ボールに合わなかった。

 1-0で迎えた後半、米子北は選手交代で、布陣を4-4-2から3-4-3へ変更。サイドからのクロス頼みだった攻撃に厚みを加えて追加点を狙った。すると後半3分、FW福田秀人(2年)のクロスが弾かれたところを、MF佐野がミドルシュートで決めてゴール。さらに後半17分、左サイドからゴール前に入れたボールを相手GKが弾くと、FW片山颯斗(3年)がキープしてバックパス。相手の守備体勢が完全に崩れているところで、福田がボールをゴールへ押し込み、3点目を奪った。

 その後も米子北の猛攻が続いた。境もFW長尾航汰(3年)を中心にカウンターを狙ったがシュートに持ち込めず、試合はそのまま3-0で米子北の勝利で決着した。

主将のDF鈴木「目標は全国優勝」

 完勝だったが、相手の思惑にはまったところもあり、全国優勝を狙う上では反省点も出た。米子北の中村真吾監督は「後半から明確に形(フォーメーション)を変えたが、選手の判断でできるようになってほしい。クロスボールも、受ける方の選手がゴールに向かって入っていけていなかった」と改善点を指摘した。

 しかし、総合力で上回っていても、数々の劇的なドラマを生み出してきた高校最後の「選手権」は、選手に普段とは異なる緊張感を与えるもので、実力を発揮するのは容易ではない。攻撃力の発揮を求められていた左DF海老沼慶士(3年)は「高い位置でプレーしろと指示を受けたのに、前半は相手の10番が気になって上がり切れなかった」と、序盤から圧倒できなかった一因となった自身のプレーを悔しがった。勝った試合から反省点を洗い出し、次の進化につなげていく。そうでなければ、目標である全国優勝や、その途中に立ちはだかるであろう強敵には勝てない。

 夏のインターハイ後は、部内で新型コロナウイルスのクラスターが発生した影響で、チーム強化が進まなかったが、まずは順当に全国出場の切符を手にした。主将を務める鈴木は「全国大会を頑張るだけでなく、そこまでの残り2カ月で少しでも成長できるように取り組んで、悔いのない大会にしたい。目標は全国優勝」と、夏に一歩届かなかった栄冠への再挑戦を力強く宣言した。(平野 貴也 / Takaya Hirano)