中距離の現役最強馬を決めるGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)が10月31日に行なわれる。 過去2年の勝ち馬であるアー…

 中距離の現役最強馬を決めるGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)が10月31日に行なわれる。

 過去2年の勝ち馬であるアーモンドアイが引退し、今春のGI大阪杯(4月4日/阪神・芝2000m)を制したレイパパレ、GI宝塚記念(6月27日/阪神・芝2200m)の覇者クロノジェネシスらは不在だが、昨年の三冠馬コントレイル(牡4歳)、女傑グランアレグリア(牝5歳)、今年の皐月賞馬エフフォーリア(牡3歳)、そして天皇賞の春秋連覇を狙うワールドプレミア(牡5歳)など、今年も豪華メンバーが顔をそろえた。

 そんななか、日刊スポーツの松田直樹記者は「今年の構図は"2強+1"。4番手以降のオッズとは相当な開きが出るでしょう」と、人気はGI大阪杯の3着コントレイルと4着グランアレグリアの"2強"と、それに挑む"+1"エフフォーリアの3頭が中心と見る。実際、世間的にもこの"3強"ムードが高まっているが、松田記者は"2強"については不安要素を挙げる。

「コントレイルとグランアレグリアには、それぞれ若干の不安があります。

 まずコントレイル。今回の天皇賞・秋、次のGIジャパンC(11月28日/東京・芝2400m)で引退・種牡馬入りが発表され負けられないところですが、立場的に厳しいマークを受けるはず。その点は厄介です。

 また、前年の三冠馬が4歳(当時は5歳)の秋初戦を天皇賞・秋で迎えると、なかなか振るわない、というデータがあります。1985年のシンボリルドルフ、1995年のナリタブライアンと、ともに1番人気に推されながら、2着、12着に終わっていますから。

 一方のグランアレグリアも、中間の動きは絶品ですが、8月中旬にのどの手術を受けていて、その影響がないか心配されます。牡牝トップホースの激突が再び見られるのは楽しみですが、馬券的にはつけ入る隙があるのではないでしょうか」

 では、"2強+1"を脅かすのはどういった存在か。松田記者は「オッズ的に少し離れた上位人気馬が狙い目」として、"最強の2勝馬"カレンブーケドール(牝5歳)を推奨する。

「カレンブーケドールはおそらく4番人気になるかと思いますが、オッズ的には十分な"穴馬"になり得ると見ています。GI2着3回を含めて、重賞2着6回。究極の相手なりではありますが、その安定感は魅力です。

 強い5歳牝馬世代で、その世代の三冠競走は桜花賞がグランアレグリア、オークスがラヴズオンリーユー、そして秋華賞はクロノジェネシスが制し、いずれも古馬になってからもGIを勝っています。こうした同期の活躍を見れば、この馬も現役屈指の実力馬のはずで、ここでも十分にチャンスはあると思います。

 昨年のジャパンC(4着)でも、2着コントレイルとはクビ+ハナ差。同じタイムで入線していますから、気後れすることはまったくありません」

 今回は宝塚記念からのぶっつけとなるが、松田記者はその点も不安はないという。

「この中間はすこぶる快調。慢性的にツメの不安を抱えていた馬が、今回はその心配も皆無と言えます。1週前追い切りではラップを落とすことなく、ラスト12秒4で駆け上がってきました。およそ4カ月の休み明けになりますが、管理する国枝栄調教師が『状態は前走よりもいい。今回も上位争いができると思う』と胸を張る出来にあります。

 2000m戦は3歳時のGI秋華賞(京都・芝2000m)2着以来、2年ぶりの参戦。その辺りを不安視する声もあるようですが、今春のGI天皇賞・春(5月2日/阪神・芝3200m)で3着になったあと、1000m距離が短い宝塚記念で4着と健闘し、距離が問題になるタイプではありません。

 超一線級相手に最速の上がりを計時することはなくても、立ち回りのうまさで常に上位に食い込めるのが持ち味。じわじわと脚を長く使えるのもこの馬の武器で、ワンターンに近い東京・芝2000mという舞台でも上位争いに加わってくると見ています」



天皇賞・秋での大駆けが期待されるラストドラフト

 松田記者はもう1頭、気になる馬がいるという。

「ラストドラフト(牡5歳)です。前走のGII毎日王冠(10月10日/東京・芝1800m)では、デビュー以来初のふた桁着順(13着)に沈みましたが、レース当日が25度を超す夏日で脱水症状を起こしていたということで、敗因は明白です。

 暑さに弱いのは、昨年9月のオープン特別・ケフェウスS(中京・芝2000m)でも熱中症になって、8着に凡走したことでも示されています。"冬馬"とまでは言いませんが、重賞5戦を含む馬券圏内に入った過去6回がすべて11月~1月の期間。となれば、前走は度外視でき、巻き返しがあっても不思議ではありません。

 同馬を管理する戸田博文厩舎の斎藤吉則助手も、『(前走の)疲れやダメージはないし、上積みがあります』とコメント。体調良化も見込めます。これまで2度ある叩き2戦目は、どちらも馬券圏内と好走。相手は大幅に強化されますが、激走への期待が膨らみます」

 昨年のジャパンCでは「3強」と称されたアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトが上位を独占したが、今回の天皇賞・秋でも"2強+1"が前評判どおりの強さを見せるのか。はたまた、"2強+1"の牙城を崩す存在が現れるのか。ハイレベルな一戦に注目である。