10月19日、東京六大学野球秋季リーグの第5週3日目が行われ、慶大が11対2で法大に大勝した。【慶大打線が計14安打で11得点。序盤から得点を重ねて試合をリードした。】 ここまで6試合を終えて3勝3分の勝点4.5の慶大と4試合を終えて2敗…

 10月19日、東京六大学野球秋季リーグの第5週3日目が行われ、慶大が11対2で法大に大勝した。

【慶大打線が計14安打で11得点。序盤から得点を重ねて試合をリードした。】

 ここまで6試合を終えて3勝3分の勝点4.5の慶大と4試合を終えて2敗2分の勝点1の法大との対戦。前日に立大と2対2の引き分け試合を演じた慶大は、生井惇己(3年・慶應)がリーグ戦初先発。一方、今季初勝利を狙う法大は、横浜DeNAからドラフト4位指名された三浦銀二(4年・福岡大大濠)が先発マウンドに上がった。

 試合はすぐに動く。1回表、慶大が1番・渡部遼人(4年・桐光学園)が四球を選ぶと、2番・萩尾匡也(3年・文徳)が「打てる球をどんどん打って行こうと思っていた」とレフトへタイムリー2塁打を放って1点を先制。続く2回表にも2死満塁から、再び萩尾が「そんなにいい当たりじゃなかったのでラッキーでした」と今度はセンター前に打球を落として2点を追加。さらに3回表には7番・朝日晴人(3年・彦根東)の犠牲フライと8番・福井章吾(4年・大阪桐蔭)のタイムリーで2点。慶大が3回までに計7安打で5点を奪って試合をリードし、三浦の攻略に成功した。

【この日2番で起用された慶大・萩尾が2安打3打点の活躍を見せた。】

 慶大は先発・生井が4回を5安打2失点でマウンドを降り、5回から2番手として笠井建吾(4年・明和)が登板して2回を2安打無失点の好投。打線は攻撃の手を緩めず、5回表に8番・福井のこの日2本目のタイムリーなどで2点、7回表に1番・渡部の犠牲フライで1点を追加し、8回表には5番・橋本典之(4年・出雲)のタイムリーの後、6番・廣瀬隆太(2年・慶應)の2ランでダメ押し。最終的に計14安打で11得点を奪い、2番手の笠井が学生最後のリーグ戦で嬉しい初勝利。チームは今季成績を4勝3分として無敗を継続させるとともに、1試合少ない段階で首位の立大と勝点5.5で並んだ。

 敗れた法大は、先発の三浦が3回を7安打5失点で降板。3回裏に6番・今泉颯太(2年・中京大中京)の2点タイムリーで3点差としたが、2番手以降のリリーフ陣も失点を重ねて為す術なし。投手陣を中心に、活動休止明けから急ピッチで調整した反動に苦しむが、「点差ほどの力の差はないと」と加藤重雄監督。「1戦1戦、目の前の試合を全力で、勝ちを目指して戦いたい」と今後の巻き返しへ向けて力を込めた。

【プロ指名された法大のエース右腕・三浦だが、この日は3回5失点と苦しいマウンドになった。】

■慶應義塾大vs法政大1回戦
慶大 122 020 130=11
法大 002 000 000=2
【慶】生井、○笠井、森田、渡部淳、橋本達-福井
【法】●三浦、扇谷、古屋敷、武冨、石田-村上、吉安
本塁打:慶大・廣瀬《8回2ラン》

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「1戦1戦、目の前の試合を戦うという気持ちの中で、選手たちが初回からよく集中して戦ってくれた。ただ、いろいろな理由で(三浦投手は)十分なコンディションではなかったでしょうし、うちにツキがあった。三浦君から何とかして2点、3点と考えていたので、うちとしては良かった。萩尾は少し当たりが出てきた中で思い切って上位打線で起用した。非常によくやってくれた。投手陣は生井と笠井で5、6回と考えていた。2人で6回を投げてくれて助かりました。よく投げてくれました。(初勝利の)笠井はだいぶ落ち着いていて、よかったと思います。うちは高校時代にそんなに実績のない選手も多い。1、2年で基礎を作って3、4年で試合に出るというモデルケースになりますし、下級生の励みになる」

◎慶應義塾大・萩尾匡也(3年・文徳)
「相手もいいピッチャーだったので、打てる球をどんどん打って行こうと思っていた。三浦投手は高校時代も対戦したピッチャー。初回から打って行けばプレッシャーを与えられる。(タイムリー2本は)両方とも真っ直ぐ(を打った)。とにかく打てるボールを打っていくということをチャンスの場面でも貫けた」

◎慶應義塾大・笠井建吾(4年・明和)
「ホッとしています。(リーグ戦初勝利は)まったく考えていなかった。前回、前々回の登板があまりよくなかったので、今日は思い切り行こうと思った。一般入試から入ってきて、神宮で投げる、神宮で勝つということを目標にやってきた。自分が努力している姿を下級生にも見せることができて、いい影響を与えられればと思っています。僕のように地道にやってきた選手が神宮で投げられることで、チーム全体のモチベーションにもつながっていると思います」

◎法政大・加藤重雄監督
「(三浦投手は)試合前のマウンドから、やや引っ掛かり気味で気になってはいましたけど、投げるうちに調整してくれると思っていました。言い訳になってしまいますけど、(新型コロナの部内感染による活動休止からのリーグ戦出場で)無理した分の疲れが出てきているのかなと思います。負けてしまったが、点差ほどの力の差はないと思っています。(リーグ戦出場に対して)感謝の気持ちでいっぱいですが、それに報いるためにも相手を苦しめて、1戦1戦、目の前の試合に全力で勝ちを目指して戦いたい」

◎法政大・三浦銀二(4年・福岡大大濠)
「調子はよくなかったですけど、その中でもできることはあった。特に体がどうこうということはなかったです。思ったよりボールがいかなかった。(残り半分のリーグ戦で)悔いのない試合をしたい。何とか全部勝って、上位に入って、良い終わり方をしたい。」