10月9日、東京六大学野球秋季リーグの第4週1日目が行われ、第1試合では立大が8対3で法大に快勝した。4回裏に3点を奪って盛り上がる立大ベンチ。計13安打で8得点を奪った。 開幕3連勝の後に東大に敗戦を喫した立大と、8月下旬に部内での新型…

 10月9日、東京六大学野球秋季リーグの第4週1日目が行われ、第1試合では立大が8対3で法大に快勝した。

4回裏に3点を奪って盛り上がる立大ベンチ。計13安打で8得点を奪った。

 開幕3連勝の後に東大に敗戦を喫した立大と、8月下旬に部内での新型コロナウイルスのクラスターが発生した影響で、この日が初戦となる法大の対戦。11日にドラフト会議を控える中での試合となった。

 先手を取ったのは法大。加藤重雄監督が「(活動休止を乗り越えてのリーグ戦出場に)感謝の気持ちでいっぱい」と語った中、立大の先発・池田陽佑(2年・智辯和歌山)の立ち上がりを攻め、1番・西村友哉(1年・中京大中京)、2番・宮﨑秀太(3年・天理)の連打で無死二、三塁のチャンス。一度は外野フライから本塁アウトになりながらも、2死一、三塁から5番・浦和博(2年・鳴門)のタイムリーで1点を先制した。

 しかし、「(法大に)負けない気迫で」(溝口智成監督)と試合を迎えた立大が、すぐさま反撃。ドラフト候補に挙げられる法大のエース右腕・三浦銀二(4年・福岡大大濠)に対し、1回裏に1番・道原慧(3年・駒大苫小牧)、2番・田中祥都(1年・仙台育英)の連打でチャンスを作ると内野ゴロの間に同点とした後、5番・山田健太(3年・大阪桐蔭)のタイムリーで逆転に成功。さらに4回裏にも、1死三塁から道原、田中の1、2番が、今度は連続タイムリー。そして「何とかしようという気持ちだった」という4番・東怜央(4番・福岡大大濠)がライト前タイムリーを放ち、一気に3点を追加。三浦は4回を94球でマウンドを降りた。

4回を投げて9安打5失点だった法大の4年生右腕・三浦。ドラフト直前のマウンドは悔しさが残るものになった。

 リードを奪った立大はその後も攻撃の手を緩めず、6回裏には代打・荒木恵亮(4年・神戸国際大附)がリーグ戦初本塁打を放ち、さらに4番・東がこの日2本目のタイムリーを放って2点。続く7回裏には、今年から正捕手として出場する黒岩陽介(3年・静岡)にも初本塁打が飛び出して1点を追加。先発の池田が5回8安打ながら1失点にまとめて勝ち投手となった。

 試合後、感謝の言葉を並べていた法大・加藤監督は、苦しい活動休止期間を振り返って涙をこぼした。活動休止、隔離生活での体力低下、紅白戦1試合のみの調整不足の影響は隠し切れなかったが、土壇場の9回に途中出場の諸橋駿(4年・中京大中京)が自身リーグ戦発本塁打となる2ランを放ち、「これを薬にしたい」とチームの粘りを評価。エースで主将の三浦も「まだ1試合負けただけ」と前を向いた。

6回裏、立大の荒木が代打本塁打を放ち、ガッツポーズでダイヤモンドを回る。両チームで計3本の“初アーチ”が飛び出した。

■法政大vs立教大1回戦
法大 100 000 002=3
立大 200 302 10X=8
【法】●三浦、扇谷、尾﨑、古屋敷-村上
【立】○池田陽、野口、島田、栗尾-黒岩
本塁打:立大・荒木《6回ソロ》、黒岩《7回ソロ》、法大・諸橋2ラン《9回2ラン》

◎立教大・溝口智成監督
「東大戦の2戦目が大きな敗戦で、私も選手もダメージが大きかった。切り替えることが難しかったですが、叱咤激励して、時間が経ったことで前を向けるようになった。(1回裏の)山田のタイムリーでペースがこちらに来た。法政大学さんも(リーグ戦が)今日からということで、全力で来ることは分かっていましたし、それに負けない気迫を持って戦おうと言っていた。明日もともに全力を尽くして、いい試合をしたい」

◎立教大・東怜央(4番・福岡大大濠)
「(法大先発の三浦は高校の同級生で)銀二はドラフト候補ですし、何とか打ち勝ってやろうと、強い気持ちで臨んだ。(東大戦後)自分が一番落ち込んでいて怒られた。でも4年生のミーティングで2軍、3軍の選手の話を聞いて、1軍の選手が暗くてはダメ、チームは変わらないと気付かされた。明日、また違う展開になると思いますけど、1球1球に集中していきたい」

◎立教大・池田陽佑(2年・智辯和歌山)
「東大戦で負けた後の大事な試合でした。初回から飛ばして行きましたけど、初回は自分の修正でいっぱいいっぱいだった。(法大が今季初戦だったが)僕は自分のボールを投げるだけでした。もっと低めの制球をつめて、その課題を次の試合に向けて解消していきたい」

◎法政大・加藤重雄監督
「まず関係者のみなさまに感謝したい。今日という日を迎えるにあたって、関係者のみなさまには格別な配慮をしていただいた。試合には負けてしまいましたけど、感謝の気持ちでいっぱいです。(他大学にも)迷惑をかけています。でも本当に野球が好きなので、みんな一生懸命にやってくれた。初回の攻撃で終わらず、9回に何とか粘りを持って戦ってくれたのはその証じゃないかと思います。本当に感謝したい」

◎法政大・三浦銀二(4年・福岡大大濠)
「コンディションは良くなかったですけど、それを言い訳にはしたくない。打たれたのは自分の実力不足です。(リーグ戦に)出場できることが決まって、やるからには勝ちたいですし、まだ1試合負けただけ。優勝したいですし、勝ちに繋げられる投球をしていきたい」