今週は東京競馬場で第72回・毎日王冠(GII、芝1800m)が行われる。今年の安…
今週は東京競馬場で第72回・毎日王冠(GII、芝1800m)が行われる。今年の安田記念で待望のGI初勝利を挙げたダノンキングリーは19年の同レースを勝利しており、秋の飛躍に向け今年も好走したいところ。3歳牡馬シュネルマイスターはGI・NHKマイルCで勝利し、初の古馬混合戦となった前走の安田記念でも3着に好走した。世代代表のマイラーとしてここは落とせない一戦だ。昨年の富士Sの覇者ヴァンドギャルドは前走のドバイターフでも2着に好走するなど着実に力を付けており、ここも注目したいところ。その他、ケイデンスコール、ポタジェ、サンレイポケットなども虎視眈々と狙っている。
ここではこの秋も飛躍し続ける3歳世代の「レベル」と「血統」を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてシュネルマイスターを取り上げたい。
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■世代のマイル王、シュネルマイスターの明と暗
まずは、シュネルマイスターの近4走について考察する。デビュー2戦目の4走前、ひいらぎ賞(1勝クラス)では、道中4番手に構えながら力を溜め、最後の急坂も苦にすることなく上がり最速となる35秒4の末脚でワザモノらを差し切った。当時のメンバーレベルには疑問視も、勝ちタイムは同日のターコイズS(勝ち馬スマイルカナ)に1.2秒迫る1分35秒8という非常に優秀なものであった。3走前は初重賞だった報知弥生ディープ記念。外枠から2番手に取り付き、逃げるタイトルホルダーを見る形で競馬を進めていたものの勝ち馬に上手く脚を使わされ、最後は脚色が鈍り2着に敗れた。
前々走のNHKマイルCはピクシーナイトが先頭でラップを刻むなか、道中は9番手というこれまでになかった位置で脚を溜め、上がり2位となる34秒0の持続性のある末脚で先に抜け出していたソングラインを差し切り見事GI初制覇。そして前走の古馬混合重賞・安田記念ではグランアレグリア、ダノンキングリー、インディチャンプ、サリオスなど名だたるマイラーが名を揃えるなか、5番手からダノンキングリー、グランアレグリアに迫る末脚を披露し、3着に好走した。
戦歴からも「マイル前後に良績が集まり、自在に動ける脚を持っている」と評価でき、古馬混合重賞にて一発で結果を出したことも、この馬自身の持っている素質が高かったと言えよう。しかし、シュネルマイスターが勝利している距離は「1600m」までの距離。2000mのレースでは最後足が鈍った背景があるように今回勝ち切るには「距離延長」という課題がキーワードになる。
■同産駒エリザベスタワーが露呈した父キングマンの特徴
シュネルマイスターの父キングマンの産駒成績を見てみると、産駒がデビューしてから勝利を挙げているのは1200m~1600mまでの「短距離」で、1600m以上になるとシュネルマイスターが好走した報知弥生ディープ記念での2着が精一杯。同じ父を持つエリザベスタワーもGII・チューリップ賞ではメイケイエールと同着の勝利という結果を残したが、次走の桜花賞で13着に敗退。距離延長となったスイートピーS(東京芝1800m)でも1番人気に推されながら6着に敗退するなど、マイル以上の距離では、ここぞの場面で脚が鈍ってしまうのだ。
次に、シュネルマイスターがこれまで戦ってきた相手に着目する。
新馬戦で下した2着馬テンウォークライはその後芝では勝てず、ダートで未勝利脱出を果たしたがその後は低迷。ひいらぎ賞で下したアラビアンナイト、ワザモノは共に2勝クラスで低迷中。初の敗北を喫した相手のタイトルホルダーはその後、朝日セントライト記念で13着に大敗といまいち結果が出ていないのも事実だ。負かした馬のレベルの低さや同じ産駒のエリザベスタワーのその後の成績を見ると、前走の安田記念で3着に好走したシュネルマイスターは早熟傾向にあるキングマン産駒のメイチの走りだったといえよう。つまり夏を超しての上積みが不透明なシュネルマイスターは人気でも過大な評価はできない。
■馬券の妙味を考えると最終結論は「消し」
ここまでシュネルマイスター関する不安要素を紹介したが、世代ナンバーワンマイラーが秋の飛躍に向けここに出走してくれたことに敬意を表したい。
ただ、馬券の妙味を考えると、ここは「消し」の評価。
本命はダノンキングリー。「ダノン」×「川田将雅」といった、いかにも天皇賞秋に向けた前哨戦で好走する条件が揃ったように見える。19年の覇者でもあり、当時は大出遅れから逃げるアエロリットを大外から差し切るという驚愕の勝利を挙げた。また、東京競馬場の成績は【4-1-0-2】と好相性。前走はフロックではないということをみせてくれるだろう。対抗にはポタジェを指名する。デビューして馬券外に凡走したことがなく常に堅実に走る馬で、上がり3Fの末脚も常に3位以内に入り、GII初挑戦の金鯱賞でも3着に好走するなど実績は十分だろう。近親に非根幹距離で実績があったルージュバックがいる血統背景からも、大器に感じる一頭で、ここを勝利するようなら秋の中距離戦線に新たな新星が誕生することになる。この馬のアタマにも期待したいところだ。
以下、押さえでヴェロックス、ヴァンドギャルド、マイネルファンロン、サンレイポケットとする。ヴェロックスは世代の3冠皆勤賞馬で2着3着3着と実績も十分。この中間は3歳時の闘志が戻ってきているような動きをみせているだけにいつ好走してもおかしくない馬。人気を落としている今回が買い時だ。
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文・西舘洸希(SPREAD編集部)