■9月25日/J1第30節 FC東京 1-2 浦和レッズ(味の素スタジアム) 禁断の日本代表サイドバック対決が実現した! 今夏からJリーグに復帰した長友佑都と酒井宏樹が、Jのピッチでついに対面した。どちらも日本代表のサイドバックの主力メンバ…

■9月25日/J1第30節 FC東京 1-2 浦和レッズ(味の素スタジアム)

 禁断の日本代表サイドバック対決が実現した!

 今夏からJリーグに復帰した長友佑都酒井宏樹が、Jのピッチでついに対面した。どちらも日本代表のサイドバックの主力メンバー。左の長友と右の酒井は、異なるチームで対戦すれば当然マッチアップする。Aマッチ127試合出場の長友と同66試合出場の酒井の対決は、開始前から注目を集めることになった。

 両者ともに先発出場したため、前半はバックスタンド側で激突することになった。熱い視線を浴びる対決は、意外にも開始わずか36秒で動きがあった。

 FC東京・森重真人が左サイド奥にロングフィード。これに左ウイングの田川亨介が反応し、酒井の背後から猛スピードで走り込むと、日本代表右サイドバックの裏を完全に取った。ゴール方向に向けて斜めに推ドリブルする田川に必死に追いすがる酒井が懸命に足を伸ばすのもむなしく、快速ウインガーがゴールネットを揺らす。酒井のミスでスコアが動く意外な展開で、ゲームは始まったのだ。

 その後、1点のビハインドを追う浦和がボールを回す展開となった。注目が集まった2人が直接マッチアップする場面はなかなか訪れない。そしてサポーターや観客が期待する場面は、前半のロスタイムに意外な形で訪れた。

■日本代表SBが日本代表SBの裏を取った得点シーン

 浦和レッズがボールを支配する中、江坂任が右サイドにサイドチェンジ。高い位置で酒井がトラップすると、平野佑一柴戸海、再び平野とボールを回す。

 その間にペナルティエリア内に走り込んでいた酒井に対し、平野がスルーパスを送る。このスルーパスで裏を取られることになった長友はすぐに反転。酒井がシュートモーションに入るやFC東京の50番はブロックしようと足を投げだすが、シュートはその足にかすることなく、さらにはGK波多野豪の股を抜いてゴールネットを揺らしたのだ。

 このゴールは当初オフサイドの判定だったが、VARが介入してゴールとして認められた。開始わずか36秒の失点に絡んだミスを、自らのゴールで帳消しにしてみせた。日本代表SBが日本代表SBの裏を取った得点シーンとなった。

「僕のミスで失点して、あの1点が大きなものになっていたので、試合を振り出しに戻すことができてうれしかった」

 酒井は同点ゴールを試合後にこう振り返った。Jリーグでは9年ぶりとなるゴールを、日本代表サイドバック対決で決めて見せた。

 前半はこのまま終了。1―1のイーブンで試合を折り返すこととなった。前半45分で生まれた2つのゴールは、日本代表サイドバックの両者が失点シーンに絡んだうえ、さらにその一人は得点をする意外な展開となった。ところが、後半45分はさらに波乱の展開となったのである。

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