昨季、日本ハムに逆転され、3連覇を逃したソフトバンク。リーグ優勝、日本一奪還が至上命令となる今季は、まず投手11人、野手17人を登録した。先発投手は開幕投手の和田毅、東浜巨投手、そして開幕2戦目の先発が予想されていたバンデンハークが指にでき…

昨季、日本ハムに逆転され、3連覇を逃したソフトバンク。リーグ優勝、日本一奪還が至上命令となる今季は、まず投手11人、野手17人を登録した。先発投手は開幕投手の和田毅、東浜巨投手、そして開幕2戦目の先発が予想されていたバンデンハークが指にできたマメの影響で登板が先延ばしとなり、代わって中田賢一投手の3人が登録。開幕2カード目に先発予定の千賀滉大、武田翔太のWBC組と、バンデンハークは後日登録される見通しだ。

■日本一奪回へ、開幕1軍には新星続々抜擢…WBC組投手陣は後日登録へ

 プロ野球は31日、セ・パ両リーグが揃って開幕する。これに先立ち、12球団の開幕1軍メンバーの出場選手登録が公示された。

 昨季、日本ハムに逆転され、3連覇を逃したソフトバンク。リーグ優勝、日本一奪還が至上命令となる今季は、まず投手11人、野手17人を登録した。先発投手は開幕投手の和田毅、東浜巨投手、そして開幕2戦目の先発が予想されていたバンデンハークが指にできたマメの影響で登板が先延ばしとなり、代わって中田賢一投手の3人が登録。開幕2カード目に先発予定の千賀滉大、武田翔太のWBC組と、バンデンハークは後日登録される見通しだ。

 ここでは、開幕1軍を掴んだ新星、逆に開幕1軍から漏れた主な選手を見てみたい。

 開幕1軍を競争の末に掴み取ったのは、以下の選手だ。

○石川柊太投手

 昨季途中に育成から支配下登録された右腕。キャンプからA組に抜擢されると、練習試合では自己最速を2キロ更新する155キロをマーク。威力十分の真っすぐと、独特の変化を見せるスライダーは十分1軍で通用する。中継ぎに組み込まれるが、もともとは先発だったため、ロングリリーフも可能だ。

○嘉弥真新也投手

 森福允彦の巨人移籍に伴い、新たな「左キラー」として期待がかかる。昨秋キャンプから左サイドスローに挑戦。オープン戦でも対左打者で結果を残し「ポスト森福」の座を掴み取った。

○笠原大芽投手

 手薄な左の中継ぎとして期待される22歳。球速は140キロ前後ながら、キレと制球で勝負する。昨季はウエスタンリーグ最多勝に輝いた先発投手。石川とともにロングリリーフでの登板もありそうだ。

○甲斐拓也捕手

 育成出身の将来の正捕手候補で、チーム屈指の強肩、スローイングが武器。オープン戦で打率5割をマークするなど、守備面以外でも首脳陣にアピールした。高谷、鶴岡のベテラン2人にどれだけ割って入れるか、注目だ。

○上林誠知外野手

 仙台育英高出身、4年目の期待の大砲候補。オフに10キロ増量し、打撃の破壊力、飛距離が大幅に増した。チームの今季実戦初アーチ、オープン戦初アーチを放ち、長打力をアピール。開幕スタメンが有力で、一気に外野の定位置取りにも期待だ。

 一方で、開幕1軍から漏れた選手は次の面々になる。

■好投の松坂、ドラ1の田中&高橋、4年連続開幕投手の攝津ら外れる

○松坂大輔投手

 25日の広島戦(ヤフオクD)で7回無安打0封の好投を見せながらも、開幕ローテから漏れた。オープン戦全体の投球では不安定さもあり、18日の西武戦(メットライフ)では右内転筋の張りを訴えて緊急降板。今後は先発陣のバックアップ、ローテの谷間の先発候補としてファームで調整を続けていくことになる。

○田中正義投手

 即戦力ルーキーとして期待されて入団したが、残念ながら開幕1軍を逃した。キャンプ中から投球の不安定さだけでなく、フィールディングなどにも課題が出た。さらには右肩違和感もあり、現在はリハビリ組。実戦復帰に1、2か月を要する見込みだ。

○大隣憲司投手

 開幕ローテを期待されたが、残念ながら、開幕は2軍で迎えることに。20日のDeNA戦(横浜)で先発しながら、3本の本塁打を浴びたことが痛かった。28日のウエスタンリーグ広島戦(タマスタ筑後)では6回無失点と好投。先発のバックアップ、ローテの谷間でのチャンスを待つ。
 
○高橋純平投手

 昨季のドラ1右腕。春季キャンプからA組に抜擢されていたものの、キャンプ終盤に内転筋の張りが出たことでペースダウンしたことで、競争から後れをとった。首脳陣の期待値が高いが、まずはファームで結果を残すことが求められる。

○摂津正投手

 昨季まで4年連続開幕投手を務めたが、今季はまさかの開幕1軍漏れ。オープン戦3試合に投げ、15イニングで5失点。8四球3本塁打と、本来の姿とは言えず、開幕ローテから外れることになった。

■野手では期待の新助っ人、飛躍期待された「ミギータ」も漏れる

○ロベルト・スアレス投手

 勝利の方程式の一角を担うはずだった右腕は、ベネスエラ代表として参戦していたWBCで右前腕部を肉離れ。全治1、2か月を要する見込み。

○山下斐紹捕手

 開幕1軍候補の1人と期待されていたが、リード面などの課題が露呈し、チャンスを掴めなかった。出場機会の少なかったオープン戦。6試合で打率5割をマークして打撃面でアピールしたが、無念の2軍降格となった。

○カイル・ジェンセン内野手

 米マイナー通算178本塁打の長打力を期待されていた新助っ人。だが、日本の投手に大苦戦だった。オープン戦13試合で31打数5安打の打率.161。2本塁打を放ったものの、16三振を喫していた。

○吉村裕基外野手

 昨季は右の代打として重用されていたが、まさかの開幕1軍漏れとなった。オープン戦中は4番で起用されるなど、スタメンも多かったが、12試合で25打数4安打、打率.160と低調で、オープン戦終盤に2軍降格となった。
 
○真砂勇介外野手

 昨季のU-23W杯でMVPを獲得し、今季の飛躍を期待されていた大砲候補。抜群の身体能力を誇り、右の柳田悠岐という意味のニックネーム「ミギータ」も徐々に浸透。だが、オープン戦で1軍レベルの投手相手に苦戦。8試合で13打数3安打の打率.154と結果を残せず、生き残れなかった。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani