卓球Tリーグ女子 卓球のTリーグ女子は11日、東京・大田区総合体育館で行われた。3季連続2位の木下アビエル神奈川が昨季3位の日本ペイントマレッツに0-4で敗れ、開幕初戦で黒星。ストレート負けだったが、張本美和と牧野美玲の中学1年ペアが奮闘し…

卓球Tリーグ女子

 卓球のTリーグ女子は11日、東京・大田区総合体育館で行われた。3季連続2位の木下アビエル神奈川が昨季3位の日本ペイントマレッツに0-4で敗れ、開幕初戦で黒星。ストレート負けだったが、張本美和と牧野美玲の中学1年ペアが奮闘した。

 第1試合ダブルスには、木下アビエル神奈川から東京五輪男子団体銅メダル・張本智和の妹・美和と牧野の中1ペアが登場した。24歳の芝田沙季、17歳の大藤沙月ペアに挑んだが、第1ゲーム(G)は3-11。第2Gは10-6でゲームポイントとしたものの、5連続失点で勝利はならず。それでも、声を掛け合いながら懸命に戦った2人に拍手が注がれた。

 ジュニアナショナルチーム代表の牧野は、2009年3月15日生まれの12歳。Tリーグデビュー戦を終え「1セット目はとても緊張していて、自分のプレーがあまりできませんでしたが、2セット目からほぐれてきて自分のプレーができたと思います。高いボールが来た時に足を出して攻めることができた」と初々しく振り返った。出場が決まった時は「少しでも貢献できるように頑張ろうと思いました」と気合が入ったという。

 実は急遽組んだペアだった。これまで張本とのダブルス練習はなし。「今日やりました」と“ぶっつけ”だったという。午後4時開始の試合になんとか合わせた裏側について、渡辺隆司監督代行はこう説明した。

「正直なところ、起用は凄く迷いました。理由としては、Tリーグの開幕戦でチーム事情により選手起用が難しく、もしかしたらTリーグの格を下げてしまう懸念もあった。迷いもあったけど、木下アカデミーも設立されましたし、今後しっかり育成していくんだと前向きに捉えて頑張りました。

 開幕戦で出来る限りのベストオーダーを考えていたけど、今日の午前中にそれが叶わなくなったので切り替えた。牧野選手には新幹線の移動中に起用することを伝えました。驚いていたと思う。そこから会場入りして、張本選手とダブルスを練習した。たまたま中学1年生を2人起用したけど、張本選手はシニアクラスの実力がある。卓球は年齢でするスポーツではないので、しっかり見極めて起用していきたいと思います」

目標は石川佳純や早田ひな、牧野「1試合でも多く勝てるように」

 張本は第3試合のシングルスにも出場。再び芝田と対戦したが、11月の世界選手権代表を相手に第1Gは7-11で落とした。第2Gは開始から4連続得点など果敢な攻めのプレーを展開。会場に声を響かせ、11-8と奪い返した。しかし、第3Gは9-11、第4Gは6-11で敗戦。最後まで食い下がったが、及ばなかった。

 神奈川・川中島中1年の13歳の張本は、初年度の19年2月にダブルスでTリーグデビュー。昨年11月にはシングルスデビューを飾った。昨季のプロフィールは身長152センチだったが、今年は164センチにアップ。これまでダブルス1試合、シングルス3試合で勝利はないが、今年の全中を制すなど成長を見せている。この日対戦した芝田は「技術の質も高くて思い切ってどんどん来る。そういう意味ではやりにくかった」と素質を感じた。

 日本生命レッドエルフのV4阻止となる初優勝を狙うシーズン。次戦は14日に日本生命と大田区総合体育館で対戦する。目指す選手は石川佳純や早田ひなという牧野は「自分から攻めて1本でも多く、1試合でも多く勝てるように頑張ります」と成長を誓った。黒星スタートとなったが、若き逸材たちにも注目だ。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)