熾烈な開幕1軍争いのレースも、いよいよ決着が近づいてきた。宮崎キャンプ中から若手が懸命にアピールを続けてきたソフトバンク。日本一奪還が至上命令となる今季の開幕まで、あと12日。オープン戦残り7試合となり、選手の絞り込みが本格化してきた。野手…

熾烈な開幕1軍争いのレースも、いよいよ決着が近づいてきた。宮崎キャンプ中から若手が懸命にアピールを続けてきたソフトバンク。日本一奪還が至上命令となる今季の開幕まで、あと12日。オープン戦残り7試合となり、選手の絞り込みが本格化してきた。野手に特化し、現状の開幕争いを見てみたい。

■OP戦残り7試合、開幕野手17人登録なら8人振るい落とし

 熾烈な開幕1軍争いのレースも、いよいよ決着が近づいてきた。宮崎キャンプ中から若手が懸命にアピールを続けてきたソフトバンク。日本一奪還が至上命令となる今季の開幕まで、あと12日。オープン戦残り7試合となり、選手の絞り込みが本格化してきた。野手に特化し、現状の開幕争いを見てみたい。

 長崎でのゲームから戻った15日の巨人戦で、宮崎キャンプからB組での調整を続けてきた城所龍磨、江川智晃が1軍に合流。野手は実に22人の大所帯となった。さらには、WBC組の松田宣浩、内川聖一、そして新助っ人のアルフレド・デスパイネが開幕前に合流する。昨季の開幕時の1軍の28人枠は投手11人(開幕2カード目の先発投手は登録されないため)、野手17人(捕手3人、内野手7人、外野手7人)。今季もそうだとすると、そこから8人が振るい落とされることになる。

「遠征ということで連れていけない。絞り込みもしないといけない」。16日の巨人戦後に、工藤公康監督はこう語り、捕手で山下斐紹、内野手は育成選手ながら1軍に食らいついていた曽根海成、そして外野手では真砂勇介と釜元豪の4人が降格。1軍が東京への遠征に出た17日に、開幕を迎えたウエスタンリーグの阪神戦(タマスタ筑後)へ出場した。

 西武戦時点で1軍に留まっているのは以下のメンバーである。

○捕手 高谷裕亮、鶴岡慎也、甲斐拓也
○内野手(WBC組=松田宣浩、内川聖一) 本多雄一、今宮健太、明石健志、牧原大成、カイル・ジェンセン、川島慶三
○外野手(WBC組=デスパイネ) 柳田悠岐、中村晃、吉村裕基、長谷川勇也、城所龍磨、塚田正義、上林誠知、福田秀平、江川智晃

■指揮官「頑張っている子を残せるように」…OP戦最後まで競争必至の5人は?

 捕手は3人が想定されるため、ベテラン2人とキャンプ中から存在感を見せてきた甲斐が開幕1軍に入る可能性が極めて高くなってきた。内野手はWBC組の2人と本多雄一、今宮健太は当確。外国人枠の問題で開幕1軍漏れが予想されていたジェンセンも、スアレス投手の故障により、1軍に留まる可能性が高くなった。これで5人。内野手に与えられるのはあと2枠。川島が出場機会確保のために福岡に残留し、18日のウエスタンリーグ阪神戦に出場していたことを考えると、一歩後れを取っていると言わざるを得ないか。二塁と一塁、三塁とオープン戦で起用されている明石、今宮の遊撃のバックアップとなれ、二塁、三塁、そして外野もできる牧原が開幕1軍に近いだろう。

 外野手は柳田、中村晃、そしてデスパイネ(DH起用で外野を守ることは滅多にないだろうが……)の3人が当確。実績十分で、左の代打として考えても長谷川勇は入ってくるだろうし、右の代打として重用している吉村も有力だろう。残りの2つの椅子を、工藤監督はどう使うか。

 残るは、若手の成長株の上林、走力に秀でる城所、福田、パンチ力のある江川、そして内外野ができ、打力が魅力の塚田。指揮官は「今、頑張っている子をしっかり残せるようにしてあげたい」という。この5人。誰もが使いたいと思わせるものを持っているだけに、オープン戦の最後の最後まで競争となることだろう。

 絞り込みが始まったとはいえ、まだまだ候補が溢れかえっているソフトバンクの野手陣。オープン戦残り7試合。日々のアピール合戦に注目だ。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani