小久保采配的中！粘りの逆転勝ちで侍ジャパン準決勝進出に大きく近づく

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3月14日、「2017 WORLD BASEBALL CLASSIC™」（以下、WBC）の2次ラウンドが東京ドームで行われ、侍ジャパンはキューバに8対5で競り勝ち、準決勝進出に大きく近づいた。

★一歩も譲らぬシーソーゲーム

キューバには1次ラウンドで11対6と勝利していた侍ジャパン。だが、小久保裕紀監督が「振りの鋭さがさらに増していました」と振り返ったように、序盤からキューバ打線が菅野智之投手（巨人）に襲いかかった。

初回に山田哲人内野手（ヤクルト）の先頭打者本塁打で先制した侍ジャパンだったが、直後の2回表に菅野がグラシアル内野手に逆転2ランを浴び、すぐに逆転を許す。

3回裏には筒香嘉智外野手（DeNA）のタイムリーで同点に追いつくも、直後の4回表にメサ外野手の2点タイムリーで再び勝ち越しを許した。

その後も5回に青木宣親（アストロズ）の内野ゴロと筒香のタイムリーで同点に追いつくも、6回にアラルコン捕手のこの日3安打目となるタイムリーで三たび勝ち越しを許し、さらにその裏には小林誠司捕手（巨人）のタイムリーで三たび同点に追いついた。

★代打の切り札・内川の大仕事

7回と8回を松井裕樹投手（楽天）と秋吉亮投手（ヤクルト）の好投により無失点で切り抜けた侍ジャパン。このシーソーゲームにケリをつけたのは、小久保監督の思いきった采配だった。

8回裏、相手失策と秋山翔吾外野手（西武）の安打で1死一、三塁のチャンスを作ると、ここで小久保監督が動いた。この日も2安打を放つなど今大会のラッキーボーイ的存在の小林に代え、代打・内川聖一外野手（ソフトバンク）を代打に起用した。

「2安打を打った選手への代打だったので緊張しました」と振り返る内川だが、4球目の外に逃げるスライダーに食らいつくと、打球はライトへの犠牲フライとなり、侍ジャパンが勝ち越しに成功。内川と三塁走者の松田宣浩内野手（ソフトバンク）がベンチで熱い抱擁を交わした。さらにその熱気の冷めぬ間に、続く山田が初球のスライダーを狙い澄まして、この日2本目となる本塁打を放ち、ダメ押し。

そして最後は牧田和久投手と炭谷銀仁朗捕手の西武バッテリーでキューバ打線を三者凡退に抑え、ゲームセット。

侍ジャパンがこの日も終盤で勝負強さを発揮して開幕5連勝。2次ラウンドのプールEで2勝0敗と一歩抜け出し、準決勝進出に大きく近づいた。

15日のイスラエル戦は、日本のファンの目の前で行う今大会最後の試合となる。小久保監督は試合後「今日までのことはもう過去。明日、全力で勝ちに行きます」と高らかに宣言し、場内は大歓声に包まれた。

◎キューバ・マルティ監督

「日本はこの大会でも最上のチームの1つ。そのチームを相手に攻撃陣はよくやってくれたと思いますし、戦いには満足しています。まだ決勝ラウンド進出の可能性は残っているので、明日勝つしかありません」

◎内川聖一外野手

「スコアリングポジションに走者が行ったら代打で行くと言われていたので、気合いで打席に入りました。（出番が少ない中で）練習から無駄な球は1球も無いということを改めて感じさせてもらっています。前回大会の悔しさも晴らしたいですし、このチームで世界一になりたいと結成時から思っていました。そのためにも、まずは明日の試合に勝って、負け無しで（準決勝・決勝の行われる）アメリカに行きたいです」

文＝高木遊