【大恵陽子=コラム『ちょっと馬ニアックな世界』】夏の佐賀で若い力が爆発しました。若手騎手たちによる戦い・ヤングジョッキ…

【大恵陽子=コラム『ちょっと馬ニアックな世界』】

夏の佐賀で若い力が爆発しました。

若手騎手たちによる戦い・ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)が7月20日のトライアルラウンド(TR)佐賀から開幕。11月24日TR浦和まで予選が続き、上位の得点を得た4競走分の合計得点によりファイナルラウンド出場者が決まるのですが、開幕ラウンド2戦を制したのは西谷凜騎手(JRA)と飛田愛斗騎手(佐賀)のデビュー1年目のジョッキーたちでした。

まだまだ馴染みの薄いデビュー間もないジョッキーたちですが、レース前後の行動に彼らの個性が表れていました。若手ジョッキーたちの「ちょっと馬ニアックな世界」を覗いてみましょう。

◆現役騎手の父から「競馬オタクやな」

 “飛田人気”をしていたTR佐賀第2戦を制したのは西谷凜騎手(JRA)でした。

 返し馬で状態の良さを感じ、馬の力を信じた強気のロングスパートを決めた西谷凜騎手。

 父は障害レースで活躍する西谷誠騎手(JRA)で、現役騎手の父から「競馬オタクやな」と言われるほど小学生の頃から競馬大好き少年でした。

 小学5年生から乗馬を習い始めると

「ただ競馬が好きなだけだったのが、馬への愛情がすごく芽生えました。馬は喋ってくれないんですけど、自分の中ではしっかり会話が成立しているつもりで、馬にすごく喋りかけるんです。はたから見たら変な奴ですよね(笑)。ジョッキーになった今も、乗っている時も馬から降りている時も、馬に結構声をかけるタイプです」

 馬に喋りかけたり、スキンシップをよく取るジョッキーで思い浮かぶのは、酒井学騎手。

 パドックで騎乗すると馬の首筋を撫で、ゲート裏の輪乗りではお尻を撫でるなどして馬とコミュニケーションを取っています。

 それについて酒井騎手は

「体のどこを触ったら嫌がるかなどリアクションを確かめるためにも触っています」

 と理由を説明します。

 西谷凜騎手も「酒井騎手はすごく馬が好きなんだろうな、と感じますし、酒井騎手だからこそハクサンムーンも乗れたのかなと思います」と尊敬のまなざしを送ります。

 だからでしょうか、西谷凜騎手はTR佐賀第2戦を勝って引き上げてくると、何回も騎乗馬の首筋を撫で、笑顔で声をかけていました。

「趣味は競馬」と言うくらい、本当に馬と競馬が好きなんだなぁと改めて感じたワンシーン。

 今年のYJSはJRAも地方もTRは4レースしか騎乗しないジョッキーがいるため、勝利を挙げることでファイナルラウンド進出が大きく近づきます。

 次回のTRは8月9日高知。

 ここでは永島まなみ騎手(JRA)と佐々木世麗騎手(兵庫)の女性騎手対決も実現する予定です。

 ぜひ若手ジョッキーたちの戦いにも熱い声援を送っていただければと思います。

 (文=大恵陽子)