第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCが10日(日本時間11日)、米国・マーリンズパークで行われ、アメリカが初戦のコロンビア戦で延長10回の死闘の末に3-2とサヨナラ勝ちし、白星発進した。■コロンビアに延…

第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCが10日(日本時間11日)、米国・マーリンズパークで行われ、アメリカが初戦のコロンビア戦で延長10回の死闘の末に3-2とサヨナラ勝ちし、白星発進した。

■コロンビアに延長10回サヨナラ勝ち、米メディア「大番狂わせを免れた」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド・プールCが10日(日本時間11日)、米国・マーリンズパークで行われ、アメリカが初戦のコロンビア戦で延長10回の死闘の末に3-2とサヨナラ勝ちし、白星発進した。メジャー屈指の名手を揃えた強力打線は序盤、相手先発キンタナ相手の前に沈黙を余儀なくされ、一時は2点リードを許す展開となったが、どうにか逆転勝ち。この勝利に米メディアは「大番狂わせを免れた」、「ハラハラの展開」と伝えた。

 WBC初優勝を狙うアメリカはメジャー屈指の実力者を揃えた。この日の先発ラインアップにはキンズラー(タイガース)から、A・ジョーンズ(オリオールズ)、アレナド(ロッキーズ)、ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)、ポージー(ジャイアンツ)、スタントン(マーリンズ)、マーフィー(ナショナルズ)、マッカチェン(パイレーツ)、クロフォード(ジャイアンツ)と強力打線を並べ、アーチャー(レイズ)が先発登板した。

 28歳右腕はコロンビア打線を4回まで無安打無失点と完璧に抑えてマウンドを降りたが、打線もホワイトソックスのキンタナに5回まで無安打に封じられ、2点リードを許す展開に。それでも6回に追いつくと、延長10回にA・ジョーンズのサヨナラ安打で白星を手にした。しかし、薄氷の勝利に米国メディアは厳しい視線を送っている。

 地元紙「USAトゥデー」電子版は「USAはワールド・ベースボール・クラシックでコロンビアにサヨナラ勝ちし大番狂わせを免れる」と見出しで特集。「10回のアダム・ジョーンズのタイムリーヒットが決勝弾を呼び、アメリカはWBC4大会の歴史で最大級の番狂わせの犠牲者に転落するところを辛くも免れた」とレポートした。

■地元メディアは勝因に2年連続2冠強打者の「ヘッスラ」選出

 同紙はこの日の主役にキンタナを選出。「素晴らしさと経済性を兼ね備えるシカゴ・ホワイトソックスの左腕は5回2/3までアメリカをヒット0に抑えた」と称えた。

 一方、試合のターニングポイントとして2年連続本塁打王と打点王の2冠に輝いた米国代表のアレナドの一塁へのヘッドスライディングを選出。ロッキーズの主砲は1点差に迫った6回2死二、三塁の場面で暴投による振り逃げで同点を演出。記事ではそのプレーを「彼の一塁への狂気のダッシュと転げながらのスライディングでアメリカに安堵をもたらした」と評している。

 また、地元テレビ局「CBS」電子版は「ヒットレスパレード(無安打行進)」とアーチャー、キンタナ両先発投手の力投を紹介。一方、4回終了時でわずか41球だったアーチャーを降板させたこと、6回一、三塁の勝ち越し機でゴールドシュミットに代打ホズマーを送ったことなどからリーランド監督の采配に疑問を呈している。ただ、アーチャーの交代は、レイズへの配慮とアーチャー自身の希望によるものだったという。

 MLB公式サイトも「ハラハラの展開でアメリカがコロンビアにサヨナラ勝ち」と特集するなど、この日の勝ち方に不満の色を見せている。

 一方、アメリカの野球専門誌「ベースボールアメリカ」電子版によると、サヨナラ打を放ったA・ジョーンズは「大きな見せ場だった。オリオールズでプレーしている時にはメジャーのチーム相手にたくさんのいい瞬間を経験しているけれど、今回は国が相手。これ(サヨナラ安打)は最高にランクの高いものになった」とコメントしており、劇的な勝利に充実感を漂わせている。