左から小林大祐、岡田優介、大塚裕土の3人。あらたなチャレンジへの抱負と千葉への親しみをそれぞれが話してくれた。スーツ姿の…

左から小林大祐、岡田優介、大塚裕土の3人。あらたなチャレンジへの抱負と千葉への親しみをそれぞれが話してくれた。スーツ姿の小林は試合では#6を着用する
千葉の地で頂点へのライジングストーリーを描こう
B3の2021-22シーズンからあらたに参入するアルティーリ千葉の始動記者会見が、7月19日に千葉市内で開催された。冒頭を飾ったプレゼンテーションで、株式会社アルティーリの新居佳英代表取締役CEOは、クラブとして千葉市及び千葉県に根差し「世界中の人々を魅了するクラブを創る」ことをビジョンに活動していくことを宣言。「チームとしての活躍や挑戦を通して世の中に勇気と活力を与え、日本のバスケットボール業界を盛り上げけん引する存在になりたいと考えています。言うまでもなく、後発の新設クラブが普通のやり方で達成していくのは並大抵のことではないと思っておりますので、今までのBリーグの常識とは異なる経営手法や取り組みを積極的に取り入れ、新たなロールモデルとなれるよう活動してまいります」と語った。
新井CEOの目標は非常に高い。「最短でのB1昇格、5年でB1優勝のラインジングストーリーの達成を掲げております」というのが、始動時点で目指す姿。「簡単なことではないことは重々承知しておりますが、まったく新しく創設されたクラブだからこそ、これまでにないチャレンジを掲げ、活動をしてまいります」
千葉県内には、バスケットボールファンならご存じのとおり、2020-21シーズンのB1チャンピオン、千葉ジェッツがすでに存在している。しかし新居CEOは、千葉県が神奈川県に次いで協会登録人口が全国で2番目に多いこと、また県庁所在地で政令指定都市の千葉市をホームとするクラブがなかったこと(ジェッツは千葉市をフレンドリータウンとしている)をアルティーリ千葉創設の根拠として示した。千葉ジェッツとの前向きな切磋琢磨により、県内のバスケットボールのさらなる普及・発展に寄与し、ビジネスチャンスも追求できるとの見通しや将来像が描けていればこその決断だっただろう。
最短でのB1昇格とは、直近の2021-22シーズンにB3優勝、2022-23にB2優勝を実現するビジョンであり、話題を呼んでいるチーム作りの経過をみれば、その大志実現への並々ならぬ意欲が伝わってくる。
会見にオンラインで登壇したヘッドコーチのアンドレ・レマニス氏は、オーストラリア代表の指揮官としてオリンピック、FIBAワールドカップに出場し、世界の4強入りを果たした歴戦の将。「私たちアルティーリ千葉は、リーグ参入初年度でのB3リーグ優勝、その後、最速でのB1リーグへの昇格を目指せる強いチーム」とここまでの初代プレーヤー獲得の過程に自信を見せる。同時に、千葉市、千葉県のコミュニティーに根付いたクラブ運営も約束した。「チームとしてスポーツマンらしく、十分な品格を持ち合わせることが出来るように日々取り組むことで、私たちを応援して下さる皆様の期待に応えられるような魅力あるチームになりたいと考えています。コーチスタッフ一同、トップチーム強化はもちろん、地域の皆様とのコミュニケーションを図り、多くの方々に応援いただけるようなクラブ創りをしてまいります」

7月19日時点でのアルティーリ千葉のロスターには10人の名前がある(上段左から大塚、岡田、ケビン・コッツァー、小林、紺野 ニズベット翔、下段左からレオ・ライオンズ、イバン・ラべネル、秋山 煕、藤本巧太、杉本 慶)
「自信はある」 - 岡田優介
この日はアルティーリ千葉に加わったプレーヤーの中から、大塚裕土、岡田優介、小林大祐の3人が姿を見せ、メディアとの質疑応答も行われた。濃淡のユニフォーム紹介もあり、岡田は#10の濃色、大塚は#24の淡色を実際にまとい、フォトセッションもあった。
昨シーズンはB1の川崎ブレイブサンダースでBリーグの頂点を目指し、チャンピオンシップセミファイナルまで戦った大塚は、アルティーリ千葉のライジングストーリーの最終章をイメージさせる存在かもしれない。まだ住まいは川崎とのことで、「千葉についてはまだ勉強中ですが、これから研究していきたいです」と話した。自らのキャリアはすでに「第4Qに突入した」という思いもある中で、B3の新規参入クラブであるアルティーリ千葉での再出発は、決して簡単な決断ではなかっただろう。
しかしこのステップは、大塚の可能性を最大に広げるチョイスかもしれない。何しろ、世界を知るレマニスHCから学びながらの5年間の頂点プロジェクトだ。「新規チームでのゼロからのチャレンジにワクワクしている」と話す大塚の姿は鋭気に満ちていた。「最短B1昇格とB1優勝のクラブの目標に対して、自分のキャリアを活かして貢献できるよう、頑張りたいと思います」
プロキャリア15年目になる岡田は、昨シーズンはB2アースフレンズ東京Zでシューターとして活躍した。Bリーグ選手会を取りまとめ、自ら会長を務めた経歴を持つリーダーシップで知られる存在だ。チーム内で最年長の立場として、「これまで得た経験でこのチームを勝利に導ければと思います。アルティーリ千葉のライジングストーリーに貢献できるように尽力して、千葉の皆さんと一緒に戦っていきたいと思います」と意欲を語っていた。
レマニスHCともすでにコミュニケーションが取れているという。天皇杯予選への出場も考えると、チームとして最初の公式戦は、10月のB3開幕戦よりも早くなる公算が強い。準備にかけられる時間は思いのほか短いが、「自信はあります」とベテランらしく頼りがいのある言葉を残した。
岡田はすでに千葉市に移り住んでいることも明かした。鴨川市にゆかりがあり、子どもの頃には夏休みに千葉県をたびたび訪れたことがあるそうで、新生活を楽しみにしている様子だ。
昨シーズンB1昇格を決めた茨城ロボッツで、頼れるシューティングガードとして大いに貢献した小林は、新鮮な感覚で昇格体験を語れる存在だ。当然意欲も高く「全アルティーリ千葉のメンバーと、B3・B2・B1それぞれのストーリーを作って、その結果とアルティーリ千葉の文化を存分に示していきたいと思います。皆様、応援よろしくお願い致します」とコメントも力強かった。
小林にとって千葉県は、微笑ましい思い出の舞台だという。高校時代、インターハイの舞台が千葉県で、小林は決勝戦でうっかりバッシュを忘れしまい、それを知った県内の高校の選手から借りたバッシュでプレーしたのだ。「今となっては笑い話ですが…」と言いながら、忘れられない感謝の気持ちを表していた。
チーム作りに関しては「今はどれだけ話してコミュニケーションをとれるかが大切」とケミストリー重点のアプローチ。「控え目にならず(自分の個性を)伝えるのが一番重要と思い、それを率先してやっています」
経験、積極性、実績、そしてホームとしての千葉市と千葉県への愛着。3人のキャリアを振り返り、話を聞くと、彼らが一枚岩になれたときの強さは計り知れない。
5年間でB1優勝のライジングストーリー。『千葉市 presents』と冠に銘打たれたB3のホーム開幕戦は2021年10月16日(土)・17日(日)の両日、アイシン・アレイオンズを千葉ポートアリーナに迎えて行われる予定だ。しかしその序章はすでに始まっている。
☆アルティーリ千葉公式サイト
https://altiri.jp/
☆アルティーリ千葉公式ファンクラブ
https://altiri.jp/fan_club
取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)