サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Question小林成豪が左を抜け出し、中央の長沢駿はどう動いたか? J1第…
サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~
Question
小林成豪が左を抜け出し、中央の長沢駿はどう動いたか?
J1第22節の大分トリニータ対浦和レッズ戦は、下位で苦しむホームの大分が1-0で勝利して、貴重な勝点3を手にした。
今季の大分は第22節を終えて(消化は21試合)4勝4分13敗。最大の課題はリーグで下から2番目の13点という得点力不足だ。これは最下位の横浜FCよりも少ない数字である。
直近のリーグ5試合でも1勝1分3敗と負け越し、勝利した第17節アビスパ福岡戦以外は1点も取れていなかった。引き分けを挟んでリーグ3連敗と厳しい流れで、ホームに迎えたのが好調の浦和だった。
今回は、その値千金の決勝点が生まれた、前半12分のシーンをピックアップする。浦和がGK西川周作からビルドアップを開始すると、大分が前からプレスをかけ、西川は右サイドの西大伍へフィードを送る。

左サイドを小林成豪が抜け出す。中央の長沢駿はどう動いたか
そのボールを西がヘディングで田中達也へつなごうとするが、大分の三竿雄斗がヘディングでインターセプト。縦に流れたボールは小林成豪へとつながり、小林はそのまま左サイドを抜け出した。
それを中央で見ていた長沢駿は、次のシーンでどう動いただろうか?
Answer
ニアに相手DFを引きつけて、ファーにスペースをつくった
ショートカウンター気味で、浦和の守備陣形が整わない隙を、大分が見事に突いたシーンだ。

長沢は相手DFを引きつけてニアへ。空いたファーで町田がゴールした
浦和はビルドアップの段階で西川を中心に両センターバック(CB)が開いてポジションを取っていたが、このタイミングでボールロストしたのが良くなかった。
三竿のインターセプトから小林が左サイドを抜け出した時、大きく開いた浦和の両CBの間に長沢がノーマークでいた。右CBの岩波拓也は長沢に背を向けて小林を見るしかなく、長沢に対応するためには逆サイドに開いた槙野智章が戻るしかなかった。
長沢は首を振って槙野の位置を見ると、槙野から遠いニアサイドへ動き出した。槙野はこの時、後方から大分の町田也真人が駆け上がって来るのを見ていた。しかし、岩波の背後を取ってニアに動く長沢の対応に向かうしかなく、槙野にとって数的不利な状況となっていた。
左サイドをドリブルで持ち上がった小林は、その状況を冷静に見て左足で浮き球のクロスを入れる。ボールは長沢が槙野を引きつけることで空いたファーサイドへ。走り込んだ町田がヘディングで決めて決勝点。好調の浦和から勝点3を手にした。
大分は7月3日に柏レイソルからFW呉屋大翔を獲得。終盤に向けて課題克服の補強は行なった。この勝利を降格圏脱出のきっかけにできるか。