東京五輪を前に、期待値は高まっている。  サッカーは7月21日に初戦が行われ、8月7日に優勝チームが決定する。U-24…

 東京五輪を前に、期待値は高まっている。
 サッカーは7月21日に初戦が行われ、8月7日に優勝チームが決定する。U-24日本代表はグループAで南アフリカ、メキシコ、フランスと対戦。上位2チームがグループステージを突破し、準々決勝へと進出する。
 その五輪の「前哨戦」として、日本はスペインと対戦する。17日に行われる一戦は日本にとって、現在地を確認する重要なトレーニングマッチになるだろう。

■「サプライズ」だったペドリの招集

 スペインA代表は、先のEURO2020でベスト4に進出した。

 今回のオリンピックに臨むにあたり、U-24スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督は22名の選手を招集した。そのうち、GKウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)、エリック・ガルシア(バルセロナ)、パウ・トーレス(ビジャレアル)、ペドリ・ゴンサレス(バルセロナ)、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、ミケル・オジャルサバル(レアル・ソシエダ)の6名は、EURO2020に参加していた、現A代表の選手だ。

 EURO2020に出場した24カ国のうち、五輪に参加するのはスペイン、ドイツ、フランスだ。その3カ国で、6名ものA代表選手を招集したのはスペインのみである。

 18歳のペドリの招集は、サプライズとさえ言えるものだった。無論、年齢的には問題はないのだが、五輪に出場するとは思えない状況にあった。2020-21シーズンに彗星のごとく現れたペドリは、非常に多くの試合をこなしていたからだ。このペースで試合に出続けると、2020年9月から2021年末にかけて、実に106試合に出場することになる。

 実際に、バルセロナはペドリの五輪参加に難色を示していた。

 しかしながら、スペインでは所属クラブが選手の五輪参加を拒否することはできない。法律で、そう定められているためだ。国外のクラブでは事情が異なり、五輪世代のフェラン・トーレス、ロドリ・エルナンデス(ともにマンチェスター・シティ)、ファビアン・ルイス(ナポリ)といった選手は招集されなかった。一方で、マルコ・アセンシオ、ダニ・セバージョス(ともにレアル・マドリード)、ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)という「国内組」がオーバーエイジ枠で招集されている。

■A代表との違いと共通点

 2019年にU-21欧州選手権を制したデ・ラ・フエンテ監督は、当時から大きくメンバーを変えることなく、今回の五輪に臨むメンバーを構成した。基本布陣は【4-3-3】だが、A代表を率いるルイス・エンリケ監督ほどシステムには固執しない。【4-2-3-1】を併用し、臨機応変に対応する。

 一方で、A代表と共通する点もある。ラ・ロヒータ(スペイン世代別代表の愛称)でも、鍵となるのはやはり中盤なのだ。

 ペドリ、セバージョス、メリーノ、カルロス・ソレール(バレンシア)らは、若いが豊富な経験を備えている。とりわけ、セバージョスに関しては先述したU-21欧州選手権で「セバージョスとファビアンの大会だった」と現地メディアに評されるほどの活躍を見せた。

 ペドリやセバージョスが中心になるのは間違いない。ただし、他にも重要な役割を担いそうな選手がいる。マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)だ。

 スビメンディはソシエダのカンテラーノで、2019年4月28日にトップデビューを飾った。若手育成に定評があるソシエダというクラブで台頭してきた選手の一人だ。

 ソシエダはシャビ・アロンソを筆頭に、「名ボランチ」を輩出してきた歴史がある。現在、Bチームで指揮を執るX・アロンソ監督の薫陶を受け、トップチームで輝き始めているのがスビメンディである。2019年の優勝メンバーではないが、この数年でぐんぐん力を伸ばした選手は、チームに勢いをもたらす存在となる。

 このような選手たちがそろい、スペインの中盤の構成力は保証されていると言っていいだろう。また、前線にはアセンシオ、ダニ・オルモ、オジャルサバル、ブライアン・ヒル(セビージャ)、ラファ・ミル(ウルバーハンプトン)、ハビ・プアド(エスパニョール)とタレントがそろっている。

■スペイン代表の弱点は?

 懸念材料を挙げるとすれば、ディフェンスラインだろうか。エリック・ガルシア、パウ・トーレスとA代表組を呼んだものの、不安は残る。マルク・ククレジャヘタフェ)とフアン・ミランダ(ベティス)が控える左サイドバックはまだしも、オスカル・ミンゲサ(バルセロナ)とオスカル・ヒル(エスパニョール)が入る右サイドバックについては弱点になる可能性がある。

 ただし、チームのベースとなる力が高いレベルにあることは間違いない。スペイン『マルカ』紙が「スペイン代表のBチームだ」と形容したように、その実力は確かだろう。

 ブラジル、アルゼンチン、メキシコといったチームと並び、スペインはメダル獲得の有力候補だ。大会前に日本代表の力を測るにあたり、不足のない相手である。

いま一番読まれている記事を読む