アーティスティックスイミング英国代表2人がアスリート体形について発信 東京五輪に出場する水泳のアーティスティックスイミング英国代表の女子選手がアスリート体形を揶揄された過去を明かしている。英公共放送「BBC」が「英国チームのスイマー『私たち…

アーティスティックスイミング英国代表2人がアスリート体形について発信

 東京五輪に出場する水泳のアーティスティックスイミング英国代表の女子選手がアスリート体形を揶揄された過去を明かしている。英公共放送「BBC」が「英国チームのスイマー『私たちの小さなお尻と胸を揶揄された』」との記事で報じている。

 取り上げているのは、19歳のケイト・ショートマンと20歳のイジー・ソープの2人。「プロのシンクロナイズドスイマーとしての彼女たちの体によって揶揄され、いじめられた」と過去をクローズアップしている。

 2人は自身の体形について「大きな肩と小さな胸に小さなお尻」と表現するという。記事では「彼女たちの体は10年間の強度の高いトレーニングの賜物だ」と言及。しかし、これまで「男っぽい」「筋肉質すぎる」と言われてきたという。ソープは「スイマーは大きな肩を持つ傾向にあります。私がもっと若かった時、肩を隠す服を着ていました。だぶだぶで(肩の大きさを)気付きにくくする服です」と話したという。

 また「もし、私がソーシャルメディアに写真を載せるとしたら、肩から上のものにするか、目立ちにくくしてネガティブなコメントがつかないようにします」とSNSでも自然と体形が周りの目に触れないように配慮したという。

 一方のショートマンは公共のプールで「体を覆ってもらえませんか?」と言われると明かし、「みんなと同じワンピース型のコスチュームを着ているだけなのに、私たちはアスリート体形によって水着が自然に臀部のより高い位置にフィットするのです」と露出が増えてしまうと吐露。「男性がスピード社の水着を着て歩き回っても良いのに、女性が肌を見せたら露出していると非難されてしまうのはおかしなこと」と疑問の声を上げたという。

「体に対する自信の影響でスポーツをやめる女性や少女を勇気づけたい」

 こうした経験から2人はネガティブなコメントへの対処法と自分の体形を受け入れることを学んだという。

 記事では、ショートマンが「大きなお尻や大きな胸がなくても、私たちはこのスポーツを愛しているからやっている」とラジオ番組で語ったコメントを紹介。「週に40時間トレーニングすれば、自然とそのような(細身の)体にはならないんです」と話し、ソープは「そのスポーツをやるためにスポーツをしているんです。ある特定の体形に見られるためではありません」と付け加えたという。

 記事によると、2人は英国の下着ブランド「ブルーベラ」の水中写真アートのビューティーキャンペーンに参加。これについて、女性が年代を問わず自分自身の体を恥じてほしくないという理念を持って参加しているという。

「揶揄される経験を経て、私たちはより露出度の高い服を着て写真が撮れることに誇りを持っています」と語ったソープ。「身体イメージ(への懸念)は、十分に細身ではないと思っている人にだけでなく、アスリート体形や体の大きな人、小さな人にも当てはまるのです。私たちは現状を誇りに思いますし、自分たちの体に幸せで自信を持っています」と、すべての女性の体にまつわる偏見がなくなることを求めたという。

 記事では「彼女たちは体に対する自信の影響でスポーツをやめる女性や少女たちを勇気づけたいのだ」と指摘。その上でソープは「オリンピックに行くのはとても嬉しいです。私たちの夢でした。そして私たちを止めるものは何もありません」と五輪出場を待ち望んでいることを明かしたという。

 アスリート体形に対する偏見撲滅を訴えた2人。東京五輪は自分たちの体に誇りを持ち、輝きを放つ舞台になる。(THE ANSWER編集部)