世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が試合中にコートで雄叫びを上げている時、実は自分を奮い立たせるだけでなく何かとチ…

世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が試合中にコートで雄叫びを上げている時、実は自分を奮い立たせるだけでなく何かとチャネリング(交信)しているらしい。米経済誌Forbsが報じている。【ドロー表】ジョコビッチ、シャポバロフら出場!ウィンブルドン2021ウィンブルドン街歩き!テニスの聖地を満喫するなら「ウィンブルドン・ヴィレッジ」へ【テニスライター 内田暁 現地コラム】錦織圭1&2回戦 観戦記

ジョコビッチは、セルビアで過ごした幼少期からオオカミと特別な繋がりを感じてきたと言う。そして時々コート上でもそのエネルギーと交信しているのだと語った。「オオカミが自分のスピリチュアルガイドだと思いたいんだ。子供の頃に家の近くの山中で森を走り回っていた時にオオカミを見たことが何度かあって、恐怖も感じたけど、同時に繋がりも感じた。その感覚をずっと持っていて、エネルギーが必要な時に力を得るのを助けてくれる。単なる雄叫びや感情の爆発のこともあるけど、大抵の場合、それは役に立つエネルギーになるんだ」

オオカミはセルビアを代表する三種類の国獣の一つである。だがそれを聞いたテニスレジェンドで今はテニス放映の解説を務めるジョン・マッケンロー(アメリカ)と弟のパトリック・マッケンロー(アメリカ)は、すぐにジョークを飛ばした。「多分それが問題だったんだ。僕らはクイーンズ(ニューヨークの一地区)で育ったから、十分な数のオオカミを見なかったんだよ」

ジョコビッチは1990年代の戦争で荒れたユーゴスラビアで育った。当時、家族は生活が苦しかった。以前の取材でジョコビッチは話している。「10ドイツマルクは約10ドル(約1107円)なんだけど、父が言ったんだ、“これが家にあるお金の全部だ”と。そして父は、これからはこれまで以上に家族が力を出し合って一緒に出口を見つけなくてはならない、と言った。あれは僕の成長過程において、僕の人生で、そして僕ら家族みんなの人生で、一番強烈なインパクトのある瞬間だった」

ジョコビッチはその後祖国を離れてNiki Pilicのテニスアカデミーに入るためにミュンヘンに移っている。12歳の時だった。

彼はキャリアの多くの部分をロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)の陰に隠れた存在として過ごしてきたが、あと一回グランドスラムで優勝したら、メジャー優勝回数が20回となり二人と肩を並べる。彼の賞金獲得額は1億5000万ドル(約166億円)を超え、この先何代もの子孫が安心して過ごすのに十分な額だ。

先月「全仏オープン」で優勝し、オープン化以降で初の各メジャー大会を2回以上優勝した選手となった。そして彼は今年「全豪オープン」と「全仏オープン」で優勝しており、カレンダー・グランドスラム(同年に四大大会すべてを制すること)達成への期待がある。更に今年はゴールデンスラムという記録もかかっている。グランドスラムに加えてオリンピックでの優勝だ。

雄叫びをあげてオオカミと交信しながら、ジョコビッチの快進撃は続くだろうか。

※為替レートは2021年7月7日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのジョコビッチ

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)