昨季10勝を挙げて新人王を獲得した広島東洋の森下暢仁が、ファン投票でセ・リーグ先発投手部門トップとなる15万3836票を集めて自身初のオールスター舞台に向かう。【写真提供:共同通信社】JERAセ・リーグ特設サイトはこちら 1997年8月2…

 昨季10勝を挙げて新人王を獲得した広島東洋の森下暢仁が、ファン投票でセ・リーグ先発投手部門トップとなる15万3836票を集めて自身初のオールスター舞台に向かう。

【写真提供:共同通信社】

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 1997年8月25日生まれの23歳。大分商高3年時に甲子園未出場ながらも侍ジャパンU-18代表に選出され、2015年のU-18W杯に出場。この時点では小笠原慎之介(東海大相模高)、佐藤世那(仙台育英高)といった同世代の投手たちの影に隠れた存在だったが、プロ志望届を出さずに進学した明治大で大きく成長し、3年春から主戦投手として活躍し、4年時には主将&エースとしてチームの大学日本一の原動力になった。そして大学No. 1投手の肩書きとともに2019年のドラフト会議で広島東洋からの単独1位指名を受け、プロ入りした。

 迎えたプロ1年目、開幕から先発ローテーションの一角として登板を続け、味方の援護を欠く試合が多かった中で最終的に18試合に登板して10勝3敗。リーグ2位の防御率1.91に加えて、124奪三振(リーグ3位)、勝率.769(同2位)と各部門で上位に付け、球団では大瀬良大地以来の新人王を受賞した。

 最速156キロで常時140キロ台後半を計測する伸びのあるストレート以外にも、カットボール、チェンジアップ、そして独特の軌道を描くカーブとすべてのボールが一級品で、何より制球力も抜群。“2年目のジンクス”が懸念された今季も、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者として離脱した期間はあったが、7月6日時点で12試合に登板して5勝4敗、防御率2.51と奮闘中だ。

 昨年はオールスターが中止となり、今年は満を持しての自身初の夢舞台になる。「オールスターが開催されるのは、たくさんの人の支えがあってのことだと思うので、そこでしっかりとしたピッチングができたら良いなと思います」と森下。甘いマスクで女性ファンからの人気も高いが、「すごい人たちが集まる試合だと思っているので、いろいろな人と話せたらいいなと思います」と先輩たちから“可愛がられる”存在でもある。

 オールスターの後、東京五輪の侍ジャパンのメンバーにも選ばれた23歳は「オリンピックもオールスターもすごくいい経験だと思うので成長していけたらと思います。ファンの皆さんには全力で投げる姿を見せたいです」と意気込み十分。若き鯉の新エースは、今夏の夢舞台を経て、さらに大きく成長するはずだ。