現地29日に「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)2日目が行われ、初日以上のサプ…
現地29日に「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)2日目が行われ、初日以上のサプライズが起きた。WTA公式サイトなどが報じている。【大会概要】錦織圭やフェデラーも出場!「ウィンブルドン」【実際の映像】セレナ、涙をこらえながらの棄権【実際の投稿】セレナが棄権後に投稿したメッセージ
女子シングルスで第6シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は1回戦で負傷棄権。世界ランキング100位のアリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)にゲームカウント3-1とリードして迎えた第1セット第5ゲーム途中、セレナは芝に足を滑らせてしまい転倒。その後、一旦コートを離れてメディカルタイムアウトを取りつつもプレーを続けたが、3-3と追いつかれて迎えた第7ゲーム途中に棄権した。
観客からの拍手で送り出されたセレナは試合後、「右足を怪我してしまって、棄権しなければならないなんて胸が張り裂けそう」とInstagramにコメントを寄せた。現役選手として同大会最多優勝(7回)を誇り、過去4回はすべて決勝に進出していたセレナが初戦で姿を消したのはこれが初となる。
第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)をはじめ、大会初日から芝に足を滑らせたり転ぶ選手は多々見られたが、この2日目はセレナ以外にも棄権へ追い込まれた選手がいた。第6シードのロジャー・フェデラー(スイス)と対戦していた世界41位のアドリアン・マナリノ(フランス)だ。フェデラー相手に4-6、7-6(3)、6-3、2-6とシーソーゲームを展開していたマナリノは、第5セットが始まった直後に棄権。第4セット途中に芝が原因で右膝を痛めてしまい、手当てをしてもらってプレーを続行していたが、フルセットまで戦い続けることはできなかったようだ。この日が33回目の誕生日だったマナリノにとってはなんとも残念な幕切れとなってしまった。
試合後、フェデラーは「彼がなるべく早くコートに戻ってこられるよう祈っている。彼は今日の試合で勝っていたはずだった。よりいいプレーをしていたからね。僕は運に恵まれたよ」とエールを送った。
第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)は、2週間前の「ATP500 ハレ」で敗れた相手、世界45位のヤン レナード・ストルフ(ドイツ)相手に6-4、6-1、4-6、7-6(3)とリベンジを果たして2回戦進出。また、世界50位のセバスチャン・コルダ(アメリカ)は、2日前にゴルフ選手である姉が初のメジャー優勝を飾ったことに触発されたようで、第15シードのアレックス・デミノー(オーストラリア)を4セットで下している。
第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は、20本のサービスエースを決めて世界124位のタロン・グリークスプア(オランダ)に余裕のストレート勝ち。第10シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)は1回戦からフルセットにもつれ込んだが、世界115位フィリップ・コールシュライバー(ドイツ)との3時間半を超える試合を制した。期待の19歳、ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)は第14シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド)にストレート負け。
第9シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、第22シードのダニエル・エバンズ(イギリス)、第26シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)らも2回戦進出。
日本人では、世界110位の杉田祐一(日本/三菱電機)が、元世界7位のリシャール・ガスケ(フランス)に6-7(4)、6-4、2-6、1-6で敗戦。第1セットをタイブレークの末に落とした後、第2セットでは相手を2度ブレークしてセットカウント1-1としたが、最後は力尽きた。世界83位の土居美咲(日本/ミキハウス)は、世界120位のクレア・リュー(アメリカ)から第1セットを取ったものの、6-2、3-6、7-9と逆転負けを喫している。
女子シングルスで第1シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア)は1回戦で、がんを克服して戻ってきた元世界6位のカルラ・スアレス ナバロ(スペイン)と対戦。フルセットにもつれ込んだ試合にバーティが勝利した後、今季「全米オープン」をもって現役引退することを表明しているスアレス ナバロには多くの拍手が送られ、対戦相手のバーティをはじめとした女子選手のほか、レジェンドのビリー ジーン・キング(アメリカ)や世界王者のジョコビッチもその雄姿を称えた。
スアレス ナバロは試合後、「“ウィンブルドン”から素敵な贈り物をもらったわ。キャリアの終盤に、世界1位のアッシュ(バーティ)を相手に屋根のついたセンターコートで試合ができたことは素晴らしかった。私は今日の大会で最も幸せな選手だと思うわ」と述べている。
同じく今季引退を表明している第17シードのキキ・バーテンズ(オランダ)も1回戦負け。世界70位のマルタ・コスチュク(ウクライナ)に3-6、4-6で敗れた。「ウィンブルドン」を5回制した41歳のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)は、世界160位のミハエラ・ブザネスク(ルーマニア)相手にフルセットの末に勝利。自身90回目となるグランドスラムで大会通算90勝目を飾っている。
そのほかには第8シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)、第13シードのエリース・メルテンス(ベルギー)、全仏覇者で第14シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)、第15シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)、第20シードのココ・ガウフ(アメリカ)、第25シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)らが2回戦へ駒を進めた。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「ウィンブルドン」でのセレナ
(Photo by AELTC/Jed Leicester - Pool/Getty Images)