【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆先週の血統ピックアップ・6/27 宝塚記念(GI・阪神・…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆先週の血統ピックアップ
・6/27 宝塚記念(GI・阪神・芝2200m)
好位を追走したクロノジェネシスが残り100mで先頭に立ち、ユニコーンライオンに2馬身半差をつけて連覇を果たしました。午後にひと雨降ったためパンパンの良馬場ではなく、蹄で少し掘れるような柔らかめの馬場でした。4コーナー手前で後続の馬が押し上げてきたとき、慌てず騒がず先に行かせ、直線でゴーサインを出すとそれらを悠々と追い抜いて楽勝しました。馬の力を信じたルメール騎手の好騎乗だったと思います。
父バゴは凱旋門賞馬で、産駒は総じてスピードの持続力に優れています。詰めの甘さがある一方、それをカバーすることができる荒れ馬場や道悪といった条件を得意としています。クロノジェネシスがこれまでに勝ったGIはいずれも消耗戦で、自身が計時した上がり3ハロンは秋華賞が36秒1、昨年の宝塚記念が36秒3。有馬記念が36秒2。今回は少し雨の影響があったとはいえ34秒4と、これまでとは明らかに異なっていました。それでも楽勝したので、ここでは一枚も二枚も上だったということです。
レース後、サンデーレーシングの吉田俊介代表が凱旋門賞挑戦を表明。父が勝った舞台だけに大いに期待したいところです。
・6/27 新馬戦(阪神・芝1800m)
レース前にテーオーコンドルが放馬し、ローマンネイチャーの後ろから乗りかかるアクシデント。急襲されたローマンネイチャーは尻っぱねをして反撃しましたが、精神的動揺はあったはずで、レースでは4着と敗れました。何もなければもっと上の着順が見込めたはずなのでかわいそうな結果でした。1番人気に応えて勝ったレッドベルアームは、福永騎手が「兄弟の中で一番良い馬です」(ラジオNIKKEI競馬実況web)と語りました。
レッドベルジュール(デイリー杯2歳S)、レッドベルオーブ(デイリー杯2歳S)、レッドベルローズ(フェアリーS-3着)、レッドベルディエス(クイーンC-5着)と比較した上での発言ですから、GI級と語ったに等しいでしょう。「ハーツクライ×アンブライドルズソング」の組み合わせは、スワーヴリチャード(ジャパンC、大阪杯)をはじめコンスタントに活躍馬が出ているニックスです。クラシック路線に乗ってきそうです。
(文=栗山求)