巨人のジャスティン・スモーク内野手が24日、NPBより自由契約選手として公示された。新型コロナウイルスの変異株流行など…

 巨人のジャスティン・スモーク内野手が24日、NPBより自由契約選手として公示された。新型コロナウイルスの変異株流行などを受けて、政府は外国人の新規入国を原則的に停止している。スモークら選手は「アスリートトラック」という特例で3月下旬から来日が可能となったが、これらの特例は家族にまでは適用されなかった。家族たちのビザ発給が当面は絶望的なことから、スモーク本人が家族との時間を優先することを決断。球団との話し合いの末に、両者納得する形で退団することが決まったという。

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 メジャー通算196本塁打の強打の両打ち選手として期待を背負っていた。来日が遅れて1軍デビューは4月下旬となったが、34試合に出場して31安打の打率・272、7本塁打、14打点と上々の滑り出し。日本の野球にも適応し始めて、これからというところだった。巨人は同じく期待の新外国人野手であるエリック・テームズ外野手が、デビュー戦の守備で右アキレス腱を断裂して今季中の復帰は絶望的に。何とも手痛い両助っ人の離脱となってしまった。

 ただ、コロナ禍による外国人の離脱問題は巨人だけのものではない。

 楽天がセットアッパー候補として獲得したアダム・コンリー投手は、家族での来日を強く希望してチームになかなか合流できず。米国に残り日本の統一球を手にして調整を続けてきたが、スモーク同様に家族のビザ発給の目途が立たなかった。やはり球団との話し合いの末に、5月6日に契約解除で合意。来日することなく退団した。

 チームの1軍布陣は抑えの松井裕樹を除けば、中継ぎ投手陣に左投げがいない。貴重な救援左腕を失った影響は大きい。家族との時間を優先して米国に残ったコンリーは、その後にレイズとマイナー契約を結んだ。メジャー昇格はまだだが、傘下3Aダーラムで12試合に投げ、0勝0敗1セーブ、防御率2・51と好成績をマークしている。

 オリックスで来日9年目を迎えるはずだったブランドン・ディクソン投手も同様の理由で退団した。NPBでは通算215試合に登板。49勝58敗34セーブ、防御率3・32とコンスタントに1軍で投げ続けた。先発だけでなく、ここ2年間はリリーフに回って抑えも務めた。

 ディクソンは今季もシーズン通して1軍でプレーすれば、FA権を取得できる可能性があった。そうなれば2022年シーズン以降は外国人選手の登録枠を外れる。日本を愛し、ファンからも愛された存在だけに、球団の構想としては二重の打撃ともいえた。

 米国に残ったディクソンは、5月末から行われた東京五輪の米大陸予選に米国代表として出場。五輪出場切符獲得に貢献した。6月18日にはカージナルスとマイナー契約を結び、プロの現場に復帰。東京五輪本大会での米国代表入りの可能性が高く、侍ジャパンの強敵として来日が叶うようなら皮肉なことこの上ない。

 米国では日本以上に家族を大切にする文化が根付いている。日本への単身赴任、という選択は有り得ないというのが彼らの原点となっている。

 来日している新外国人選手ら助っ人勢の多くは、母国に家族を残して歯を食いしばっている。だが、ウイルスによる分断が解ける気配は一向にない。今季中の家族の来日は依然として厳しい状況で、シーズンが進んだ上でも途中退団、途中帰国を主張する新たな助っ人が出てこないとも限らない。特に優勝争いや、プレーオフ進出争いから早々に脱落してしまうようなチームでは、助っ人たちもプレーするモチベーションを見失うこともあるだろう。第4、第5の離脱者がいつ生まれてもおかしくない状況と言えそうだ。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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