「侍ジャパン」の菅野智之投手(巨人)が27日、日本代表合流後初めてブルペン入りし、全球種を交えて60球を投げ込んだ。3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でエースとして期待される右腕は、3月1日の壮行試合・台湾選抜戦(ヤフ…

「侍ジャパン」の菅野智之投手(巨人)が27日、日本代表合流後初めてブルペン入りし、全球種を交えて60球を投げ込んだ。3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でエースとして期待される右腕は、3月1日の壮行試合・台湾選抜戦(ヤフオクドーム)に登板予定。WBCでは8日の1次ラウンド第2戦・オーストラリア戦(東京ドーム)での先発が濃厚だが、今後詰めていく部分は「ないですね」と言い切った。エースは本番へ向けてすでに準備万端だ。

■3月1日に先発へ侍で初ブルペン入り、本番へ向けて万全「(やることは)ないですね」

「侍ジャパン」の菅野智之投手(巨人)が27日、日本代表合流後初めてブルペン入りし、全球種を交えて60球を投げ込んだ。3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でエースとして期待される右腕は、3月1日の壮行試合・台湾選抜戦(ヤフオクドーム)に登板予定。WBCでは8日の1次ラウンド第2戦・オーストラリア戦(東京ドーム)での先発が濃厚だが、今後詰めていく部分は「ないですね」と言い切った。エースは本番へ向けてすでに準備万端だ。

 菅野は22日の楽天戦で3イニングを投げてから侍ジャパンに合流。シーズン中と同じ調整を貫くために、23日からの4日間の強化合宿で投球練習を行っていなかった。そして、移動日の27日に実現した侍としての初ブルペンで、圧巻の投球を見せた。

 直球を4球、カーブを2球投じると、その後は村田善則バッテリーコーチに打席に入ってもらい、投球を続けた。途中からセットポジションも交え、ワンシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップ、フォーク、カットボールを正確なコントロールで投げ込んでいった。「やってきたことを継続してやっただけなので、変えることなく今まで通りやってきたことをやりました」。圧巻の60球だった。

 本番へ向けて、「今後詰めていきたい部分は?」と問われると、本人は「ないですね」と断言。「実戦に入ったら『もうちょっとこうしなきゃ』とか、『あれやっておけばよかったな』というのは許されないと思う。そのためにキャンプである程度球数も投げて、もっとさかのぼると自主トレからやってきたので、もうそういうことは言ってられない。しっかりやってきたものを試合で出すだけだと思ってます」。風格を漂わせ、言葉を並べた。

■権藤コーチも脱帽「一言、モノが違う」

 この日は、普段とは違うブルペンキャッチャーが相手だったこともあり、コースを細かく指定する場面も多く見られた。「今年はよりコースを意識してやっているので、投げる前に確認すればよかったんですけど。ちょっと構えているところが甘いなと思ったので、その都度指摘しました」。本人はこう話したが、滑るとされるWBC球対策のため、頻繁に新しいボールを手渡しながら投球を見守った権藤博投手コーチは、以下のように指摘する。

「完璧主義者みたいだね。打たれてもいいってタイプじゃないから球数が多くなる。去年も球数が多かっただろ。あれじゃファウル、ファウルで多くなる。(ボールが)よう動く。カットボール、スライダーでも。カットボールはより動く。曲がりすぎてボールになったらもったいないな」

 特に、WBCの1次ラウンドは65球数制限があるだけに「3回までだからな。投手は先発だったら9回まで投げたろって思うもの。でも、メーターがカチッカチッって上がったら、もう3回で終わっちゃう。(球数が多かった)シーズン中の教訓を生かすためにも、アバウトでいかないと」と言う。もっとも、投球自体には脱帽の様子で「(今年)初めて見た。(去年の)11月も投げなかったから。一言、モノが違う。あれだけ球が来たら(前に)飛ばんよ」と絶賛の言葉を並べた。

 菅野は、権藤コーチがコースを狙いすぎていると話していることについて「自分も言われたんですけど、僕も今までやってきたものがあるので」と笑みを交えて言及。そして、「権藤さんは『そのくらいの気持ちで良いんだよ』ってことを多分おっしゃってると思うので、そういう教えというか、去年の段階からそういう風に僕に助言してくださったので、いざという時に役立つと思います。腹をくくれる」と続けた。助言を投球に生かしていくつもりだが、今後も突き詰めていく部分に変わりはない。

 打席に立った村田コーチも「(チェンジアップやカーブなど)奥行きのある球。いい球が来ていた。直球、スライダーは操れている」と称賛。本人は1日の壮行試合に向けて「しっかり0点に抑えるという部分と球数を極力少なく抑えてやっていくのが一番いいかなと思います」と抱負を語った。

 侍ジャパンを世界一に導くため、より高いレベルの投球を求めて――。日本のエースが最後の仕上げに入る。