陸上・日本選手権が24日開幕 東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が24日から4日間、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる。史上最もハイレベルな争いが期待される男子100メートルの主な選手5人が会見。…
陸上・日本選手権が24日開幕
東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が24日から4日間、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる。史上最もハイレベルな争いが期待される男子100メートルの主な選手5人が会見。それぞれが明かした様々な心境を紹介する。予選、準決勝は24日、決勝は25日。
6日に9秒95の日本新記録を樹立した山縣亮太(セイコー)、9秒97の前日本記録保持者サニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)、自己ベスト9秒98の桐生祥秀(日本生命)と小池祐貴、同10秒01の多田修平(ともに住友電工)、同10秒03のケンブリッジ飛鳥(NIKE)が名を連ねた。
参加標準記録10秒05を切った上で今大会3位以内に入れば内定。すでに山縣、サニブラウン、桐生、小池、多田の5選手が同記録を突破済みのため、3位以内で即内定する。ケンブリッジは昨年8月に自己ベスト10秒03をマークしたが、世界陸連の定めた対象期間外。今大会で再び切った上で3位以内に入らなければならない。
“激アツ”の男子100メートル。気持ちが高ぶらせたり、冷静さを貫いたり、選手たちは千差万別の想いを語った。
山縣「一発勝負で全てが決まるので凄い緊張感を持っています。凄く不安な気持ちとワクワクした気持ちと複雑です。日本選手権に向けた課題として、もっとこう走りたいというのが布勢スプリントの直後からあった。記録を出したのは嬉しかったけど、気持ちの面では特に(燃え尽きることは)なかったですね。
勝負を分けるポイントは自分のレースができるかどうか。一本、最後に全力でいく気持ちがあれば行けると思います。(日本記録保持者になっても)チャレンジャーであることに変わりはない。調子はその日で変わるので、今の自分にとって必要な技術、課題がいつも同じと限らない。大舞台であろうが、小さい試合だろうが、今の自分の状態と向き合って適切な課題を探して一つ一つクリアしていくことだと思います」
桐生「明日は予選、準決勝があるので、鳥取(布勢スプリント)で感じた走りを確認するためにもしっかり走りたいと思います。(右アキレス腱痛は)完全には治っていない状況。痛みをとることだけを最優先にやってきました。走り込みはできていない状態ですけど、とりあえず明日、明後日の3本をやって、しっかりと結果を残していきたい。
走りに関しては技術が上がっているので、どんな状況でも同じようなタイムで走れるようになっている。そこでベストに繋がる走りをしていこうと思います。リオ五輪前の日本選手権をどのような気持ちで臨んだか覚えていないけど、明日もいつも通り緊張してそこから準決勝、決勝があると思います。(山縣が日本記録を出したが)明日からその選手と戦う。それに関することについては、今は答えたくないです」
小池「しっかり調子も上がってきている。出る以上は優勝を目指して頑張ろうと思います。感覚的なところですが、ウェートトレーニングの重量をかなり重くしてきた。2、3回ギリギリ上がるほぼMAXの重さ。走りの感覚を全体的に見直しました。100メートルは自分の感覚的に納得するレースがここ2年くらい1本もない。自己採点的な意味合いで大事に走ろうと思います。200メートルのことは100メートルが終わった後に考えます(笑)」
ケンブリッジ「僕は記録も狙わないと」、多田「3、4日前から緊張で眠れない」
多田「布勢スプリント以降、凄く調子も上がっている。布勢で4年ぶりの自己ベスト10秒01で走れたのでこの勢いで走れたらいいなと思います。(2016年リオ五輪前の日本選手権では)準決勝は最下位で落ちた。まだまだ雲の上の存在だと思って見ていました。3、4日前から緊張で眠れない日々を過ごしています(笑)。緊張感を前向きに捉えてパワーに変えたい。3、4日前からというのはあまりないけど、前日に寝れない時は多いです。
自分のレースに集中することが大事。自分のレーンを見ながら走れたら。試合を重ねて後半の力感も減ってきたし、その経験が日本選手権では出せるのかなと思います。決勝が誕生日だったら嬉しいけど、予選、準決勝が25歳の誕生日。五輪切符を獲得して最高の誕生日プレゼントにしたいです」
ケンブリッジ「僕は明日、標準記録を切って勝たないといけない。予選、準決勝、決勝としっかりタイムを上げていきたいと思います。決勝に合わせていく気持ちは強いけど、記録も狙わないといけないので、予選、準決勝も狙っていきたい。手応えは試合の中でここまで掴めていないけど、最近は状態が良くなっているので狙えると思っています。
6月6日の布勢スプリントは自分の中でも状態が良くなくて、前半から走り急いでいた。自分の走りではなかったので、ここまで感覚のズレをできるだけなくすようにやってきた。(今季は左太腿裏の違和感を抱えたが)もう取れてきている。痛みは布勢スプリントからなくなっています。うまく伸びない、力の入らない感覚が長い間あったけど、練習でも手応えがあるので明日は思い切りやるだけ。不安はあるけど、ずっと不安を抱えても意味がない。明日は勝ちに行きたいと思います。
(優勝してリオ五輪出場を決めた2016年と比べ)緊張感は変わらない。ここで決めないとその先がない。5年前と今も心境は変わらないですね。(2016年は)本当に大事なところで結果を出したのは『今回もやれるぞ』という前向きな気持ちをくれる。経験は今も生きていると思います。いい走りをしているイメージを固めていく。不安なことはあまり考えないようにしている」(THE ANSWER編集部)