2020-21シーズンが終了したが、フットボールの世界で休む暇は与えらない。夏の移籍市場が、すぐそこに迫っている。 今…

 2020-21シーズンが終了したが、フットボールの世界で休む暇は与えらない。夏の移籍市場が、すぐそこに迫っている。

 今夏、補強を必要としているクラブのひとつが、バルセロナだ。

■ガルシア帰還は大きいが…

 バルセロナはセルヒオ・アグエロ、エリック・ガルシア、エメルソン・ロヤル、メンフィス・デパイの4選手をすでに獲得している。

 E・ガルシアとエメルソンに関しては、守備陣に補強の必要性が生じていた。ジェラール・ピケとクレメント・ラングレという数年にわたりバルセロナの最終ラインを支えてきた選手が不在の際、クーマン監督はロナウド・アラウホとオスカル・ミンゲサらカンテラーノ(下部組織出身選手)を起用しなければいけなかった。

 バルセロナのカンテラで育ち、ジュニアユースの年代でマンチェスター・シティに移籍したE・ガルシアを、このタイミングでフリートランスファーで呼び戻せるというのは、バルセロナとしては大きな機会だった。

 エメルソンは、2019年1月にブラジルのアトレティコ・ミネイロから欧州に移籍した際に、バルセロナとベティスが保有権を分け合う形で取引を行っていた。2021年夏に、エメルソンを買い取ることができるオプションが付けられていた。それを行使して、最終ラインの整備を整えている。

 デパイについては、クーマン監督が獲得を要望していた。クーマン監督は、オランダ代表で指揮を執っていた時にデパイを重宝していた。オランダ代表でデパイは、クーマン監督に起用された18試合で、11得点12アシストと結果を残している。

■今夏の補強の疑問点とミス

 疑問符がつくのは、アグエロの獲得だ。無論、マンチェスター・シティとの契約が満了を迎え、フリートランスファーで移籍が可能だったアグエロの獲得は、マーケットにおいては良いチャンスだった。だが、昨年夏に33歳のスアレスを放出して、この夏に33歳のアグエロを獲得していては、矛盾を指摘されても致し方ない。政権が代わったばかりとはいえ、そこには「未来展望」がないようにみえる。

 また、バルセロナは以前から関心を寄せていた選手を逃している。ジョルジニオ・ワイナルドゥムだ。リバプールユルゲン・クロップ監督の指導を受けていたワイナルドゥムは、契約満了を迎えてこの夏にフリーになっていた。

 ロナルド・クーマン監督は、ワイナルドゥムの獲得を望んでいた。クラブとしては続投が決定した指揮官の要望をかなえたかったが、そこにパリ・サンジェルマンが現れた。これまでの倍となる年俸を提示されたワイナルドゥムは、パリ行きを決めた。欲した選手を逃すのみならず、今季のチャンピオンズリーグ・ラウンド16で敗れた相手に、またも星を献上してしまった格好だ。やはり、バルセロナの補強が成功しているとは言い難い。

■今月末で切れるメッシの契約は?

 バルセロナには、大きな課題が残されている。メッシとの契約延長だ。

 メッシとバルセロナの現行契約は2021年6月末までとなっている。つまり、あと数週間で、メッシは完全にフリーの選手になる。マンチェスター・シティ、PSGといった資金潤沢なクラブがメッシの状況を注視している。

「メッシの契約延長に関しては、順調に進んでいる。しかし、まだ決まってはいない。これは金銭の問題ではない。我々には(新型コロナウィルスの影響で)財政面のリミットがあるとはいえ、彼もそれは理解してくれている。だが、メッシはタイトルが獲得できるような競争力のあるチームを求めているんだ」

 こう語ったジョアン・ラポルタ会長は、「メッシを満足させるための補強は行っていない」と付け加えてはいる。ただし、メッシを残留させるためにも、チームがさらに強くなるためにも、良い補強を敢行しなければならないことは確かだ。

 なにより現在のバルセロナが必要としているのは、補強における将来的なプランだ。そのプランが見えない限り、メッシの残留が確実とは言い切れない。もしも、このような先の見えない状況が続けば、バルセロナが欧州のトップ・オブ・トップに返り咲くことは難しいだろう。

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