昨年も全日本学生王座決定戦(王座)に出場した中村美優主将(スポ4=北海道・旭川北)と高木陽菜(スポ4=国際基督教大高)…

 昨年も全日本学生王座決定戦(王座)に出場した中村美優主将(スポ4=北海道・旭川北)と高木陽菜(スポ4=国際基督教大高)。出場したからこその悔しさや、今年にかける思いも大きい。今年は最上級生としてチームをまとめ、引っ張ってきた。最後の王座へと挑む2人の意気込みを伺った。

※この取材は6月12日にオンラインで行われたものです。

「日頃からコミュニケーションは大切にしている」(中村)


昨年の全日本学生個人選手権決勝で弓を構える中村主将。中村はこの大会で2位入賞した

――日常でのお互いの雰囲気やイメージを教えてください

中村 高木はいつもフワフワだなというイメージです。いつも、ニコニコして穏やかで本当にフワフワした女の子というイメージです。

高木 美優は、最初はフワフワしていたり緩い感じの子だったりと思っていたのですが、4年生になって女子主将としてしっかりと仕事をしていたり、チームのことを考えて練習を組んだりと今はしっかり者な印象です。

――チームの雰囲気を教えてください

中村 王座まで時間が無い中で、王座メンバーも含めての練習が今日明日で最後だったので、コロナ禍で有声練習があまりできておらず後輩に見せるためにも、お願いして声を出して練習しました。雰囲気良く楽しく練習できているのではないかと思っています。

――昨年の王座から今までを振り返ってください

中村 去年の王座は9月の開催でしたが、そこから1年弱経ちもう最後の王座なのか、早いなと思っています。制限されている中でも早慶戦、全日インドア(全日本室内選手権)などいろいろ試合をやらせてもらって、春練をこなしていく中でチームの絆や雰囲気は良い方向にまとまっていると思っていて、最後の王座はこのまま楽しんで終われたらなと思っています。

高木 昨年の王座は準優勝とあと一歩のところで負けてしまったので、みんな次なら王座制覇できるという期待を持って取り組んでいたと思います。自分自身に関しては王座の後、自己ベストを更新できて、大きな大会にも出られるようになったので、自信につながって、次の王座頑張ろうという気持ちになっています。

――最上級生としてチームを引っ張るために意識したことはありますか

中村 今年もスポ推で園田稚(スポ1=東京・足立新田)が入ってきてくれて戦力としても強い子だし、他の子もたくさん入ってきてくれてコミュニケーションが取れているので、私が何かをしたから良いチームになっているわけではないと思います。自分の点数や行動で示していけたらと思っているので、何をしたと言われると難しいですが、日頃からコミュニケーションは大切にしています。

高木 具体的には言えないのですが、私の方が後輩に助けられている面も多いので、その分後輩に話しかけて仲を深めて、悩み事を相談できる関係になっていたらうれしいなと思います(笑)。

――一つ上の代を参考にしたり変えたりしたことはありますか

高木 ルールを変えたりはしていないですが、思ったことを言いやすい環境にはなっていると思います。

中村 練習の中でレクリエーション要素を入れて、コミュニケーションを取りやすいようにいろいろなことにチャレンジしてきたかなと思います。

――上級生が引っ張るというよりはコミュニケーションが取れる雰囲気を目指してきたのですか

中村 主将ですが引っ張っている自覚がなかったので、いろいろな人の意見を聞きながらやりやすい環境をつくろうと思っていました。

高木 美優自身はそう言っていますが、私は引っ張っていると思っています。明治大学との練習試合で美優がいなかったのですが、その時に波に乗れない感じがありました。女子チームらしさの雰囲気をつくっているのは美優なのかなと思います。

――技術面、精神面のどちらで引っ張っているように見えるのでしょうか

高木 もちろん点数で引っ張っているという面もあるのですが、どちらかというとみんなが話しかけやすい存在だと思うので、美優がいれば相談できるし、その人が上手だと安心できるので競技面でも精神面でも支えられているのかなと思っています。

――高木選手は後輩に助けられているとおっしゃっていましたが、どのような点で感じていますか

高木 髙見愛佳(スポ2、東京・足立新田)は弓の知識があるのでチューニングを見てくれて、フォームも確認してくれるので安心できます。園田稚も圧倒的な点数を出してくれるので、安心して試合に臨めます。

――主将から見た髙見選手、園田選手のイメージを教えてください

中村 愛佳はいつも一緒にいるので難しいですけど、いつも元気が良くて場の雰囲気を作ったり勢いを与えてくれたりしています。私は主将としてみんなを引っ張りたいと思っていますが、愛佳に支えられている部分は大きく、去年も出場して今年も頼もしい選手の一員だなと思っています。あと、よく話してとても楽しい子です。稚は日本で数番手を争う選手なので、早稲田に来てくれて本当に頼もしい存在だなと思っています。かわいい子で天然で、話していて楽しいので、王座で少しでも長く一緒に戦いたいと思っています。

「適度に緊張感を感じて臨みたい」(高木)


昨年の王座予選で行射する高木

――今のご自身の状態を教えてください

中村 リーグ戦(関東学生リーグ戦)を自己ベストタイの記録で終えてから1カ月くらい調整してきたのですが、まだ自分のミスがあって完璧じゃないと思っているので、王座に向けてギアを上げたいと思っています。団体練習の中で自分がどう射てばいいのか、チームとしてもっとこうした方がいいなということが見えたので、1週間で仕上げて王座では万全な状態で射ちたいです。

高木 昨年の王座の後、一度とても調子が良い時期が来て、一回下がりそれを乗り越えて少しずつ上がってきています。でも完全に上がりきってはいないので、1週間で調整して頂上で王座を迎えたいです。自分自身の感覚としては、自分のタイミングで射てれば当たることは分かっていて、下手に考えずに射てば良いので、自分がやってきたことを信じて王座でも射てるように、射が自分のものになるように練習したいです。

――チームの状態はどうですか

中村 リーグ戦後は選考を重ねて、先週メンバーが決まり最後の勝負だと思って調整をしています。男子が出場できないからといって別のチームのようになっているわけではなく、例えば団体練習では男子に付き合ってもらい、女子の中でもいろんな人とやっているので、チームとしての雰囲気は良くなっていると思います。

高木 リーグ戦で関東優勝できたので、チームとしてはベストな状態で臨むことができるかなと思います。関東では1番という自信につながり、個人の点数を見ても風がある中でとても良い点数を出せていたと思うので、この雰囲気のまま王座を迎えたいです。

――リーグ戦で男子が王座に行けないことを知ってどう思いましたか

中村 私は早い段階で結果を聞いていて、早稲田が自信を持って送り出したメンバーを信じていたので、まずはショックが大きかったです。60代としても王座制覇を目標にしてきたので、途中で夢が半分終わったという気持ちが大きく、でもその分女子は頑張ろうと思っていました。

高木 男子が王座に出場できないことを知った時、すごく驚きました。みんなそうだと思うのですが、なんだかんだ王座には行けると思っていたのでびっくりしました。その分、女子は関東で優勝して王座に向けて弾みをつけないとなと思うようになりました。

――王座の選考を振り返ってください

中村 とてもドキドキしました。最後まで分からない選考だったと思っていて、1回目は足が震えるくらい緊張しました(笑)。 緊張しているメンバーは多かったなと感じていて、実力を出せないメンバーもいたと思うのですが、繰り返す中で点数も安定していて、選手になれた人もなれなかった人も自分の現状を見つめ直して次に繋がる選考だったと思います。

高木 私は緊張しませんでした。3年生まではとても緊張して周りと点数を比べてしまっていたのですが、今回は3年間の選考を通して人と比べずに自分ができることをしようと考えて臨めたので、あまり緊張しなかったのかなと思います。全体の雰囲気としてはみんな緊張していたのが伝わってきて、1日目は美優と一緒だったのですが美優でさえ緊張するのだと意外に思って、その中でもみんな自分のベストを出せていて来年に繋がる選考だったと思います。

――どのようなところで中村選手の緊張を感じましたか

高木 普段しないようなミスをしていたので緊張していたのかなと思いました。でも、それを言ったらもっと緊張するかなと思ったので普通に接していました(笑)。

――試合では緊張しますか

中村 いつもは緊張しないです(笑)。 前にいつかのリーグ戦で緊張したこともあったのですが、急に緊張する時が来ます。たくさんの期待を背負って4年生最後の王座で今年こそという思いもあり、少し緊張したかなと感じています。

高木 私もあまり緊張しないタイプです。逆にちょっと緊張した方が当たると思っているので、王座はみんなの期待を背負って適度に緊張感を感じて臨みたいです。

――直近で緊張した試合はありますか

中村 全日インドアは、最初は当たりすぎて逆に緊張しました(笑)。

高木 この試合だから緊張するということはなく、どちらかと言うと、例えば620点という目標を決めたときの最後の1エンドは何点を出さないといけないのかと考えるので緊張します。

――王座メンバーの強みは何ですか

中村 まだメンバー4人で団体の練習ができていなくて、これから詰めていこうと思っています。作戦会議とかはできていないのですが、あまり緊張しすぎず落ち着いて周りのために動けたり、応援されて頑張れるチームの雰囲気を大事にしたりということが強みだと思います。

高木 とても仲が良く和気あいあいとしています。私も美優も厳しい先輩ではないので、どちらかというと友達としてやっています。

――王座を控えた心境を教えてください

中村 一番はもう王座かというのが大きいです。自分自身で早稲田が日本一だと証明できるのは最後で、良いメンバーがそろっていると思うので楽しみなところもありつつ、緊張もしつつという感じです。

高木 あっという間だったなという気持ちが一番大きいです。4年間でOB、OGのみなさんであったり、早稲田だけじゃなく高校から応援してくれている先生、同期、家族だったりとたくさんの人に応援されているので楽しみな半面、すごく責任感のある試合だなと思います。応援してくれているみんなの思いに応えないといけないなと思っていて、そのためにも残り1週間、本番も自分のできることを最大限やらないといけないという気持ちです。

――ライバルや意識している大学、選手はありますか

中村 どこの大学にも勝ちたいので、ここがライバルだと思って臨んでいるわけではないですが、2年間同志社大学に負け続けているのでそこは頑張りたいです。

高木 同志社にはもちろん勝ちたいですし、トーナメントで戦う大学には全部勝って優勝したいです。

――最後に意気込みを教えてください

中村3年間悔しい思いをしてきていて毎年、来年は王座制覇するぞと思っていたので、最後となる今年、絶対に優勝して周りで支えてくれた方々に恩返しや感謝の気持ちを伝えたいです。自分の力を使い切っても良いと思っているので出し切って頑張りたいです。

高木 たくさん応援してくれている方々の期待に応えて恩返しできるように、自分の力を最大限発揮して早稲田が王座制覇できるように頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 森山裕介、朝岡里奈)

◆中村美優(なかむら・みゆ)

1999(平11)年11月17日生まれ。北海道・旭川北高出身。スポーツ科学部4年。最近は就活に行ったら絶対にスタバを飲むと決めているという中村選手。フラペチーノが大好きで、新作のイチゴのフラペチーノがお気に入りだそうです!

◆高木陽菜(たかぎ・はるな)

2000(平12年)2月9日生まれ。東京・国際基督教大高出身。スポーツ科学部4年。時間があるときは、部活の同期や後輩とApexやAmong Usといったゲームを楽しんでいるという高木選手。「穏やかでフワフワ」しているイメージとは違う一面を見せてくれました!