■6月2日/J1第21節 横浜FC0ー2川崎フロンターレ(ニッパツ) 横浜FCに完封勝利を収めた川崎フロンターレが、中断…
■6月2日/J1第21節 横浜FC0ー2川崎フロンターレ(ニッパツ)
横浜FCに完封勝利を収めた川崎フロンターレが、中断前のリーグ21戦を無敗で折り返した!
A代表とU24代表に5人の選手が招集されたが、代わりに出た選手がアウェイで躍動。複数得点を奪ったうえに、初出場のDFイサカ・ゼインが入った最終ラインも危なげなく完封してみせた。21試合を終えて17勝4分0敗の独走態勢はまだまだ続きそうだ。
この試合の注目のポイントの一つは、誰がメンバー入りするかだった。というのも、日本代表にキャプテンのDF谷口彰悟、不動の右サイドバック・山根視来の2人を、U24代表に三笘薫、田中碧、旗手怜央の3人を送り出したためだ。特に、山根はここまで全試合フル出場。運動量の多いポジションでのこの記録は、鬼木達監督の信頼とともに、川崎に不可欠な存在であることを示していた。
その右サイドバックに入ったのは、イサカ・ゼインだ。ガーナ人の父親と日本人の母親を持つ24歳は、昨年、川崎に加入した。三笘や旗手と同期の大卒ルーキーながら、昨年はリーグ戦の出場機会はゼロ。この試合がデビュー戦となった。最終ラインの他のメンバーは、ジェジエウと車屋紳太郎が中央に君臨し、左サイドバックは腕にキャプテンマークを巻いた登里享平。中盤3枚は、ジョアン・シミッチ、脇坂泰斗、橘田健人の3人。3トップは、小林悠、家長昭博、長谷川竜也だ。
■表面化しなかった不安
5人抜けたものの、スターティングメンバーにはある程度、なじみのあるメンバーが並んだ川崎は、序盤からボールを支配する。特に、キャプテンマークを巻いた登里がいる左サイドから細かくパスをつなぎ、敵陣深くまで押し込んだ。車屋も左に重心を置き、家長も左に流れるなど、早川知伸監督に「右サイドの守備がなかなか改善できなかった」と言わしめたほどだ。
15分には左ウイングに入った長谷川竜也がうまく抜け出して今季初ゴールを奪ったかに見えたが、VARの結果、オフサイドでノーゴール判定。それでも39分、バタつく横浜FCの守備陣がクリアし損ねたボールを、小林悠が見事にゴールに結実。前節・鹿島戦で劇的な決勝弾を生んだ11番が、この試合でもストライカーの嗅覚を見せつけた。
後半に入ると横浜FCがやや盛り返したかに見えたが、67分にまたしても小林がゴール。これも長谷川の左からのクロスを11番が豪快に押し込んだものだ。ホームスタジアムで意地を見せようとした青いユニフォームにとどめを刺した。
攻守で圧倒した川崎は、代表勢5人が抜けた穴を一切感じさせない試合ぶりだった。その立役者は、家長だ。2得点を奪った小林の活躍はもちろんだが、川崎はいつも通りの試合を展開してみせた。パスワーク、守備強度、チャンスメイクなど、田中碧や三笘薫が抜けたことで不安視された部分もあったが、この90分間では一切表面化しなかった。
■0得点0アシストの殊勲
川崎を川崎たらしめている41番は、まさしく“川崎の玉”だ。ユラユラとプレーしているように見える家長の戦術眼は、川崎のパスワークの根源。その動きに相手選手が寄せられ、相手チームはスペースを与えてしまう。そこを、家長も周囲の川崎の選手も見逃さない。
横浜FCが右サイドを押し込まれてなんとか改善しようとしている中で、家長に注目しすぎてポッカリスペースを空けてしまい、登里にうまく使われてしまった前半のシーンはその典型例だ。三笘が魅せる飛車のような推進力がなくても、田中や旗手が魅せる角のような神出鬼没さがなくても、玉・家長がいればチームは機能する。
この試合で家長は0得点0アシスト。しかし、その働きは随一だ。鬼木監督は出場機会の少ない選手を徐々にピッチに出していったが、家長をベンチに下げることはなかった。そうした選手に、41番のリズムを覚えさせるようにも見えた。
中盤で途中からピッチに立ったのは、小塚和季と塚川孝輝。小塚は大分から、塚川は松本から今季加入した選手だが、ここまで出場機会はほとんどない。この試合でも、先発の座を譲ったのは同じく今季加入したルーキーの橘田健人だった。5人が抜けたことでいくつかの“序列”が明らかになったのである。