「ドラマホリック!『DIVE!!』」出演・馬場ふみか インタビュー【前編】『DIVE!!』で飛び込みの敏腕コーチ役を演じる馬場ふみかさん ©2021森絵都・角川文庫刊/ドラマ「DIVE!!」製作委員会、田口沙織撮影高さ10mから時速60km…

「ドラマホリック!『DIVE!!』」出演・馬場ふみか インタビュー【前編】


『DIVE!!』で飛び込みの敏腕コーチ役を演じる馬場ふみかさん ©2021森絵都・角川文庫刊/ドラマ

「DIVE!!」製作委員会、田口沙織撮影

高さ10mから時速60kmで降下し、着水までの空中演技の技術や入水の美しさを競う競泳「飛び込み」。この競技を題材としたドラマ『DIVE!!』(テレビ東京ほか、毎週水曜24時〜)は、オリンピックを目指す高校生たちが葛藤に向き合い、壁を乗り越えて成長していく姿を描いた"スポ根"青春物語だ。

作品の中で、高校生たちを指導する敏腕コーチ・麻木夏陽子を演じるのが、女優やファッション誌『non-no』モデルとして活躍する馬場ふみかさん。インタビュー前編では、役作りのこだわりや撮影時のエピソードなどについて聞いた。

ーーコーチ役として出演が決まった時の気持ちを聞かせてください。

馬場ふみか(以下、馬場) これまでコーチ役の経験がなかったので驚きました。同時に、自分が大人の役を演じる年齢になったんだなとしみじみ思いました(笑)。これまでの作品では生徒だったり、社会人の新人だったりが多かったので、コーチ役を演じる年齢になったのか、と。でも、新しい挑戦であり、飛び込みというスポーツに出会えるすばらしい機会でもあったので、とても楽しみでした。

ーードラマではクールで厳しい"鬼コーチ"を演じていますが、役作りで気をつけていることはありますか?

馬場 単に厳しくて怖い人にはならないように気をつけています。麻木コーチの指導は確かにかなり厳しいですが、その裏には生徒たちに対する愛があるので、そういう部分がしっかり見えるように意識していますね。


ドラマでは、クールな

「鬼コーチ」を演じた ©2021森絵都・角川文庫刊/ドラマ「DIVE!!」製作委員会、田口沙織撮影

ーー大東駿介さん演じる小宮静人コーチにも厳しいですね。

馬場 そうですね。小宮コーチに対してはけっこうな勢いで蹴ったり、ビンタしたりと強く当たっていますが、大東さんからは「思い切りきなよ! そのほうが面白いから!」って言っていただいています(笑)。

ーーそういったシーンを含め、これまであまり経験のないキャラクターを演じる部分で苦労はありましたか?

馬場 じつは、声のトーンの調整がすごく難しいんです。私は作品や役柄によって声の高さを変えるように意識していて、麻木コーチのキャラクターをイメージして声を低めに落としてみたんです。でも、どうしても単調に聞こえがちで、違和感がないよう、声のトーンを調整しながらの演技は思っていたよりも苦戦しました。

 加えて、飛び込みの専門用語が多いセリフにも苦労しました。例えば、今後の物語の中で、「HiHi Jets/ジャニーズJr.」の髙橋優斗くん演じる沖津飛沫(しぶき)が挑戦する「スワンダイブ」という技を説明するシーンがあるんですが、とにかくセリフが長い!(笑)。どういう技なのかを私自身がしっかり理解したうえで演じないと伝わらないので、一つひとつ覚えていく作業も大変でした。

 実際に撮影現場で指導してくださった、(日本水泳連盟飛込強化コーチの)金戸恵太さん(セントラルスポーツ)に技についてうかがったり、スタッフの方に作っていただいた資料を参考にしたり。飛び込みのことを学びながら撮影を進めていました。

ーー周囲から飛び込みを勧められませんでしたか?

馬場 スタッフの方に「やってみないですか?」とずっと言われていますがやめておきます...。私、高いところは大丈夫なんですが、泳げないんです...。飛び込みのプールって、10mの高さから勢いよく入る分、すごく深いので、飛び込んだあとが問題ですから(笑)。

ーー実際、10mの飛び込み台に上がってみたそうですね。

馬場 少し怖かったですが、実際に飛び込み台の先端まで行きました。ただ飛び込むのはちょっと......って感じでした。選手たちはあそこから飛ぶだけではなく回転もするなんて、本当にすごいです。

ーー現場以外でも飛び込みについて勉強しましたか?

馬場 2008年に公開された『DIVE!!』の劇場版をチェックしたり、飛び込みの大会の映像もチェックしました。選手の演技は、細やかで綺麗だなと感じました。海外の選手もこれから見てみたいですね。

ーーHiHi Jetsの井上瑞稀さん(坂井知季役)、髙橋さん、作間龍斗さん(富士谷要一役)の作中の飛び込みもとてもきれいです。

馬場 金戸コーチの指導の下、それぞれにクランクインの前からずっと本格的な練習と筋トレなどを重ねて、体を作ってきていました。本当にすごいと思います。

ーー共演してみていかがでしたか?

馬場 皆さんプロだなって思いました。普段からすごく仲が良くて、撮影の合間は笑いながら話していたり、休憩の時にお昼寝していたりしますが、本番になるとしっかり切り替えてお芝居に臨んでいます。若いのにすごいです。

ーー年下の方との共演で、ジェネレーション・ギャップは感じましたか?

馬場 それほどないのかなと思っているんですが、(HiHi Jetsの)3人とも「JUDY AND MARY」を知らないことに驚きました。休憩時間にジュディマリの曲が流れた時に「知らない」と言われて、「ウソでしょ??」って(笑)。私自身、リアルタイムの世代ではないですが、いろんなテレビ番組やお店で聞いたことがあって知っていたので、少しだけジェネレーション・ギャップを感じた瞬間でした。

(後編につづく)

【profile】 
馬場ふみか 
1995年、新潟県生まれ。2016年にファースト写真集『色っぽょ』(集英社)を刊行。17年に映画『劇場版コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』に出演。18年には『深夜のダメ恋図鑑』で連続ドラマ初主演。モデル、グラビアのほか、女優として映画、舞台、ドラマなど活躍の場を広げている。6月18日にフォトブック『ふみかのまんなか』(集英社)を発売。現在出演中の「ドラマホリック!『DIVE!!』」(テレビ東京ほか)では飛び込み競技のコーチ役を務めている。