「全仏オープン」(フランス・パリ/5月30日~6月13日/クレーコート)初日に女子シングルス1回戦を突破した世界ランキン…
「全仏オープン」(フランス・パリ/5月30日~6月13日/クレーコート)初日に女子シングルス1回戦を突破した世界ランキング2位の大坂なおみ(日本/日清食品)は、試合後の会見を宣言通り拒否し、罰金を科せられた。今後さらなる重い処分を科される可能性も生じている。英スポーツメディア Sky Sportsなど多数のメディアが報じている。【実際の投稿】大坂なおみの意味深な投稿大坂なおみの「全仏オープン」会見拒否、各方面から賛否両論
5個目のグランドスラムタイトルを狙う大坂は、1回戦で世界63位のパトリシア マリア・ティーグ(ルーマニア)を相手に6-4、7-6(4)のストレート勝利を収めた。試合後はオンコートの短いインタビューに応じたものの、メディアから要請のあった記者会見には姿を見せず、大会の規定通り罰金が科せられた。その額は1万5000ドル(約165万円)になると主催者が発表している。
大会に先立ち大坂は、SNSを通じて「全仏オープン」中の記者会見には応じない意向を示していた。これに対して大会側は「考え直すよう求め」、大坂の主張するメンタルヘルスに関する問題を解決すべく歩み寄りを試みたが、「失敗に終わった」としている。そして「全仏オープン」のみならずグランドスラム4大会すべての主催者が、大坂の行動に対して連名の声明を出した。その中で、選手の精神的な健康状態の重要性を認めた上で、ファンとのコミュニケーションや競技の発展のために、メディアに応じることは選手の責任だと主張している。これは個人の名声や信念、実績に関係なく、すべての選手が平等に扱われるために設けられたルールであり、今回の大坂の行動はそれに反するとした。
さらに、建設的な話し合いを通してメディアとの関わり方を見直す余地があるにもかかわらず、大坂が大会期間中にメディアへの対応義務を怠り続けた場合、大会から失格になる可能性があることを主催者は示唆。多額の罰金や今後のグランドスラム出場停止など、より厳しい制裁を下すこともあるとし、本人にも忠告している旨を明かしている。なお、「罰金はメンタルヘルスのチャリティー団体へ寄付してほしい」という大坂の要望は叶えられないという。
試合を終えた大坂はTwitterに「怒りは理解の欠如によるものであり、変化を不愉快に感じる人もいる」と綴り、一段と強固な姿勢を示している。さらに、Instagramのストーリーズには2019年に亡くなった米人気ラッパーJuice WRLDのあるアルバムのジャケット画像を投稿。そこにはアルバム名の「Goodbye & Good Riddance(さようなら、せいせいする)」という意味深な文字が書かれている。
昨年の「全米オープン」中には黒人犠牲者の名前が入ったマスクを着用するなど、大坂はこれまでにも公の場を利用して既存の仕組みに抗議してきた。だが、今回は世間だけでなく、同じテニス選手からの風当たりも強い傾向にある。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)やラファエル・ナダル(スペイン)、錦織圭(日本/日清食品)などの現役選手から、女子テニスの草分け的存在であるレジェンドのビリー ジーン・キング(アメリカ)まで、大坂の行動に一定の理解は示しながらも、メディアに応じる重要性を訴えている。
今回の一連の行動はまだまだ波紋を呼びそうだ。瞬く間にアスリートを超えたインフルエンサーとなった大坂だが、今は本業での戦いに集中してもらいたいものである。
※為替レートは2021年5月31日時点
(テニスデイリー編集部)
※写真は「WTA500 メルボルン」での大坂なおみ
(Photo by Jack Thomas/Getty Images)