クライミングW杯2021のボルダリング第3戦、米国・ソルトレイクシティ大会の男女決勝が現地時間30日に行われた。女子はナタリア・グロスマンが優勝して世界女王ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)の連勝記録がストップ。男子はショーン・ベイリーが初優勝し、男女とも地元・米国勢が表彰台の頂点に上がった。日本勢は藤井快が男子2位、楢崎智亜が同3位に入り、メダルを獲得した。

 男子決勝には東京五輪代表で今季初参戦となった楢崎が準決勝首位で進出。日本の緒方良行、藤井もファイナリストに名を連ね、開幕2連勝中だったアダム・オンドラ(チェコ)は肩の負傷により大事を取って予選から欠場した。

 決勝第1課題はスタートからのランジ後に3手連続で繰り出すコーディネーション系で、2番手の藤井はラストトライでアプローチを若干スタティックに変えたことで完登、5番手のベイリーは藤井より少ない7アテンプトで登り切る。ダイナミック系を得意とする最終6番手の楢崎にとっては容易な課題かと思われたが、攻略法を見つけられずゾーン獲得前に競技を終えた。

第1課題を登る藤井快。(写真:JMSCA)

 その後、第2課題は全員ゾーン止まり、第3課題は藤井、ベイリー、楢崎がゾーン止まりでその他3人はゾーンにすら届かないシビアな展開が続いた。完登を記録したのは第1課題での藤井、ベイリーのみで、首位ベイリー、2位藤井、3位楢崎の順で最終第4課題に突入する。

 最終課題で藤井はゾーンを獲得し2位以上を確定。そのままTOPホールドに向かうが、ゴール取りのランジに複数回失敗して力尽きる。対してベイリーはゾーン獲得で優勝を決めると、2トライ目で見事にTOPホールドを掴み切り、W杯初の栄冠に花を添えた。観衆も大声援で新王者を祝福した。3戦連続で決勝に進出した藤井は2位、最終課題を一撃して意地を見せた楢崎は3位、緒方は4位だった。

最終課題の完登でW杯初優勝に花を添えたショーン・ベイリー。(写真:© Daniel Gajda/IFSC)

男子表彰台=(左から)藤井快、ショーン・ベイリー、楢崎智亜。(写真:JMSCA)

 女子決勝はナタリア・グロスマン(米国)の独壇場に。先週この会場で初優勝していた19歳は、第1課題を卓越したバランス感覚で一撃すると、波に乗って第2、第3課題も一撃。最終課題でもゾーン取りのランジを見事なボディバランスで決めてそのまま完登し、全完一撃を達成した。

 これでグロスマンは同じく全完登したガンブレットをアテンプト数の差で上回り、準決勝6位からの逆転で2週連続優勝。ガンブレットはボルダリングW杯の出場大会連勝記録が9でストップした。日本から唯一ファイナルに進んだ野中生萌は第1、第2課題を取りこぼし、次第に調子を取り戻したが6位でフィニッシュ。2日前の日本人初W杯スピード種目メダル獲得に続く表彰台入りは叶わなかった。

全完一撃のナタリア・グロスマンが地元・米国で2連勝を遂げ、ヤンヤ・ガンブレットのW杯出場大会9連勝を止めた。(写真:© Daniel Gajda/IFSC)

<決勝>

[男子]
1位:ショーン・ベイリー(USA)/2t4z 9 11
2位:藤井 快(JPN)/1t4z 9 12
3位:楢崎 智亜(JPN)/1t3z 1 3
4位:緒方 良行(JPN)/0t2z 0 4
5位:ザック・ガラ(USA)/0t0z 0 1
6位:マキシミリアン・ミルン(GBR)/0t0z 0 2
――――――
13位:天笠 颯太(JPN)※準決勝進出
18位:杉本 怜(JPN)※準決勝進出
32位:高田 知尭(JPN)
34位:原田 海(JPN)

[女子]
1位:ナタリア・グロスマン(USA)/4t4z 4 4
2位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/4t4z 6 6
3位:ブルック・ラバトゥ(USA)/3t4z 5 8
4位:オリアン・ベルトーネ(FRA)/3t3z 9 5
5位:スターシャ・ゲヨ(SRB)/3t3z 11 10
6位:野中 生萌(JPN)/2t4z 5 9
――――――
9位:伊藤 ふたば(JPN)※準決勝進出
14位:中村 真緒(JPN)※準決勝進出
18位:野口 啓代(JPN)※準決勝進出
19位:中川 瑠(JPN)※準決勝進出
32位:石井 未来(JPN)

※左から氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

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Andy Bao/Getty Images

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