欧州の日本人選手32人を5段階評価(前編) 2020-21シーズンのヨーロッパ各国リーグが終了した。今季も多くの日本人選…
欧州の日本人選手32人を5段階評価(前編)
2020-21シーズンのヨーロッパ各国リーグが終了した。今季も多くの日本人選手がプレーしたが、その活躍ぶりはいかばかりだったのか。5大リーグ(イングランド。スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)1部所属クラブの選手と、今年に入ってから日本代表及びU-24日本代表に招集された選手、合計32人(前編15人、後編17人)について、サッカーライターの中山淳氏、浅田真樹氏、杉山茂樹氏が1~5の5段階で評価した(選手名に並記している数字は3人の平均)。

今季も安定したプレーぶりが高く評価された冨安健洋(ボローニャ)
GK
川島永嗣(ストラスブール/フランス)4
「当初は3番手の扱いだったが、チャンスをものにして半数以上の試合に先発。上々の出来だった」(4・中山)
「ベテランとして貴重な働き。期待された役割を考えれば、貢献度の高さは十分すぎるものだった」(4・浅田)
「ライバルのケガなどにより11月に正GKの座に就くと、4月に入りライバルが復帰するも新型コロナで離脱。再度正GKの座を掴んだ。38歳ながらトップレベルを維持」(4・杉山)
シュミット・ダニエル(シント・トロイデン/ベルギー)3.7
「開幕から正GKとしてプレーし、上々のプレーを見せた。終盤に控えに回ったのが減点材料」(4・中山)
「ようやくポジションをつかみ、欧州挑戦のスタートラインに立ったというところか」(3・浅田)
「正GKとしてコンスタントに出場、昨季より評価を上げた」(4・杉山)
中村航輔(ポルティモネンセ/ポルトガル)1.3
「冬の移籍で欧州初挑戦。さすがに初年度から正GKの座をつかむのは困難なので来季に期待」(1・中山)
「シーズン途中の移籍で適応の難しさはあったにせよ、権田の前例もあり、心配な状況にある」(2・浅田)
「柏レイソルから移籍するも、出場機会0に終わる」(1・杉山)
DF
冨安健洋(ボローニャ/イタリア)4.7
「指揮官からの信頼を勝ち取りCBとして躍動。後半戦はSBでも安定感のあるプレーを披露」(5・中山)
「代表戦後の負傷は痛かったが、トータルで見れば十分な活躍。市場価値の高さは変わらない」(5・浅田)
「CBのみならず、右SBに加え左SBとしてもプレー。チームの中心選手としてシーズンを通して活躍した。ボローニャを卒業し、来季はもうワンランク上のレベルでプレーしたい」(4・杉山)
板倉滉(フローニンゲン/オランダ)4.5
「リーグ戦全試合にスタメン出場を果たし、守備の要として活躍。個人としても大きく成長した」(5・中山)
「チームの中心としての地位を築き、確実に成長。さらに上の舞台へ移籍のタイミングか」(4・浅田)。
「主にCBとして全試合フルタイム出場。交代枠5人制の中でこの記録は表彰もの。より上位クラブでの活躍が期待される。冨安に迫れるか」(4.5・杉山)
吉田麻也(サンプドリア/イタリア)4.2
「今季も主軸CBとして安定感を見せた他、右SBも経験。32歳にしてプレーの幅を広げた」(5・中山)
「イタリア移籍をきっかけに、下降線をたどり始めていたキャリアの流れを変えた」(4・浅田)
「シーズンを通して安定したプレー。1-5で敗れた終盤のインテル戦での、3失点後の途中交代は残念だった」(3.5・杉山)
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)4
「監督交代後に出番を減らしたが、左右のSBに3バックの一角と、ユーティリティ度がアップ」(4・中山)
「チームが勝ち切れない状況にあって自身の立場も徐々に厳しいものに。J復帰の判断も賢明か」(4・浅田)
「南野拓実(当時はリバプール)らとともに今季のCLに出場したが、6試合にすべてに出場した酒井の特別感は際立つ。欧州最高峰の味を知る選手」(4・杉山)
菅原由勢(AZ/オランダ)3.7
「完全なレギュラーにはなれなかったが、スタメン出場が増加。昨季と比べて成長した印象」(4・中山)
「確実に成長している印象は受けるが、そろそろステップアップにつながる明確な活躍がほしい」(3・浅田)
「オランダリーグ3位の右SBとしてプレー。右ウイングでもプレーし、多機能性を発揮。ステップアップが著しい」(4・杉山)
室屋成(ハノーファー/ドイツ)3.7
「加入初年度からドイツに馴染み、右SBのレギュラーを獲得。安定したプレーを披露した」(5・中山)
「2部リーグの分、評価の割引は必要だとしても、ドイツ1年目で充実のシーズンを過ごした」(3・浅田)
「ブンデスリーガ2部の中位クラブで不動の右SBとしてプレー。欧州1年目だが、この状況から1日も早く脱出したい」(3・杉山)
◆加地亮が選ぶ日本人SBベスト10。内田篤人や長友佑都より強烈な選手がいた
橋岡大樹(シント・トロイデン/ベルギー)3.3
「シーズン途中の加入で馴染むまでに時間を要したが、終盤に挽回。来季は期待できそう」(3・中山)
「シーズン途中の移籍ながら、ポジションをつかむ。目立つまでには至ってないが、最低限の働きは示した」(3・浅田)
「シーズン終盤は右SBおよびウイングバックでレギュラーに定着。遠藤航、冨安健洋、鎌田大地のように他クラブへ羽ばたけそうな気配」(4・杉山)
長友佑都(マルセイユ/フランス)3.2
「主軸左SBの長期離脱で予想以上の出場時間を得たが、攻撃力が鳴りを潜めて内容は低調だった」(3・中山)
「主力とは言い難い立場ながら先発出場の機会もあり、ベテランらしい働きを随所に見せた」(3・浅田)
「フランスリーグ上位のマルセイユで小柄な34歳の左SBがどれほどプレーできるか危惧されたが、ガラタサライ時代より出場機会を伸ばした。トップフォームを維持している」(3.5・杉山)
植田直通(ニーム/フランス)3.2
「冬の移籍でフランス初挑戦。馴染むまでに時間を要したが、終盤に出場機会を得て及第点」(3・中山)
「フランス移籍後も出場機会を得て、少しずつステップアップしてはいるが、インパクトに乏しい」(3・浅田)
「前チームのセルクル・ブルージュと同様、移籍先でも即スタメン出場を果たした。ただしチームは降格で、来季どうする」(3.5・杉山)
MF
遠藤航(シュツットガルト/ドイツ)4.8
「最終節以外の33試合に先発して3得点を記録。個人としても急成長し、実り多き1年に」(5・中山)
「今季飛躍的な成長を遂げた。自身のキャリアにおいても重要なシーズンとなったはず」(5・浅田)
「不出場の最終節は別にして、途中交代はアウグスブルク戦(後半45分)とバイエルンとのアウェー戦(後半32分)のみ。他の試合はすべてフルタイム出場。今季の欧州で最も活躍した日本人選手」(4.5・杉山)
伊東純也(ゲンク/ベルギー)4.8
「キャリアハイの11得点14アシストを記録。得点力向上を含めてワンランク上のレベルに」(5・中山)
「自身初の2桁ゴールを記録。得点力に磨きをかけ、アタッカーとしてプレーの幅を広げた」(5・浅田)
「チームの勝利に大きく貢献。得点11、アシスト14で計25ゴールに絡んだ計算になる。現在28歳だが、まだ飛躍できる。久保建英、堂安律に勝った状態にある」(4.5・杉山)
鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)4.8
「躍進したチームの中核を担い、5得点12アシスト。市場価値を高め、引き抜きの可能性も」(5・中山)
「選手としての格が一枚上がった印象。完全に攻撃面で違いを生み出せる選手になった」(5・浅田)
「ブンデスリーガ5位は、日本人選手がプレーする欧州クラブの中で最高位。ヨーロッパリーグ出場圏内のチームの主力アタッカーとして飛躍。いまの日本代表で最も外せない選手か」(4.5・杉山)
(つづく)