2日目を迎えた「ブリスベン・グローバル・テンズ」。14チームが参加して争われた大会、決勝はチーフスとクルセイダーズのニュージーランド勢の対戦となり、チーフスが12-5で初代王座に輝いた。チームにとっては、この日、35歳の若さで世を去ったチ…
2日目を迎えた「ブリスベン・グローバル・テンズ」。14チームが参加して争われた大会、決勝はチーフスとクルセイダーズのニュージーランド勢の対戦となり、チーフスが12-5で初代王座に輝いた。チームにとっては、この日、35歳の若さで世を去ったチーフスのOB、シオネ・ラウアキ氏に捧げる勝利となった。
前日、ワラターズとレベルズを下したパナソニックは、予選最終戦でチーフスと対戦。決勝トーナメントを見据え、ベリック・バーンズ、ヒーナン ダニエル、山田章仁ら主力を休ませて臨み、5-33で敗戦。2勝1敗となりプールA2位で決勝トーナメントに進んだが、初戦でクルセイダーズに7-12で惜敗。ベスト4進出はならなかった。
「クルセイダーズに負けたからと言って恥じることは何もない。日本にもこのレベルで十分に戦えるチームがあることを証明できた」。かつて自らが率いたチームと対戦したロビー・ディーンズ監督は言った。
前の試合で主力を休ませて臨んだパナソニックだったが、序盤から動きは鈍かった。キックオフのボールに絡まれ、ノットリリースの反則。そこからつながれジョージ・ブリッジに先制を許す。前日、確実に決まっていたタックルも疲れからか鋭さを欠いた。6分にはセタ・タマニヴァルにトライを奪われ、0-12。そこからペースを取り戻したが、スコアで上回るには至らなかった。スーパーラグビー優勝7回のクルセイダーズは前日対戦したオーストラリアのチームよりもプレーの正確さ、速さの質が違った。
2勝2敗で大会を終えたパナソニックたが、選手たちが得たものは大きかった。会見に出席した児玉健太郎は「自分たちがやっているラグビーが世界でも通用することが分かった。さらに完成度を上げればもっと戦える」と、パナソニックのラグビースタイルに自信を深めた。
初めて開催された「ブリスベン・グローバル・テンズ」。この2日間でラグビーファンは、セブンズのスピード感と15人制の激しさを併せ持つ10人制の魅力に気付いたはずだ。
大会主催者のDUCOはクイーンズランド州政府と契約、今後3年間はブリスベンでの開催が決定している。オーストラリア、ニュージーランドからスーパーラグビー10チームの参加も決まっており、残り4チームが招待枠となる。レイチェル・キャロルCEOは「ディーンズ監督が率いるということでパナソニックに期待はしていましたが、予想以上の健闘で大会を盛り上げてくれました。ぜひこれからも参加してほしい」とコメント。次回の招待チームに関しては、大会終了後すぐに交渉に入り、決まり次第発表するという。
ブリスベンは成田からおよそ9時間。毎日就航しており、夜に日本を発てば翌朝には到着。時差も1時間と行きやすい。サンコープスタジアムも街の中心部から電車で2駅とアクセスも良い。パナソニックの躍進で一気に注目度が上がった大会、来年はぜひ実際に体験してみては。(文:森本優子)
<ブリスベン・グローバル・テンズ 最終日結果>
▼プールA
・パナソニック 5-33 チーフス
【プールA】
1位: チーフス(ニュージーランド/2勝1敗/勝点7/得失点差+26)
2位: パナソニック ワイルドナイツ(日本/2勝1敗/勝点7/得失点差-14)
3位: レベルズ(オーストラリア/1勝2敗/勝点5/得失点差+7)
4位: ワラターズ(オーストラリア/1勝2敗/勝点5/得失点差-20)
【プールB】
1位: クルセイダーズ(ニュージーランド/3勝0敗/勝点9)
2位: レッズ(オーストラリア/1勝1分1敗/勝点6)
3位: サモア(1勝2敗/勝点5)
4位: ブルーズ(ニュージーランド/0勝1分2敗/勝点4)
【プールC】
1位: ブルー・ブルズ(南アフリカ/2勝1敗/勝点7/得失点差+11)
2位: ハイランダーズ(ニュージーランド/2勝1敗/勝点7/得失点差+6)
3位: ブランビーズ(オーストラリア/2勝1敗/勝点7/得失点差-3)
【プールD】
1位: ハリケーンズ(ニュージーランド/2勝1敗/勝点7)
2位: フォース(オーストラリア/1勝2敗/勝点5)
3位: トゥーロン(フランス/0勝3敗/勝点3)
▼準々決勝
・チーフス 12-10 レッズ
・クルセイダーズ 12-7 パナソニック
・ブルー・ブルズ 19-12 フォース
・ハリケーンズ 7-5 ハイランダーズ
▼準決勝
・チーフス 26-14 ブルー・ブルズ
・クルセイダーズ 17-7 ハリケーンズ
▼決勝
・チーフス 12-5 クルセイダーズ
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