小笠原ではなく、笠原である。かつて工藤公康、杉内俊哉らが背負い、“左腕エース”のイメージが強い背番号『47』。中日では昨季まで、同じく左腕だった浜田智博が着用していたが、2014年のドラフト2位左腕は昨夏に左手中指の手術を受けるなど故障に苦…

小笠原ではなく、笠原である。

かつて工藤公康、杉内俊哉らが背負い、“左腕エース”のイメージが強い背番号『47』。中日では昨季まで、同じく左腕だった浜田智博が着用していたが、2014年のドラフト2位左腕は昨夏に左手中指の手術を受けるなど故障に苦しみ、今季から育成選手として再出発することになった。
空いた『47』を2017年から背負うことになったのが、全国的にはあまり知られていない、新潟医療福祉大からドラフト4位で入団した笠原祥太郎。同大野球部1期生の左腕は、高校時代まで無名の存在だったが、大学4年間でメキメキと成長し、世代屈指のサウスポーとして同大4年時には侍ジャパン大学日本代表の合宿メンバーに選ばれた。

今キャンプでは、大学時代から切磋琢磨してきたドラフト1位右腕・柳裕也らとともに、1軍メンバー入りを果たした。まだまだ認知度では柳に及ばないが、7日のブルペンでは、友利投手コーチが「笠原いいなぁ、ビックリする」「エグイ」としきりに唸るなど、現場の評価は一気に高まってきている。
7日はブルペンでの投げ込みだけではなく、フリー打撃にも登板。「緊張しました。プロの打者は甘くなると遠くまで運ばれる」と言いながらも、「腕を振ってストライクを取ることをテーマに投げました」と、制球面でやや苦戦したものの、キレのあるストレートをビシビシ投げ込んだ。
中日先発陣は頭数こそ揃っているが、左投手はバルデス、ジョーダンら外国人頼みで、ローテーション当確と言えるのは大野雄大くらいしか見当たらない。現在2軍調整中の高卒2年目・小笠原慎之介、新たに加わった2メートルの長身左腕・アラウホらライバルは多いが、笠原が開幕ローテの食い込む可能性は大いにある。