2020-21シーズンのヨーロッパサッカーも、いよいよ閉幕が近づいてきた。新型コロナウイルスの影響により無観客試合が日…

 2020-21シーズンのヨーロッパサッカーも、いよいよ閉幕が近づいてきた。新型コロナウイルスの影響により無観客試合が日常化するなど、通常とは異なるシーズンとなったが、それでも話題には事欠かず。今シーズンもさまざまなニュースが世界を駆け巡り、サッカーファンの関心を呼んだ。そのなかから、現時点でのトップ10ニュースを選んでみた。



今季の終了とともに、再び去就が話題となること必至のリオネル・メッシ(バルセロナ)

10位:名門シャルケが30年ぶりに2部降格

 内田篤人が長く所属したことで日本のサッカーファンの間でも有名なドイツの名門シャルケは、4試合を残す時点で最下位が決定。30年ぶりに2部降格になった。開幕14試合未勝利と最悪のスタートを切ると、4度の監督交代を行なったが、立て直すことはできなかった。

9位:フランスのリーグ・アン放送権を巡る大混乱

 フランスのリーグ・アン(およびリーグ・ドゥ)の放送権が、シーズン開幕後、資金難に陥ったメディア・プロ社によって破棄されるという大騒動があった。結局、カナル・プリュス社が新たに契約を結んで放送を引き継いだことで決着を見たが、リーグおよびクラブは放送権料収入の大幅減を強いられるなど、放送権の在り方が問われることとなった。

8位:ユベントスのセリエA連覇が9でストップ

 クラブのレジェンド、アンドレア・ピルロを新指揮官に据えたユベントスだったが、序盤から戦いが安定せず、10連覇はならず。代わって11シーズンぶりの優勝を果たしたのはアントニオ・コンテ率いるインテルだった。

7位:元イタリア代表FWパオロ・ロッシ氏が他界

 1982年スペインW杯で得点王に輝き、イタリアを44年ぶりの優勝に導いた名ストライカー、パオロ・ロッシ氏が、2020年12月9日、肺がんのため64歳で逝去した。

6位:バルセロナ新会長選挙でラポルタ氏が勝利

 ジョゼップ・マリア・バルトメウ前会長の辞任を受けて行なわれた、「バルサ・ゲート」などと呼ばれて黒い噂が絶えないバルセロナの会長選挙。今回はジョアン・ラポルタ氏が勝利を収め、新会長に就任した。2005-06シーズンのチャンピオンズリーグ優勝など、黄金期を築いたラポルタ会長が、再びバルセロナを復活させることができるか、要注目だ。

5位:レヴァンドフスキがMVPをダブル受賞

 バイエルンでプレーするポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキがFIFAとUEFAの年間MVP個人賞をダブル受賞した。

 今シーズンもブンデスリーガ得点王の座をほぼ手中にしているレヴァンドフスキは、UEFAが選出する2019-2020シーズンのヨーロッパ最優秀選手賞に選出されると、その約2カ月後にはFIFAの年間表彰式「ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ」で男子の年間最優秀選手賞を受賞。残念ながら、昨年はコロナ禍によりバロンドールの開催が見送られたが、それ以外の代表的な個人賞はレヴァンドフスキが独り占めした格好だ。

 チャンピオンズリーグ、ブンデスリーガ、ドイツカップの三冠を達成した他、チャンピオンズリーグとブンデスリーガの得点王も獲得したレヴァンドフスキ。まさしく、2020年を代表するプレーヤーだったと言っていいだろう。

◆2021年注目のサッカースターたちとランキング表

4位:ビッグクラブがコロナ禍により軒並み財政難に

 コロナ禍の影響による各クラブの財政難は、今シーズンの見逃せないトピックスと言えるだろう。いくつかのクラブは前年度の収支状況を発表しており、軒並み大赤字に陥っていることが明らかになっている。

 とりわけ注目を集めているのが、ビッグクラブの財務状況だ。たとえば、バルセロナは約2億ユーロ(約250億円)の減収となり、9700万ユーロ(約120億円)の赤字。マンチェスター・シティは、全体の収入が11%減となって2019-2020シーズンは1億2600万ポンド(約191億5000万円)の赤字を計上。同じくリバプールも、同シーズンの税引き前損失が4600万ポンド(約69億5000万円)と発表。前年度の4200万ポンド(約63億5000万円)の黒字から一転、赤字となった。

 また、ユベントスが今シーズンの上半期の決算で1億1300万ユーロ(約145億5400万円)の赤字を報告するなど、昨シーズンから続くヨーロッパサッカーの大不況は出口の見えない状況が続いている。もちろん、中小のクラブの多くも苦しい財政を強いられており、来シーズンも赤字クラブの増加傾向は変わりそうにない。

3位:ディエゴ・マラドーナ氏の逝去

 サッカー界のレジェンド中のレジェンド、ディエゴ・アルマンド・マラドーナ氏の訃報は、世界中のファン、関係者に衝撃を与えた大きなニュースだった。

他界前には、硬膜下血腫を摘出する手術から順調に回復していることが報じられていたマラドーナ氏だったが、2020年11月25日に容態が急変。帰らぬ人となってしまった。ヨーロッパサッカー界に与えたインパクトも計り知れないものがあり、さっそくその夜に行なわれたチャンピオンズリーグのキックオフ前には各会場で黙とうが捧げられた。

死因は心臓発作と発表されているが、その後、処置に当たっていた医療チームが捜査対象となるなど、真相はいまだはっきりしていない。先月末には、死因究明と過失の有無を捜査するために、アルゼンチン検察によって招集された医療委員会が、医療チームの不備などを指摘する調査報告書を公表。捜査次第では、過失致死として裁判に発展する可能性もある。遺産相続問題なども含めて、今後もマラドーナ氏を巡る報道が続きそうだ。

2位:リオネル・メッシのバルセロナ退団騒動

 今シーズン開幕前に話題を独占したリオネル・メッシのバルセロナ退団騒動も、今シーズンの代表的ニュースとして挙げられる。

 13歳の時にバルセロナの下部組織に入団して以来、バルサひと筋を貫いてきたサッカー界の至宝が、クラブに対して一方的に契約解除の意向を通達したのは2020年8月25日のこと。以降、移籍先などメッシの去就にさまざまな憶測が飛び交い、サッカー界全体を揺るがす一大騒動となった。

結局、9月4日にメッシが残留を表明したことで一時的に事態は収束に向かったが、当時のジョゼップ・マリア・バルトメウ会長を中心とするフロントに対するメッシの不信感が公になったことが影響し、批判にさらされたバルトメウ会長は辞任を決断。一方で、今夏に契約満了を迎えるメッシが来シーズン以降もバルセロナでプレーするかどうかはまだ決定しておらず、今シーズン終了後には、再びメッシの動向が注目を集めることになるはずだ。

1位:欧州スーパーリーグが発表48時間で頓挫
 
 今シーズンのヨーロッパサッカー界で最も大きなニュースとなったのが、日本でも一般のニュース番組で取り上げられるなど、ある種の社会現象にまで発展した「ヨーロッパ・スーパー・リーグ(ESL)」問題だろう。

 時は2021年4月18日。スペインの名門レアル・マドリードをはじめ、イングランドのマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、リバプール、チェルシー、アーセナル、トッテナム・ホットスパーの6クラブ、イタリアのユベントス、ミラン、インテル、スペインのバルセロナ、アトレティコ・マドリードの計12クラブがESL参加を表明。アメリカの金融大手JPモルガン・チェースの資金をバックに、「ビッグクラブの、ビッグクラブによる、ビッグクラブのための大会」の創設が明らかになった。

 ところが、エゴに満ちた金持ちクラブの動きに対し、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)をはじめ、サッカー界のOB、現役選手、メディア、そしてサポーターたちがいっせいに反発。彼らの暴走を止めるべく猛烈な逆風が吹き荒れると、世論に屈するかたちでイングランドの6クラブが次々に撤退を表明。ESLはわずか48時間で頓挫する運命を辿った。

 ただ、ひとまず終息したかに見えたこの問題は、まだすべてが終わったわけではない。

 特にマンチェスター・ユナイテッドのサポーターがリバプール戦(5月2日)の前にスタジアムに乱入して抗議活動を行なうなど、サポーターのオーナーに対する不信感は収まりそうな気配がない。チェルシーは、サポーター代表者の理事会への出席を認めるなどして事態の収拾を図ることにした。UEFAによる制裁の件も含めて、今後もESLの波紋は広がりそうだ。