歴代日本人サッカー選手で、各ポジションのナンバーワンは誰なのか。同じトップレベルを経験した、元選手に語ってもらう企画。今…

歴代日本人サッカー選手で、各ポジションのナンバーワンは誰なのか。同じトップレベルを経験した、元選手に語ってもらう企画。今回はGKのポジションのランキングだ。2000年代を中心にガンバ大阪や浦和レッズなどで活躍し、日本代表でもプレーした都築龍太さんに、ランキングを決めてもらった。

4位 曽ヶ端準(元鹿島アントラーズ)

 ソガは昨年引退しましたけど、あれだけ長い間、鹿島アントラーズという一つのクラブで正GKの座を守りつづけるのは並大抵のことではないし、残した実績は偉大だと思います。同じ時期を戦ってきましたけど、いつも良いGKだなと思って見ていました。

 僕と同じように負けず嫌いで熱いタイプ。それでいてプレーのしなやかさとか、クロスに出るタイミングとか、シュートストップの安定感とか、技術のレベルも高かったですよね。

 ソガのことはユースの頃から知っています。初めて会ったのは僕が高校3年生で、彼がひとつ下。高校選抜対U-18日本代表の試合でした。その頃からソガのプレーは変わってないですね。両足が使えて足元もうまかったし、ユースの頃から完成された選手だったと思います。あと老け顔で落ち着いていました(笑)。

 若くして鹿島の正GKの座を掴んで、多くのタイトルを獲ってきたのはすごいですよ。もちろん、最初は周りに助けられたことも多かったと思います。鹿島のDFはレベルが高かった。僕は日本代表で秋田豊さんとプレーした経験がありますけど、すごく頼りになるなと感じました。そうした周りの選手に助けられながら、自分の存在感をつくってきたんだと思います。

 クォン・スンテ(韓国)が加入するまで、クラブが即戦力のGKを獲得してこなかったところが、彼の勝ち取ってきた信頼の大きさを物語っていると思います。今季正GKとして試合に出ている沖悠哉は下部組織出身ですよね。プレースタイルこそ全然違いますが、たたずまいとか、雰囲気はどこかソガに似ているところがあります。やっぱり下の年代の選手にとって、ソガは憧れの存在なんだと思いました。



西川周作は足元の技術が卓越したGKの代表格だ

3位 西川周作(浦和レッズ)

 彼は、僕やソガとはまた違う種類の存在感があるGKだと思います。常にポジティブにチームを鼓舞して、雰囲気をつくるのがすごくうまい。フィード能力の高さはずば抜けていて、世界でも屈指のレベルです。

 現代サッカーにおいて、GKの足元の技術は非常に高くなければいけないと思うんですけど、西川はフィードだけではなくてトラップの技術なども高くて、彼がいることによって戦術に多くの選択肢を与えられるほどです。

 ミハイロ・ペトロビッチ監督(現北海道コンサドーレ札幌監督)の頃の浦和はGKがボールを持つと周りの選手が連動して動いて、彼はそのなかでフィード能力を発揮していました。そういうチーム戦術のなかで足元の技術を発揮できるGKは多いと思うんですけど、西川はそうした戦術がなかったとしても簡単にボールをつなげていけるんですよね。

 彼を語る時はどうしても足元の技術の話にばかりなってしまうんですけど、当然それ以外の能力も高い水準です。GKとしての能力も高いうえで、足元の技術が卓越したGKの代表格として、3位に入れたいと思います。



「1位と2位は不動の2人」(都築氏)という、楢﨑正剛と川口能活

2位 川口能活(元横浜F・マリノスほか)

 日本代表のGKを象徴する一人ですよね。みなさんが知ってのとおり、勝負強くて大事な試合ですごいプレーをして、チームを勝たせることができる。

 能活さんはとにかく負けず嫌いの塊のような人で、周りに負けたくないのはもちろんだけど、何より自分に負けたくないという人でしたね。あの神がかったプレーの連続は、そうした努力の積み重ねによって、生まれてきたものだと思います。

 存在感はとにかく際立っていて「能活さんがいれば点は入らない」と思わせるほどでした。ただ、代表で能活さんと練習をしているとなぜか普通な感じで、そんな雰囲気を感じさせないんですよ。だけど試合になると、本当にすごい。

 とにかく試合での集中力がすごかったし、大事な試合とか局面になるほど、それが研ぎ澄まされていきました。28年ぶりのオリンピック出場を決めた、96年アトランタ五輪の予選もそうだし、本大会のブラジル戦でも凄まじいセーブで「マイアミの奇跡」を起こしましたからね。日本中が期待すればするほど、能活さんは良いプレーをしました。

 今は五輪代表チームのコーチをやっていますけど、マネージャーに話を聞くと練習の内容どうこうではなくて、能活さんの存在自体が選手たちの成長につながっていると言います。昔だけではなくて、今の若い選手にも大きな影響力のあるGKです。

1位 楢﨑正剛(元名古屋グランパスほか)

 意見が分かれるでしょうが、僕は楢﨑さんを1位に推したいと思います。同じ奈良県出身なので中学生の頃から知っているんです。楢﨑さんが中学3年の時に僕は1年生。当時の楢﨑さんは坊主頭で、初めて大会で見た時から体も大きくすごいGKでした。

 彼のチームは弱かったんですよ。それで県内の強豪チームと1回戦で当たって、普通なら0-15とかで負けるような試合になるはずが、0-2くらいでしたから。楢﨑さん一人で止めまくっていました。

 その後、奈良育英高校に行って、僕も行く可能性があったので練習参加した時に周りに話を聞くと、中学の時の存在感のまま活躍していました。PKで枠を外れたシュートまで止めたことがあるっていう逸話も聞きました(笑)。

 楢﨑さんのプレーに派手さはまったくない。もちろん、ビッグセーブも出るんだけど、絶対に入れられてはいけないタイミングとか、時間帯とか、ピンチの時に楢﨑さんはどっしりと構えて、防いでくれる。

 それからミスが少ない。試合中、GK同士でないとわからないミスってあるんですよ。そんなミスもとにかく少なかった。終始安定したプレーと、すばらしい人間性、キャプテンシーで存在感は絶大でした。

 能活さんと楢﨑さんが日本代表やJリーグで切磋琢磨して、日本のGKのレベルは確実に上がったと思いますね。日本サッカーへの多大な貢献ということで、1位と2位は不動のこの2人だと思います。

都築龍太
つづき・りょうた/1978年4月18日生まれ。奈良県出身。国見高校から97年にガンバ大阪に入団。03年からは浦和レッズでプレー。リーグ、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグでタイトルを獲得した、チームの黄金期のGKとして活躍した。日本代表は国際Aマッチ6試合出場。10年に湘南ベルマーレでプレーしたのを最後に引退。現在はさいたま市議会議員を務める。