4月18日、東京六大学野球春季リーグの第2週2日目が行われ、第1試合では立大が3対1で法大に勝利。今カードを1勝1分けの勝点1.5で終えた。6回から4番手で登板した立大・栗尾。前日に続いて、この日も2イニングを無失点に抑える好リリーフを見…

 4月18日、東京六大学野球春季リーグの第2週2日目が行われ、第1試合では立大が3対1で法大に勝利。今カードを1勝1分けの勝点1.5で終えた。

6回から4番手で登板した立大・栗尾。前日に続いて、この日も2イニングを無失点に抑える好リリーフを見せ、リーグ戦初勝利を掴んだ。

 雨中の引き分け決着から一夜明け、晴天に恵まれた神宮球場。土壇場で追い付いた前日の勢いを持ち込みたい立大は、池田陽佑(2年・智弁和歌山)が5回91球を投げた前日に続いて2日連続の先発登板。対する法大は、今秋のドラフト候補に挙げられる最速151キロの大型左腕・山下輝(4年・木更津総合)が先発マウンドに上った。

 初回、立大が2死一、三塁、法大が1死2、3塁と、両チームともにチャンスを掴みながらも無得点。迎えた3回表、立大が1番・道原慧(3年・駒大苫小牧)のヒット、盗塁、3番・太田英毅(4年・智弁学園)のヒットなどで2死二、三塁とすると、5番・東怜央(4年・福岡大大濠)が追い込まれながらも「何が何でも打つんだと、死ぬ気で食らいついた」とセンター前に弾き返して2者生還。立大が2点のリードを奪った。

 対する法大は5回裏に反撃。4回から2番手で登板した野口裕斗(2年・東海大相模)を攻め、四球とヒット、エラーで無死満塁の絶好のチャンスを掴む。だが、結局は1死満塁から内野ゴロで1点を返したのみ。野口が最小失点で踏ん張った後、3番手の石元悠太郎(2年・佼成学園)も2死一、三塁のピンチを切り抜けた。

法大のドラフト候補左腕・山下輝は7回2失点と先発としての役割は果たしたが…。

 その後、立大は6回から栗尾勇摩(4年・山梨学院)、8回から宮海土(3年・國學院栃木)がリリーフ登板。ともに前日の第1戦で2イニング無失点の好投を見せていたが、この日も安定感抜群のピッチングを披露。「投手陣全体で9回を投げるという中で一人一人が役割を果たしてくれている」と立大・溝口智成監督。「エース不在と言われている中で、それがいい効果をもたらしている」と栗尾。すると9回表に前日同点打でチームを救った吉岡広貴(3年・広陵)が、再び代打タイムリーを放って3対1とリードを広げ、最後は宮の気迫のピッチングを見せた中、遊撃手・井上剛(3年・佐久長聖)の好守備もあってゲームセット。立大が今カード1勝1分けとして勝点1.5を獲得した。

 敗れた法大の加藤重雄監督は「最大のポイントは、(5回裏の)満塁の場面でゲッツー崩れの1点しか奪えなかったこと」と振り返りながら、「うちの投手力を持ってすれば、3点、4点を取れれば勝てると言って来たが、その3点、4点が取れない」と得点力不足に嘆き。1週空いての第4週、5月1日、2日の早大戦へ向けて「泥臭く点を奪えるようにしたい」と約束した。

8回裏、三遊間への鋭い当たりを好捕して2塁封殺に成功した立大の遊撃手・井上剛(3年・佐久長聖)がガッツポーズ。好投を続ける投手陣を守備陣も盛り立てた。

■立教大vs法政大
立大 002 000 001=3
法大 000 010 000=1
【立】池田陽、野口、石元、○栗尾、宮-黒岩
【法】●山下輝、平元、古屋敷-大柿

◎立教大・溝口智成監督
「外から見ると主導権をずっと握っていたように見えたかも知れませんが、どっちに流れが行くか分からない一進一退の攻防でした。(先発の池田は)昨日以上のピッチングをしてくれて、いいスタートが切れた。目安は3イニング。試合前から継投で行くと決めていた。(ブルペン陣の好投に)エース不在ということを、それぞれが前向きに捉えてくれている。投手陣全体で9回を投げるという中で一人一人が役割を果たしてくれている」

◎立教大・東怜央(4年・福岡大大濠)
「(先制打の場面を振り返って)昨日チャンスでゲッツーに終わって、今日の1打席目も打てなかった。何とか1本打とうと思って食らい付いた。気持ちで打ちました。三振だけはしたくなくて、逆方向を意識してボールを長く見ようとした結果です。自分のバッティングで、チームの勝ちに貢献できればと思います」

◎立教大・栗尾勇摩(4年・山梨学院)
「エース不在と言われている中で、それがいい効果をもたらしている。一人一人が1球1球を大事に、全員で抑えにいくという形ができている。(リーグ戦初勝利は)率直に嬉しいです。これまで勝利の機会を2回潰していたので、ようやく勝てた。長かったです。自分はすごい球速があるわけじゃないので、低目に投げることを意識している結果が無失点に繋がっていると思う」

◎法政大・加藤重雄監督
「(先発の)山下はいつも通りのピッチングはできていたかなと思います。守備の対応の拙さは大きな反省材料。この試合の最大のポイントは、(5回裏の)満塁の場面でゲッツー崩れの1点しか奪えなかったこと。どうしてもこの4試合、攻撃がうまくできていない。三浦、山下という左右のエースがいいピッチングをしながらも勝たせてあげえらないことは、監督として責任を感じています。攻撃のところでもう少し泥臭く点を奪えるようにしたい」

◎法政大・山下輝(4年・木更津総合)
「(前回登板の)慶應の時よりは、少し(力を)抑えながら、うまく体力を温存しながら投げた。長いイニングを投げようと思って、変化球をうまく使いながら投げた。(先制失点の場面は)最後、ツーシームで落としたんですけど、うまく合わせられた」